虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ゴーストワールド (2001/アメリカ)

2005年09月21日 | 映画感想か行
GHOST WORLD
監督: テリー・ツワイゴフ 
原作: ダニエル・クロウズ
出演: ゾーラ・バーチ     イーニド
    スカーレット・ヨハンソン    レベッカ
    スティーヴ・ブシェミ     シーモア
    ブラッド・レンフロー     ジョシュ

 高校を卒業はしたものの、職も無く、当面の当ても無く過ごすイーニド。落とした美術の補習では前衛でハイテンションな講師に憮然とし、友人のレベッカと、フラフラする毎日。ある日、一度出会った女性を探す新聞広告を見た二人はその男に電話をかけ、待ちぼうけを食う姿を見て面白がる。そして家まで尾行までしてしまう。その中年男はレトロな音楽オタクで、イーニドは彼に興味を持つ…

 みんながみんな、きれいでもかっこよくも無い映画。
 女優2人もなんかムチムチして、それがグラマーという感じでなくて、よくあるしまりきってない成熟以前のムチムチに見えるのです。たいしたものです。それにあのすごいファッションを着こなしてるのがエライ。なによりも飛び上がったのがあの絵に描いたような美少年、ブラッド・レンフロのダサさ。目が信じられないくらい。
 アメリカのコミックの映画化というけど、アメコミもアクション系でなく、日本で言えば初期の柴門ふみや、とがった少女漫画を思わせるこういう青春ものがあるんだな、というのも改めて認識です。

 あの、ハイティーン2人の女の子は見てて実にわかって恥ずかしい。私もかつてそうだったという身に覚えが十分あるし、今そうなってるのも家にいる。
 下手に出てる優しいおずおずしたお父さんへのつっけんどんな態度ってなんでしょうね、卒業後の進路についての話をしてるのに知らん顔して、
「聞いてないんだけど」
ひえ~!覚えがありすぎて恥ずかしい!(うちの場合はこれをすると、2~3日の暴風雨は覚悟ね)
 でも本当に、あのころはワケわかんないいらだちをしじゅう抱えてたなあ。今はそれをやっても自ら恥ずかしいから適当なところで撤退してますが。
 それに、はぐれもの中年、ブシェミへの共感もなんとなく理解できる。またブシェミが可愛い!

 メイキング映像で「ゴースト・ワールド」について、スタッフ・出演者それぞれが違う解釈を語っていたのも面白かった。私は、自分を捉えきれない十代の今ひとつ現実世界と自分の間に薄膜ができているような妙な感覚の世界は日本でもどこでもゴーストワールドのようなものだと思う。
 あのラストは現実の出発の暗示とも、それまでの世界との決別でも、ともかくある時期の終焉を意味しているのでしょう。


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