虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ラヴェンダーの咲く庭で(2004/イギリス)

2006年08月02日 | 映画感想ら行
LADIES IN LAVENDER
監督: チャールズ・ダンス
出演: ジュディ・デンチ   アーシュラ
   マギー・スミス   ジャネット
   ダニエル・ブリュール   アンドレア
   ナターシャ・マケルホーン   オルガ
   ミリアム・マーゴリーズ   ドルカス
   デヴィッド・ワーナー    ミード医師

 1936年、イギリスのコーンウォール地方に暮らす初老の姉妹ジャネットとアーシュラ。ある日、嵐の去った浜辺に一人の青年が打ち上げられているのを発見した姉妹は、彼を自宅へ連れ帰り看病する。ポーランド人の彼を二人は家族として受け入れる。回復したアンドレアは、素晴らしいヴァイオリンの演奏を披露し、近隣まで知れ渡る。そしてロシア人画家の美しく若いオルガが彼に近づき、それを、特にアーシュラは穏やかではいられなかった。

 ちょっとキツイ映画でした。
 アーシュラにとっての「なぜ彼なのか」「なぜ今なのか」という不公平感は強烈だろうと思うからで、私も経験しないで来た様々なものを、今のところは「ま、いいや。無きゃ無いで困らないし」で過ごしてきたけど、ある日切実な欲求を伴ってやってきたとしたら…どうなるかわかりません。老姉妹の会話からすると、アーシュラにとってはあれほどに激しい感情は生まれて初めてだったのでしょう。それがなぜ彼なのか。ほんとに人生は理不尽です。

 大女優二人の貫禄はさすがで、もう役そのものですね。イギリス名物の上品な老婦人にピタリと納まって、それでいてときめきとか嫉妬、求めて焦がれる感情を切々と感じさせます。
 私の場合は、ダニエル・ブリュールは今回あまり眼に入りませんで、マギー・スミス、ジュディ・デンチに圧倒されてました。マギー・スミス大好きです。「ムッソリーニとお茶を」とか「ゴスフォード・パーク」の権高な老婦人なんか最高です。

 知りたいと思ったのは、ラベンダーがどういうイメージを持っているのか。原題の”LADIES IN LAVENDER”で、イギリス・英語圏の人には共通してイメージされるものがあるんじゃないかと思う。日本で言ったら「橘=昔の恋人」みたいな(ちょっと古すぎかな?)
 それにアンドレアが家に帰るとか、故国のことを全く触れないのをまあみんなあたりまえみたいにしているけど、私は否応無く「戦場のピアニスト」方面へ連想が働くのだがその辺は実はどうなんでしょう。