虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

妖怪大戦争 (2005/日本)

2005年08月08日 | 映画感想や行
監督: 三池崇史
出演: 神木隆之介   タダシ
    宮迫博之    佐田記者
    南果歩    タダシの母
    宮部みゆき   宮部先生
    菅原文太    タダシの祖父
    近藤正臣   猩猩
    高橋真唯   川姫
    阿部サダヲ   川太郎
    水木しげる   妖怪大翁
    栗山千明   鳥刺し妖女・アギ
    豊川悦司   加藤保憲

 両親の離婚で、東京から母の故郷に移り、祖父と3人で暮らす10歳の少年タダシ。都会育ちのタダシはいじめっ子の標的となっていた。ある日、タダシは神社のお祭りで“麒麟送子”に選ばれる。

 売り物である妖怪がドンドコサと画面から溢れるようなところは、まあ面白かったけど、結局烏合の衆だったのでした。数は出てくるけど、能力を尽くして戦う場面無し。良く出来てるけど他の映画で見たような絵が出てくる、ややダレるところあり、でも飽きずに見られたのでお金出してもまあいいかな、という映画でしたが、見てるほうと作ってるのと本当に楽しいのはどっちかな、とは思っちゃいました。
 神木君はキャアキャア言ってましたが、剣に引きずられているようなシーンばかりでも、十分期待にこたえる演技だったし、妖怪の造形は良かったです。ぬらりひょんを忌野清志郎がやっていましたが、ちょっとセリフが弱く感じたので、別の妖怪やっていただいたほうが良かったのではないでしょうか。宮部先生は自然でいいと思います。川姫の高橋真唯も可憐でしたし、アギ役栗山千明はかっこよかったし雰囲気あって、もっと迫力ありに見えるコスチュームでもいいかな。
 近藤正臣、阿部サダヲのお二人は目だってがんばってました。
 加藤保憲は、この映画がどちらかというとお子様映画風(お子様映画とは言い切れない。大人うけ狙い過ぎる部分がある)なためか、嶋田久作とはメイクが違い、顔に影を作らず陰影を作らない怖さを狙っていたみたい。ずっとシリアスで通して、それがさほど浮かないのでえらいと思ったのだが、最後のオチはなんでしょうねえ。なんかねえ、ちょっとはずしすぎじゃないですかねえ…

 夏休み中の小学生を誘って行ったのだけれど、お話のまとめ方に「あれは何なの?あれでおしまいなの?あれで済んじゃったの?」と実に納得できない様子でした。それともう一つダメが出たのは神木君の成長後があんまりかっこよくないことだそうです。私は、あんなものかな、と思ってしまいました。主人公と同世代の見る目は違うみたいです。

 考えたのは、「テレビゲームの前と後」、この映画のツクモガミは機械系のゲームモンスターみたいだったし、「ハリー・ポッター」予告編の火を吹くドラゴンとハリーの戦いはまるでFFの画面でも見るようだった。こういうシーンが特別な日のドキドキから、日常の楽しみにしっかり入り込んでしまっては、映画はストーリーや構成をよほど練って勝負しなくてはならないですね。