教室をしていると、
毎日のように「価値観を固定しない」大切さを実感する瞬間があります。
絵を描いたり物を作ったりする活動ひとつとっても、
絵具や素材と無心に触れ合うことを好む子もいれば、
排水管のように、その子が気になってしょうがないものを
作ることで、その仕組みを理解して満足する子もいるし、
絵本を作って、自分の中から生まれてくる物語を表現したい子もいれば、
図鑑を作って、自分の知識を披露したい子もいれば、
科学的な物の性質に興味を抱いて物を作りたい子もいます。
大きくダイナミックに製作するのが好きな子、
緻密にていねいに製作するのが好きな子、
大雑把に作るけれど仕掛けに凝る子、
自然の素材が好きな子、電子工作をしたがる子、
子どもの個性は千差万別です。
たくさんの子を相手にしている場では、そうしたひとりひとりの個性に
対応するのは限界があるはずです。
でも、子どもと接する大人が
ひとつの決まった価値観でだけ子どもを眺めるのをやめると、
全く同じ活動をしていても、
それぞれの子がその活動を通して、
自分が何にわくわくするのか、もっともっとやってみたいこと、知りたいことは何なのか、
アイデアを出したり考えたりする面白さ、がんばってやり遂げた時の達成感、
自分ってどんな子なのか、自分はどんな風にすばらしいのか、ということに
気づくことができるのです。
物作りの例で言うと、
上手にできたかどうか、作品として質が高いかどうか、といった
価値観だけで見るのではなく、
「友だちと協力できているな」とか「触感を楽しんでいて、創作するうちにリラックスできるようだな」とか、
「独創的なアイデアを思いつく子だな」とか
「予測するのがうまい」「工夫するのが上手」「几帳面」「色への感性が優れている」
「科学的な探究心が強い」「ストーリーを考えるのが上手」といった
子どもの数だけある価値観で眺めるだけで、
子どもは自分でそうした自分の美点を膨らませていく力を持ち始めると思います。
2歳9ヶ月~3歳1ヶ月までの★くん、☆ちゃん、●くん、○ちゃんのレッスンで、
積み木遊びをしていた時、こんなことがありました。
○ちゃんのお母さんが、めん棒で粉物を伸ばす動作をして、
○ちゃんとままごとをしていました。
他の子らにも、「お料理しよう。何を作りたい?」とたずねると、
「お魚」「おもち」と返ってきました。
ガスレンジの魚焼き機にお魚を入れて、
焼く真似をしたり、もちをつく真似をした後で、
線路の上に積み木を並べて、
もちをひっくり返して焼いて「あちちあちち」と言いながら
食べました。
こんな時、本当に熱くてたまらないように
振りをするのがとっても上手な子っているのです。
また、遊びに必要なものをブロック等で作るのが上手な子もいます。
上手くいかない時に、自分で工夫して直そうとする子もいます。
別の食材の名前を思いついて、
遊び出す子もいます。
そんな風にそれぞれの子が
自分の「強み」を発揮して
いきいきと遊びを発展させていくには、
その場と時間を、決まった価値観が支配していないことが
とても大事なのです。
次回は、勉強の場面で、価値観を固定しないことが
どのように大切なのか書きますね。
春から週1回未就園クラス(ママ同伴)に通うようになったムスメ。集団という場所では、やはり子ども一人ひとりに寄り添うということって難しいんだなあと思います。
まして、奈緒美先生が提唱されているような、子どもの能力や特性にあった活動なんて・・・という感じです。(これは奈緒美マジック特有のような気がしますが)
行っている幼稚園は、お勉強やしつけ系ではなく、子ども一人一人に寄り添う。というようなスタンスの園で、先生方も本当によくしてくださっています。(頭が下がります)しかし、限られた時間のなか、やはり集団を見ていく、集団をどう動かして行くかということが優先されているような。それが集団生活でもあるし、ごもっともなことですが。
私自身も、お返事がバッチリできたり、時間内にテキパキやったり、先生の指示にパッパッと反応良く動くお子さんに、思わず目が奪われてしまい、我が子を見るとついついイライラしたり、~してみたら、先生が~しているよなど声をかけたりして反省。。。
1人ひとりの持ち味が大事にされて、イキイキして遊べる。そんな時間って本当に幸せなことですよね。幸い、リボンクラブに通っていることでずいぶん救われています。
もう少し年齢が高くなるまで、同じ年齢の集団で一斉に動くようなことは幼稚園以外ではなるべく避けて、ムスメのペースでのんびり遊べるような環境を作ってあげたいと思います。
最近おかあさんといっしょで”ともだち8にん”というコーナーがありますが、キャラクターは、おこりんぼや、一人が好きな子、のんびりさん等、大人から見ると好ましくないような設定なのですが、みんなそのままで受け入れられています。あんな子がいてこんな子がいて、だからおもしろい!というメッセージかな?と勝手に解釈しています。
”いきいきと遊びを発展させる”まさにそんな様子を子供達に見せてもらうと、子供の持っている力や個性を感じます。詳しく書くと長くなってしまうので止めておきますが、自由に枝を伸ばしていけた子供が見せてくれるものは本当にそれぞれで・・すごいです!
年中の娘がいるのですが「自分は親から嫌われている」と強く感じて毎日過ごしているようで、ずーっと心配で悩んでいる毎日です。
そんな中でブログを拝見して、ヒントをいただいたりしていました。
「ゆっくり見守る」ところから「娘が自分の素晴らしさに気づいていく」まで長い道のりではありますが、少しづつ軌道修正して行かなくてはならないのだと気づかせていただきました。
「教育」とは違う点でのコメントで申し訳ありません。
一言お礼と決意を言いたくてコメントさせていただきました。 気づきをいただき、ありがとうございました。
毎日10名前後発達が気になるお子さんが通っています。好きなおもちゃでの遊び時間が30分ほどありますが、他の時間は集団の中での活動(課題の決まった運動、工作など)です。
おもちゃの取り合いになった時など母も同伴であるため、他のお母さんに気を使って親主導で喧嘩両成敗になってしまいます。
今の療育は価値観を固定しない教育ではないと思うのですが、、、
確かに未就園児に集団での活動は大切だと思いますが、、、
最近療育に通って疑問になっています。