のどのど日記

昨日ものどのど,今日ものどのど.
明日は…?

結び目をほどく

2011-11-19 | のどのどぬ人

11月19日

山形市・霞城セントラルで, 山形県国際交流協会の「国際理解実践フォーラム2011」に参加して来ました.

午前中1コマ目のアクティヴィティ(「ファシリテーションの基本について」)で三上先生が繰り返しおっしゃったのは, 言葉を使うときには, 誰に届けるのか, それはその場にふさわしい言葉なのかを常に考えることが大事だということでした.
相手を見て投げるボールを変えることが大切で, それは異文化間(改めていうまでもなく, 異文化/多文化的な状況は日常のいたるところにあります)でのコミュニケーションではなおのこと大切だなぁ, と思いました.
3コマ目は米沢の研究会の「食」についての授業提案.
やればやるほど, こちら側が思いもしない展開になっていくのがとても面白かったなぁ.

夜は打ち上げに参加.
色んな分野の方々とお話できるのはとても楽しい時間です.
そんな土曜日.

(ド:「結び目をほどく」→ 佐藤健二ほか「文化の社会学」)

美しいポピュラー・ソング

2011-11-19 | のどのどぬ人

11月19日 武満 徹ソングブック・コンサート@めぐろパーシモンホール

いつかライブで聴いてみたいと思っていたヴォーカリストの方、何人もが出演するコンサート。歌われるのは武満 徹が遺した歌だけ。後半しか聴けなかったけれど、やっぱりとても良かった。その理由は、なにより曲のよさ、うた(詩)のよさ、そして出演者全員の、作曲者に対するリスペクト。

アン・サリーさんが歌った「死んだ男の残したものは」は、周りのものをすっかり削ぎ落としたような、モノクロの風景の、まっすぐな歌い方。ショーロクラブ秋岡さんのバンドリンが、とても繊細にでも力強く色をつける。おおたか静流さんの「三月のうた」はもうひと吹き木枯らしが吹いたら、かき消されてしまうようなガラスの器のような歌だった。沢 知恵さんの「燃える秋」、松田美緒さんの「翼」。女性の声はきびしくもあたたかい。おおたか静流、沢 知恵、アン・サリーの3人で歌ったアンコールのMIYOTAは、「声明のような」と秋岡さんが言うとおり風や空気や温度の見えないものをふと音に、声にしたようなかけあいから始まり、その森の奥深くにこの歌を微笑んで聴いているその人が、今もほんとはいるんじゃないか、と思えてしまうような音楽だった。

震災を挟んで行われたレコーディング、4月、音楽なんてやっている場合ではないんじゃないか、とも迷った、けれどいや、やっぱりまずやろうと始めてみると、武満さんの音楽も言葉も(谷川俊太郎さんの詩も同じく)、今このときの自分たちが接することをまるで最初からわかっていたかのように、あまりにもしっくりと"今"必要なものがそこにはあった、と、ショーロ・クラブの御三方が頷いていた。それは今日のコンサートを聴いただけでも、充分すぎるほどわかる。武満 徹の音楽は、もうずっと前から、私たちに寄り添うものであったのだと、そんな風に思った。

外は嵐のような雨模様。室内楽のような親密な音楽を、大きな大きなホールで聴かせてもらった日。

(ゆ)