虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ドラムライン (2002/アメリカ)

2005年11月14日 | 映画感想た行
DRUMLINE
監督: チャールズ・ストーン三世 
出演: ニック・キャノン   デヴォン
    ゾーイ・サルダナ    レイラ
    オーランド・ジョーンズ    リー監督
    レナード・ロバーツ    ショーン

 ニューヨークのハーレム育ちの青年デヴォンは、天才的なドラム・テクニックでアトランタのA&T大学に奨学金を得て入学、名門マーチング・バンドにはいるが、そこで自らの才能を恃みにした傲慢な態度に、周囲から浮き上がっていってしまう。

 なんだか信じられないくらいオーソドックスな、スポ根ドラマ・マーチングバンド編。勉強なんかしなくったって、天性のセンスとテクニックがあるさ、という主人公がチームワークと、自分を磨く謙虚さに目ざめて成長していくというストーリー。それでもちろんクライマックスでマーチングバンドの見せ場がたっぷりで、ちゃんと手ごわいライバルに勝ちます。申し訳ないけど、ドラマとしては「マイティ・ダック」なんかのほうが出来がいいかも。
 主人公がもう一つ魅力があればいいんだけどなあ、と思っちゃう。才能を鼻にかけた傲慢な役だから仕方ないけど、見ていて「こら、ちゃんとしなきゃ、周りも見なきゃダメじゃん」と言ってやりたくなるようなカワイゲがない。だいたい、音楽やるのに、それも勉強する環境があるのに楽譜読めないって、ほんとになんで?まあ、それはともかくそのひきつける力が足りないから、主人公が友達をなくさないのもちょっと出来すぎ、怖い先輩に助けられたりするのが唐突に見えたりします。

 でもそういう不満をぶっ飛ばすのが、後半のマーチングバンドの演奏が延々からエンド・タイトルまで。次から次の演奏で思わず血が沸く。それで、ラストで「ああ、けっこうよかった」などと言いつつチャプター・リストから演奏シーンを選んで繰り返して見たりしちゃうのだ。

 しかし、コンテストのシーン、全体俯瞰より、一部を映すシーンが多いのはなぜだろう。もっと全体の構成も見たかった。 
 それに「白いカラス」を見た後だから余計感じるのかもしれないけど、アメリカだというのにアフリカ系の学生しかいない大学なんですか!そりゃ、バンドをやりたいばっかりに入ってきた白人学生も一人いたけど、あくまで変り種に見えます。こういうのは改めて認識した驚きでした。