虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

キャラバン(2000/フランス・ネパール・スイス・イギリス)

2005年06月08日 | 映画感想か行
CARAVAN
監督: エリック・ヴァリ
出演: ツェリン・ロンドゥップ  ティンレ
    カルマ・ワンギャル   ツェリン
    グルゴン・キャップ   
    カルマ・デンジン・ニマ・ラマ 
    ラクパ・ツァムチョエ 

「キャラバン」とはヤクを運搬手段にして通商するネパール高原民族の商隊のこと。厳しい山中の村では、食料を確保するために絶対に必要なことだが、危険で厳しい道のりである。キャラバンで長老ティンレの息子が事故で命を落としてしまった。ティンレは、その時同行していた息子の親友カルマを許せず、次のキャラバンの隊長をカルマでなく、まだ幼い孫のツェリンと共に自分が率いると主張する。カルマとティンレは別々のキャラバンを率いて出発するが…

 夜のBS放送をほけっと見始めて、そのうち食い入るように見ていました。ストーリーは平凡て言えば平凡で、自然の厳しい村の老いた知恵と経験と若い合理性と傲慢という石頭同士の頑固な対立。それが命のギリギリの点でお互いを認め合って指導者が世代交代していく、それに絡んでいく女性の優しさ賢さと全てを見つめる少年…図式どおりだけど、むちゃくちゃ迫力に圧倒されていました。ある伝説的な長老の子ども時代のお話、ということなので昔のことなのでしょうけれど、時間の流れと人と自然の関係が、身近にあるものとあまりにも違い、粛然としてしまいます。葬儀シーン(鳥葬)は言葉もでません。
 出演者の中で本物の女優は精悍な顔の少年の母親役だけだったそうですが、私は僧になった優しい叔父さんの顔に見とれていました。素人さんとは思えない。本物のお坊さんなのでしょうか。
 音楽も、耳について残ってしまうのが読経に見事に合わさった音楽。それほどエキゾチックなばかりではなくモダンでこの映画らしい雰囲気があって見事。
 それになんと言ってもカメラがすごい。キャラバンの厳しさと自然の大きさをひしひし感じさせる山中の映像もさることながら、製作にジャック・ぺラン(WATARIDORI)の名前も見えますが、コンドル(?)の飛ぶシーンのびしっとしたフレーミングなんか唸っちゃいます。

 ところで、ネット上で発見。
長老が!
 映画のラストで亡くなった長老ティンレさんがなんと笑顔でカメラに

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10日間で男を上手にフル方法(2003/アメリカ)
HOW TO LOSE A GUY IN 10 DAYS
監督: ドナルド・ペトリ
出演: ケイト・ハドソン  アンディ・アンダーソン
   マシュー・マコノヒー   ベン

 つい「キャラバン」に続けてみたものですから、こういうロマコメはまったく気が抜けました。
 ケイト・ハドソンの笑顔はチャーミングだし、マシュー・マコノヒーも思ったよりカッコ良くて「サハラ」は期待します。見る時期が悪かったのでいつか気楽な映画見たいときにでも見直そうかな、と。

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