虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

選挙(2006/日本、アメリカ)

2008年02月14日 | 映画感想さ行
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監督: 想田和弘

 川崎市議会議員補欠選挙で、主人公の切手コイン商を営んでいた40歳の男性、山内和彦さんが今まで無縁の土地で自民党落下傘公認候補として立候補し、“どぶ板選挙”を戦い抜く。

 わかっちゃいるけど恥ずかしい、ですね。

 皆様、誰に投票するかはどうやって決めていらっしゃいますか。
 ワタクシは、たまたま聴いた街頭演説と選挙公報だけで決めております。
 風邪で行き損ねたことはありますが、意識的に棄権したことはありません。
 いえ、一応義務と権利だと思っていますのです。
 見ていて背中がむずむずしました。
 やっぱ、日本の現実ってこういうものか…とまあ。

 以前、普通に通勤しておりました頃、選挙中の朝の出勤時間に駅前のバスが遅れたりしますと、待ち時間の間、候補者の演説を時には30分近く聞き続けたこともありました。見事に名前と「お仕事ご苦労様」「よろしくお願いします」しか言ってませんでした。一人だけ、共産党の候補者は理路整然と取り組んでいる問題点など述べておられましたが、メモを見ながらずっと下向いていて「あんまりアピールしないなあ…」なんて思っていました。
 顔と名前以外にはほんとに売り込むものってないんでしょうか?

 候補者の前をビュンビュン走り抜ける車とか、運動会の幼稚園児の前で行う候補者の親向けアピールとか、たすきがけでのラジオ体操とか、もう戯画というのも恥ずかしいようですが、政治家というのは結局有権者の鏡でしかないのよね…
 ナレーション、音楽など一切排して山内さんの選挙の「その時々」を写し取っていますが、苦笑以外どうしようもないです。
 手近にいた家族に「立候補なんて絶対しないのよっ」と言いたくなります。ほんと、奥様大変でした。私の感覚からはどう考えてもなんか理不尽だし、山内さんもだんだん渦にのまれていきます。

 突然の党公認は成り行きみたいではあるけど、山内さんは公募候補だし、一応政治に対する志はあったわけですよね。結局最後までその「志」がさっぱり見えてこないのが「う~ぬ…」なのでした。


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