DER MUDE TOD
監督: フリッツ・ラング
脚本: テア・フォン・ハルボウ
出演: ベルンハルト・ゲッケ リル・ダゴファー ワルター・ヤンセン ルドルフ・クライン=ロッゲ ゲオルク・ヨーン
恋人を突然失った娘が、死神に命乞いをする。死神は3回のチャンスを与え、1回でも死神を出し抜いて死んでいく青年の命を助けることが出来れば、望みを叶えてもよいと言う。そして彼女はいにしえのバクダッド、17世紀のベネチア、古代の中国でなんとかそれぞれの青年の命を助けようとするが…
フリッツ・ラング監督ということで楽しみにしていました。おまけにハルボウ脚本ですし、期待にたがわぬものでしたが、映像的には少し残念。BS2の放送でテレビ画面ではあるし、やはり古い映画のせいでしょうか、相当傷んだところもあったし、色調が赤みがかったり、緑っぽかったりチョコチョコ変わったのです。今までラングの映画は、割りときれいなモノクロ画面で見ていたので、これもくっきりしたモノクロの映像で見たかった。「M」のあの光と濃い影が落ちた画面は強烈に目に焼きついたし。こんな夢のようなシーンがきれいな画面で見られていたら、美しいシーンがもっともっと脳みそに焼きついたんではないか…欲張りな不満ですけどね。ちょっと過剰感のある異国風シーンと、舞台のような背景の省略を感じるシーンの対比も素敵。
三つ目のストーリーで一番顕著な映画的に「物理的制約を超える」楽しさまでたっぷりで、本当に心ときめく映画なのだ。
導入部の墓地と金、高い塀で、不思議で怪しげで恐ろしげな雰囲気ががかっちりと出来てゆく。死神役の俳優の怖くて、しかし悲しげなイメージもストーリーにぴったり。ヒロインはどこかで見たと思ったら「カリガリ博士」のヒロインでした。
ハッピーエンドとは言えないのだけれど、効しがたい運命の中で尚も闘う、みたいな人間像はここでも健在。それが見た後のすがすがしさに繋がるのだと思う。
「命のろうそく」といえば、グリムの「死神の名付け親」「落語・死神」も傑作だけど、この揺れる炎と若い、しかしはかなく消える命のイメージは鮮烈。
きれいな画面で見たいよお!
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監督: フリッツ・ラング
脚本: テア・フォン・ハルボウ
出演: ベルンハルト・ゲッケ リル・ダゴファー ワルター・ヤンセン ルドルフ・クライン=ロッゲ ゲオルク・ヨーン
恋人を突然失った娘が、死神に命乞いをする。死神は3回のチャンスを与え、1回でも死神を出し抜いて死んでいく青年の命を助けることが出来れば、望みを叶えてもよいと言う。そして彼女はいにしえのバクダッド、17世紀のベネチア、古代の中国でなんとかそれぞれの青年の命を助けようとするが…
フリッツ・ラング監督ということで楽しみにしていました。おまけにハルボウ脚本ですし、期待にたがわぬものでしたが、映像的には少し残念。BS2の放送でテレビ画面ではあるし、やはり古い映画のせいでしょうか、相当傷んだところもあったし、色調が赤みがかったり、緑っぽかったりチョコチョコ変わったのです。今までラングの映画は、割りときれいなモノクロ画面で見ていたので、これもくっきりしたモノクロの映像で見たかった。「M」のあの光と濃い影が落ちた画面は強烈に目に焼きついたし。こんな夢のようなシーンがきれいな画面で見られていたら、美しいシーンがもっともっと脳みそに焼きついたんではないか…欲張りな不満ですけどね。ちょっと過剰感のある異国風シーンと、舞台のような背景の省略を感じるシーンの対比も素敵。
三つ目のストーリーで一番顕著な映画的に「物理的制約を超える」楽しさまでたっぷりで、本当に心ときめく映画なのだ。
導入部の墓地と金、高い塀で、不思議で怪しげで恐ろしげな雰囲気ががかっちりと出来てゆく。死神役の俳優の怖くて、しかし悲しげなイメージもストーリーにぴったり。ヒロインはどこかで見たと思ったら「カリガリ博士」のヒロインでした。
ハッピーエンドとは言えないのだけれど、効しがたい運命の中で尚も闘う、みたいな人間像はここでも健在。それが見た後のすがすがしさに繋がるのだと思う。
「命のろうそく」といえば、グリムの「死神の名付け親」「落語・死神」も傑作だけど、この揺れる炎と若い、しかしはかなく消える命のイメージは鮮烈。
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「死滅の谷」はいろいろな意味で素晴らしい映画だと思います。
「死滅の谷」は1921年製作・・・この頃ってまだまだ撮影技術はまだまだ初歩的な時代・・・。
なのにあの躍動感溢れる映像、アイデア溢れる特殊撮影、セットの造形の素晴らしさ、ストーリーの面白さ・・・僕も大絶賛!
星の数を一つ少なく書いていました。
夜になるとブルーっぽい画面に、そして家の中に入ると黄色っぽい画面に・・。
そして死神とのシーンでは、少し赤っぽいグレーの画面に・・・。
多分、明るいところは黄色とか、意識的に変えているのでは?
でも変なところも?
まぁ確実なことは分かりませんが、火事のシーンも赤かったし・・・。
タイトルロールとか説明文のところは赤い画面なので後から付け加えたんでしょうね。
脚本のテア・フォン・ハルボウッて「ドクトル・マブゼ」「メトロポリス」「M」などの脚本もやっていたんですね。
なんか「死滅の谷」が30数年振りの1954年にベルリンで上映されたとき、ハルボウは映画上映の前置きを話して、映画館から出るときに足を滑らせて転倒・・・これが原因で数日後に亡くなったそうです。
色をつけてあるのかとは思ったのですが
濃くなったり、画面の切り替えでほとんどモノクロだったり、薄くなったり色調めちゃくちゃで、おまけに画面は雨が降るし、乱れるしの有様でした。
ああ、「M」みたいなきれいな画面が見たいな!と思っていた記憶があります。
一度ほかで探してちゃんと見直すと、もっと感想が変わるのでしょうね。
ハルボウの話は初めて知りました。…残念ですね。