虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

謎の娘キャロライン/カニグズバーグ

2007年05月22日 | 
岩波少年文庫

「カーラの結婚宣言」を見て、久しぶりに出してきて読みました。

 これも、私の片付かない観念を刺激してきます。
 キャロラインとは、誘拐された金持ちの娘で、死んだものと思われていたのが10数年ぶりにあらわれ、母の違う弟と妹の人生を大きく変えていく、というお話。
 そして、その妹の方が障害があります。
 内容は本当に是非読んでいただきたい、というものです。ミステリー要素も(話のメインでもないし、すぐわかっちゃうけど)あり、いつもながら、思春期の歯を食いしばって生きる少年の姿は読ませます。
 そしてこれを読むといわゆる健常者が障害を持つ人に「(健常者よりも)劣った」「イノセントな(…これも認識とか思考の幅が劣るという意味での)」「(より強いものに)守られるべき」存在であることを強制しているのを認識させられます。

 だからといって、どうすればいいのかがさっぱり分からないのが「片付かない観念」の不安の原因。だってやっぱり「幸せでいて欲しい」というのは願っていますが、それがイコール「平穏無事」以上には想像ができません。私については、ハンディキャップの問題で追い詰められたことはなく、見聞きしたことひとつひとつについてそれぞれ別個に考えるのみ、なのです。

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