虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アニーよ銃をとれ (1950/アメリカ)

2005年08月20日 | 映画感想あ行
ANNIE GET YOUR GUN
監督: ジョージ・シドニー
出演: ルイス・カルハーン     バッファロー・ビル
    ハワード・キール     フランク・バトラー
    ベティ・ハットン     アニー・オークリー

 実在の女性ガンマン、アニー・オークリーをモデルにしたミュージカル。野育ちの射撃の名手、アニーはバッファロー・ビルの一座に加わり、大人気を博する。一座の花形でやはり射撃の名手フランクに夢中なアニーだが、アニーの腕がよすぎることが2人の仲の障害になる…
 
 華やかで素敵なミュージカル。はじめはジュディ・ガーランドが主役だったそうだが体調を崩して降板、ベティ・ハットンになったとのこと。DVDの特典でガーランドのナンバーが2つ入っているが、キャラクターも、また演出も相当違う。出来上がったものを見てしまっているから、ハットンに有利なのはどうしようもないけれど、この役に関してはハットンがいいように思う。単細胞で純情で勝気な少女らしくて良い。
 ハワード・キール(美声!!!!)との意地の張り合いの有名なナンバーは実にエキサイティングだった。ラストもワクワクするような豪華さでとても楽しい。

 興行のシビアさにも触れて、よく出来たミュージカルだけど、さすがに昔もので、今では先住民や女性についてあんな描き方は絶対に出来ない。
 冒頭のナンバーで「インディアンは、平気で人を殺せるやつら」「白馬に乗った正義の味方がバッタバッタと撃ち倒す!」と歌ってる!それまでの白人の優位と正当性にな~んにも疑問持ってない時代だったんですね。
 それにアニーは夫になる人にわざと負ける。あんなに鼻っ柱の強いアニーが自分の一番自信を持っているもので勝ちを譲る。これは賢いかもしれないけど私はやりたくない。納得できん。しかし考えてみると、彼女が実はナンバーワンなのだから、男はそれでよかったのか?

 映画前に解説が入っていて、長いことビデオ化もされなかった作品だといっていたが、ネックになったのは権利問題だけだったのだろうか。
 その解説では実在のオークリーの写真も紹介されていたけれど、実にきっぱりした性格らしい普通にきれいな女の子だった。…ミュージカルのまるで野生人なアニーは本人には少し気の毒だったかもしれない。