虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

Who was Sacagawea?

2006年08月11日 | 
 本屋に行って彷徨っていたらこの本を見つけました。
 Sacagaweaってチラッと聴いたことはあるけど本当にどういう人?
 正確な発音は?

 子供向けの偉人伝シリーズみたいなものの一冊で、易しい英文です。高校入試程度で楽勝な感じです。他にアインシュタインとか、アメリア・イヤハート、ハリエット・タブマン、ベンジャミン・フランクリン、ヘレン・ケラー、モーツァルト、ルーズベルトの納得のメンバーのほかに、アニー・オークリー、ハリー・フーディニ、なんとロナルド・レーガンなんて入ってる!
 表紙の絵柄は全部こういう雰囲気なのですけど、赤ちゃん背負ってるし、名前に惹かれて手にとって拾い読みしていたら面白いので買ってきました。

 前頁挿絵付きです。インディアン住居内部とか、なかなか興味深い図解も入っています。

 サカガウェア、またはサカガウィアと読むのでしょう。アメリカ北西部を探検したルイス・クラーク探検隊に同行したアメリカインディアンの(2002年発行のこの本にはアメリカ・インディアンと書いてあり、ネイティヴ・アメリカンは使っていない)ショショーネ族の少女で他部族にさらわれ、そこからまた毛皮商人のインディアン妻の一人として売られる。
 この男が探検隊に雇われ、そして16歳のサカガウィアが同行し、探検隊の知恵袋・ガイド・通訳として最も頼りになる存在となるが、その間に子どもも生んで、その子を背負って探検したのである。アメリカの3つの州に彼女の名前にちなんだ名のついた山がある。
 ルイス、クラークの残した記録などからは如何に彼女が(夫なんか問題じゃなく)その能力を認められていたかがわかるそうだ。でも彼女は給与は一切無かったし、探検成功後は夫の毛皮商売に同行し、二人目の子どもを出産後ちょっとした病気で25歳の若さで亡くなってしまう。
 ポカホンタス以外ではもっとも有名なインディアン女性らしいけれど、二人とも若死にって、なんてことでしょう。
 昔、「卵と私」のシリーズを読んでいたときに、白人女性である作者が居留地のインディアンたちを「だらしが無い、みっともない、怠け者、ポカホンタスの面影も無い」とものすごく失望し見下した調子で書いていて、「ソルジャー・ブルー」以後にアメリカ史を齧ったものとしては、インディアンから生活手段も何もかも奪っておいていい気なもんだなあ、と思ったことがある。
 この本も子供向けではあるし、サカガウィアや探検隊の経緯や業績についてがほとんど。 探検行は何年にも及ぶものだし、未知の土地への決死行、行く先々食料も必需品もほぼ自給生活だったわけでその部分は普通に探検ものとして面白かったり、簡略描写ながらも冒険にはちょっとワクワクする。
 その後のことは彼女の子どもの消息がちょっと書いてあるだけ。その書いていない部分はどうしても考えてしまう。特に子どもを背負っていたサカガウィアを攻撃してくるインディアン部族が皆無だったことは、その後のインディアンの歴史-ほとんど白人による圧迫と滅亡の歴史を考えると、どっちが野蛮人でありましょうかとため息を禁じえない。
 今はなんとしてもこういう視点を抜きには読めないが、子どもの時に読んでいたらどういう感想を持ったのだろうか。

 2000年にアメリカの彼女のドル・コインができ、ノースダコタやワシントンDCにも銅像があるそうです。チャンスがあったら見たいものです。どっかの映画に出てこないかな。