虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ウォルター少年と、夏の休日 (2003/アメリカ)

2005年08月23日 | 映画感想あ行
SECONDHAND LIONS
監督: ティム・マッキャンリーズ
出演: ハーレイ・ジョエル・オスメント      ウォルター
    ロバート・デュヴァル     ハブ・マッキャン
    マイケル・ケイン     ガース・マッキャン
    キラ・セジウィック     メイ

 1960年代、父をなくした14歳の少年ウォルターは、自分を十分に見ようとしてくれない母のメイに押し付けられるようにして2人の大叔父のもとで夏休みを過ごすことになる。電話もテレビも無い家で、セールスマンを銃で脅して追い払うような偏屈なおじたちは、大金を持っているとの噂がある。
 仕方なく共同生活を始めた3人。そしてウォルターは古い美しい女性の写真を見つける。

 泣けた。
 原題の“LIONS”を見ると、明らかにおじさんたちに主体があるのに、邦題は子どものほうになっちゃってる。ウォルターが二人の男の記憶をついで生かしていくには違いないけど、でも、無為に生きるのを頷じ得なかった誇り高きライオンたちの物語だもの、もう一寸そこのところが活かせなかったかな。それにウォルターは心のよりどころ、ホームを見つけるのだからどうも「休日」というのも抵抗ある。
 昔語りのシーンの、ハリウッド冒険映画のような画面はうれしくなる。全体にナチュラルな色なのに、そこだけ色調から違って、それもいかにもオトギバナシ風にきらびやかで、でもありそうでなさそうで…虚実のあわい、って感じで良い。若い頃を演じた役者も雰囲気があって良かった。特に眼鏡の彼が素敵。
 実力があってどっしりとしてしかもやんちゃなおじいさんたち二人の素敵なこと!さすがはマイケル・ケインとロバート・デュバル。それにオスメント君の最初のいかにも飢えたような母に向ける縋るようなまなざしと、映画のラストの姿勢から伸びた、しっかりした表情の違いはたいしたもの。しかし、彼はどういう役者になるのでしょうか。
 すっきりと爽やかに泣ける映画。