虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

終戦の日

2005年08月15日 | 日記・雑記
敗戦日空が容れざるものあらず 石田波郷
土熱く灼けゐし記憶終戦日   沢木欣一

 8月15日は歳時記にも終戦記念日として載っていますが、私の記憶に残る終戦の日の句では「記念日」を使ってるのはありません。
「終戦日」「敗戦日」「終戦忌」「敗戦忌」などが多く使われています。
 実際には戦争も、その惨禍の後もさほど目にしないで育った世代になりますが、やはり1、2世代上の家族の傷跡は目にしてきました。

 終戦の日には半藤一利氏の「昭和史」など読むのがいいと思います。そして当時の日本政府が極東での戦争の分け前を狙うソ連に調停を頼むほど世間知らずだったこと、敗戦処理すらまともにしなかった、おそらく考えてもいないし、知らなかったので降伏すればそれで済むと思っていたのでそのために戦後に膨大な犠牲を出すことになった、などの事実に頭がかっかと熱くなります。
 そのあほらしさ、ナサケナサに死んでいった人たち、愛するものを失った人たちの無念を少しでも身に感じるように思えます。こんなことを繰り返してたまるか、とも思います。
 ともかく、自分の頭を使うことくらい怠るまい、と自分を叱咤できます。

 ついでに江畑謙介氏の「米軍再編」も読むといいと思います。その冷静な分析に魅了され、一種癒されますが、こちらも「アメリカに対等の立場でものが言える千載一遇のチャンス」と江畑氏が言う今「なぜ政治空白なんだ!」と腹が立つかもしれません。

 ノーマン・メイラー氏が言うように「民主主義とは壊れやすく、一生懸命に守らなければならないもの」です。それに熱狂には気をつけましょう。日本で熱狂がいい結果になったことはありません。