虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

プライドと偏見(2005/イギリス)

2006年08月21日 | 映画感想は行
PRIDE & PREJUDICE
監督: ジョー・ライト
出演: キーラ・ナイトレイ   エリザベス・ベネット
    マシュー・マクファディン    Mr.ダーシー
    ドナルド・サザーランド    Mr.ベネット
    ブレンダ・ブレシン   ベネット夫人
    ロザムンド・パイク   ジェーン・ベネット
    ジュディ・デンチ   キャサリン夫人

 ジェーン・オースティンの高名な小説の映画化。
 女には相続権のない19世紀イギリスで、女ばかりの5人姉妹のベネット家。近所の屋敷に適齢期の金持ちの男性が越してきて大騒ぎになる。

 本のほうの感想は
 ここ と、ここ
 にございます。

 はじめは自分のイメージと演じる俳優の落差に違和感いっぱいで見ていましたが、そのうち「これはこれ」として楽しんでいました。
 エリザベスが知性的な魅力を湛え、その姉のジェーンは誰が見てもまず感嘆する美貌というのが二人の組み合わせです。しかしキーラ・ナイトレイが主役だからしょうがないのでしょうか、どうしてもナイトレイ演じるエリザベスのほうが光っちゃうのが最後まで気になるところではありました。
 それに映画で見るとますます少女向けマンガあるいは小説的に感じます。映画という時間に収めるために駆け足にならざるを得ず、ダーシーがエリザベスに夢中になるのが小説以上に唐突に感じられます。それにウィッカム、リディアなども脇に追いやられて、「自負と偏見」の持つ意味が薄れてしまったと思います。

 それでも映画では当時のジェントリーという階級の上(ダーシー、キャサリン夫人)と下(ベネット家)の差が屋敷、生活、調度、使用人に至るまで眼に見えるのがとても興味深く納得できるところでした。
 私がイメージしていたダーシーはもっと鋭角的な美男でしたが、この映画ではちょっともさっとした正直すぎの不器用君になっていたのがとても面白うございました。