虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

SPIRIT(2006/香港、アメリカ )

2006年08月13日 | 映画感想さ行
FEARLESS
霍元甲
監督: ロニー・ユー
アクション監督: ユエン・ウーピン
出演: ジェット・リー    フォ・ユァンジア
    中村獅童     田中安野
    スン・リー    ユエツー
    原田眞人    ミスター三田
    ドン・ヨン    ノン・ジンスン
    コリン・チョウ    フォ・ユァンジアの父
    ネイサン・ジョーンズ    ヘラクレス・オブライアン

 実在した伝説の武闘家、1910年に上海で開催された史上初の異種格闘技戦の勝者・霍元甲(フォ・ユァンジア)を描くマーシャル・アーツ・エンタテインメント。
 
 これは、つくりはあくまで娯楽映画で、武術映画で、それのなかにジェット・リーの武術への愛みたいなものをひしひしと感じさせる映画でした。それに武術映画はこれで引退、と言明してるけどアクション映画は引退しないでしょう。
 映画のアクションにもいろいろなスタイルがある。私はジェット・リーは「リーサル・ウェポン4」が初めてだった。でもハリウッドの映画より、リー・リンチェイ名の初期の映画のアクションに眼を奪われる思いがした。ともかく動きが美しい。
 この映画でも、絵的にすごい!よりも、きちんと鍛錬されたものの動きを堪能させてくれるシーンが嬉しかった。対戦相手は中村獅童以外は各闘技の達人ばかり。中村獅童の役は芝居のほうがメインだったせいかな。
 
・強さを求めて闘い続け、挙句に最も大切なものを失う。
・傷心でさすらい、自然のなか、人の優しさで生まれ変わる
・己に打ち勝つという、「何のための武術か」の原点に立ちかえり、それと共に真の強さを身につけ、武道の真の道を示す。
・異種武術試合で世界の強者に勝利し、当時列強に圧迫されていた中国のプライドを回復するが、姦計のために死去

という、とてもわかりやすいストーリーで、武術シーンはたっぷり、それでいて死者は最小限。
 メッセージのクリアーさはこれ以上ないというほどで、日本人が悪役なのはやっぱりしょうがないかな、と思うけど、日本人の武術家を己の名誉を重んじる人間として描いているのも武術への愛のせいでしょうか。

 でも、今日的メッセージとしても復讐についてはけっこう痛く身に沁みました。
 911以降、テレビ画面などでアメリカの人の「やり返す権利」という発言をけっこうよく聴きました。それであのテロで身内を亡くした人が「この暴力の復讐の連鎖を裁ちたい」とか言ったら非国民呼ばわりされたりして。


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2 コメント

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復讐は復讐をよぶ (oguogu)
2008-10-03 22:51:47
TB&コメントさせてもらっちゃいますねぇ~。
おっしゃるとおり、復讐って悲しいですよね。
やり始めたらきりがないというか、悲しむ人が増えるだけ辛いモノです。
勇気ある発言をする主人公は賞賛に値すると思いましたよ。
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状況は変わったでしょうか (ningyo)
2008-10-07 15:59:44
アメリカでは、イラク戦争に嫌気がさしてきたみたいですが、少しは状況変わったでしょうか。
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