今回の訓練には、韓国海軍の最精鋭に挙げられる第7機動戦団所属のイージス駆逐艦「世宗大王艦」(7600トン級)が初めて参加した。

2019-08-26 08:15:32 | 問題がないは、大問題
独島訓練にイージス駆逐艦、陸軍特殊戦司令部を初投入
登録:2019-08-25 22:28 修正:2019-08-26 07:26


「東海領土守護訓練」と命名し25日に電撃突入 
韓国初のイージス駆逐艦「世宗大王艦」初参加 
陸軍特殊戦司令部も初参加し海兵隊とともに独島上陸 
領土守護の意志示し日本を意識も 
大統領府は「特定国家を想定したものではない」表明


          

「東海領土守護訓練」が始まった25日、海軍の特殊戦要員が独島に上陸し四方を警戒している=韓国海軍提供//ハンギョレ新聞社

 韓国軍が6月から延期してきた「独島(ドクト)防御訓練」を「東海領土守護訓練」に拡大し、25日に電撃的に開始した。政府が「韓日軍事情報保護協定」(GSOMIA)の終了を宣言して三日めのことだ。独島をはじめとする領土守護の意志を確認するための定例的訓練だが、日本がこの訓練をするたびに反発してきたという点で、GSOMIAの終了に続き日本を意識した性格もあると見られる。

 今回の訓練には、韓国海軍の最精鋭に挙げられる第7機動戦団所属のイージス駆逐艦「世宗大王艦」(7600トン級)が初めて参加した。2008年12月に就役した世宗大王艦は、「SPY-1D」レーダー基盤の戦闘システムを搭載した韓国初のイージス駆逐艦だ。空中の標的を約1千キロメートル外から探知し、約20カ所の標的を同時に攻撃できる。海軍関係者は「第7機動戦団所属の戦力が参加したが、訓練は東海を管轄する1艦隊が主管する」と話した。

           

25日「東海領土守護訓練」に参加したイージス駆逐艦「世宗大王艦」(7600トン級)をはじめとする海軍艦艇が、独島周辺を航海している=韓国海軍提供//ハンギョレ新聞社

 今回の訓練には陸軍特殊戦司令部も初めて参加した。国防部関係者は「陸軍特殊戦司令部の兵力数十人が訓練に参加し、海兵隊員らと共に独島に上陸した」と話した。陸軍特殊戦司令部が、独島に上陸したのも今回が初めてだ。海軍と海洋警察の艦艇は、世宗大王艦をはじめ10隻余り、陸・海・空軍の航空機は空軍の主力戦闘機F15Kを含め約10機が参加したと伝えられた。海軍関係者は「世宗大王艦と陸軍特殊戦司令部が初めて訓練に投入されたのは、領土守護にすべての力量を投じるという意志を表わすためのもの」とし「今回投入された戦力は、例年と比較して2倍程度に拡大した」と説明した。1986年から上・下半期に分けて実施されてきた独島防御訓練には、通常海軍の韓国型駆逐艦(3200トン級)とP3C海上哨戒機、海洋警察の艦艇、空軍のF15K戦闘機などが参加してきた。

 海軍はこれに先立って、携帯メールを通じて「今日から明日まで東海領土守護訓練を実施する」として「訓練には海軍・海洋警察の艦艇と海軍・空軍の航空機、陸軍・海兵隊兵力などが参加する」と明らかにした。海軍は「軍は独島をはじめとする東海領土守護の意志を一層強固にするために、今回の訓練の名称を『東海領土守護訓練』と命名した」と付け加えた。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は6日、国会運営委員会の全体会議で「今回の訓練は、陸・海・空軍がすべて参加することを構想している」と明らかにした。

 軍が今年の独島防御訓練を東海領土守護訓練と命名し、海軍のイージス駆逐艦と陸軍特殊戦司令部を投じたことは、中国とロシアの軍用機の韓国防空識別区域(KADIZ)への無断進入とロシア軍用機の領空侵犯など、朝鮮半島周辺海域で安保脅威が増加していることに伴うものだ。先月23日には、中国とロシアの軍用機が東海で合同訓練を実施し、ロシアの早期警報統制機が独島領空を侵犯しもした。軍関係者は「ロシア軍用機の独島領空侵犯のような事件が再発することを容認しないという軍の強い意志が反映されたもの」と話した。

 日本が独島の領有権を主張してこの訓練に反発してきたという点で、日本への対応の性格もあるものと見られる。軍は6月に実施する予定だった独島防御訓練を、韓日関係に及ぼす影響を考慮して二カ月以上延期してきた。今月2日に日本が韓国をホワイト国(輸出管理優遇措置対象国、8月2日より「グループA」に名称変更)から排除することを決め、15日の光復節前後に実施するのではないかとの観測があったが、国防部は「時期と規模は検討中」として曖昧性を維持してきた。

 しかし、大統領府は今回の訓練が特定国家を想定したものではないと明らかにした。コ・ミンジョン大統領府報道官は「まさに私たちの主権と領土を守るための訓練」だとし、「すべての勢力に対する訓練であり、特定国家を想定して実施するものではない」と明らかにした。コ報道官は「気象状況など諸般の事項を考慮して訓練日を決めた」と付け加えた。
ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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気象上の「秋」に入る。中国の大部分の地域では酷暑が一段落し、気温が次第に下がり始める。人民網が伝えた。

2019-08-25 07:47:55 | 中国を知ろう!
8月23日は「処暑」 猛暑ようやく終焉へ
人民網日本語版 2019年08月23日15:16

          

「中国天文年暦」によると、北京時間8月23日午後6時2分、二十四節気のひとつである「処暑」を迎える。「処暑」を過ぎると、猛暑もようやく終わり、気象上の「秋」に入る。中国の大部分の地域では酷暑が一段落し、気温が次第に下がり始める。人民網が伝えた。

処暑は二十四節気の14番目の節気で、気温の変化を反映する節気だ。「処」は、「去る」という意味で、酷暑が次第に収まることを示している。「処暑」以後は、朝晩の温度差が大きくなり、涼しさを感じるようになるが、すぐに厚い衣服に替えないほうがいい。なぜなら、初秋はやや「涼しく」はなるが、「寒い」までには至らず、「秋の薄着」は、身体が天気の変化により良く適応するのに効果があり、薄着することで冬の厳しい寒さに耐える力を蓄えることができる。

飲食生活に関しては、野菜と果物を多めに摂り、白湯をたっぷり飲むことが望ましい。

「処暑」を過ぎると、漁業は最盛期を迎える。浙江省の沿海部では、毎年この時期に年に一度の「開漁祭」が催され、漁の始まりを祝う儀式が盛大に行われ、漁船の出港を歓送する。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年8月23日
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「重要なのはこの機会に韓米同盟を一段階アップグレードさせる契機になるということだ」と述べた。

2019-08-24 09:29:48 | 米国は、「世界の憲兵」をやめろ!
大統領府「GSOMIAへの米国の不満は当然…
韓米同盟アップグレードする契機に」

登録:2019-08-24 06:23 修正:2019-08-24 08:26


キム・ヒョンジョン国家安保室2次長「ホワイトハウスと協議してきた」

          

キム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長が今月23日午後、大統領府で韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了についての説明をしている//ハンギョレ新聞社

 大統領府が23日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了宣言に米国政府が失望感を示したことに関連し、「米国が希望した通りの結果が出なかったことに失望したというのは当然のこと」だとしながらも、「GSOMIA問題で韓米同盟が大きく動揺することはないだろう」と述べた。

 キム・ヒョンジョン国家安保室2次長は同日、GSOMIAの終了に対する米国政府の否定的な反応と関連し、「米国側がGSOMIAの延長を希望してきたのは事実であり、米国政府の失望感はこのような希望が実現しなかったことによるもの」だとし、このように述べた。彼は「韓国政府はホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)とほぼ毎日リアルタイムでコミュニケーションを取っており、7~8月に合わせて9回の電話協議が行われた。7月24日にはソウルを訪れたホワイトハウス当局者(ボルトン国家安保補佐官)とも協議した。今後も国益と状況を総合的に考慮し、米国側に積極的に説明していく」と付け加えた。別の大統領府高官は「チョン・ウィヨン安保室長とボルトン補佐官が昨日電話したと聞いている。米国も韓日の対立について十分知っていたため、原則的にGSOMIAを維持することを望む立場であって、『絶対に終了してはならない』ということではなかった」と伝えた。

 これに先立ち、ドナルド・トランプ米行政府は韓国政府のGSOMIA終了決定に懸念と失望感を示した。カナダを訪問したマイク・ポンペオ米国務長官は22日(現地時間)、カナダのクリスティア・フリーランド外交長官との会談後の記者会見で、「韓国が情報共有合意に関して下した決定について失望した」と述べた。米国防総省も不満を示した。デーブ・イーストバーン報道官は声明で「文在寅(ムン・ジェイン)政府がGSOMIAの更新をしなかったことに強い懸念と失望感を示す」と述べた。米国防総省は、これに先立ち発表した声明では「日本と韓国が立場の相違を解消するために協力することを勧める。情報共有は共同防衛政策と戦略発展の核心」だとしたが、数時間で批判のレベルを高めた。

 キム次長の同日の会見は、GSOMIAの終了が韓米関係や安保状況に及ぼす影響が大きくないことを説明するのに多くの時間が割かれた。キム次長は「韓米同盟は堅固であり、GSOMIAの終了で大きく動揺することはないだろう」とし、「重要なのはこの機会に韓米同盟を一段階アップグレードさせる契機になるということだ」と述べた。さらに「GSOMIAが終了したとしても、韓米日3カ国の安全保障協力が瓦解したり、日本との情報交流が遮断されるわけではない。2016年11月に締結されたGSOMIA以前にも韓米連合軍の資産と韓米日情報共有約定(TISA)を通じて情報共有が行われた」と強調した。

 しかし、一部では、米国がGSOMIAの終了問題を在韓米軍防衛費分担金交渉でテコに使う可能性があるという懸念も声もあがっている。
ソン・ヨンチョル記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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『表現の自由』は民主主義においてとても重要ですが、明らかに限界があります。ヘイト表現はその線を越えたものです」

2019-08-23 06:48:58 | 世界平和を実現するために
性的マイノリティ担当の国連特別報告者
「ヘイト表現は『表現の自由』ではない」

登録:2019-08-22 09:20 修正:2019-08-22 10:18

「韓国の一部の政治家、宗教者の差別発言は 
非常に深刻…政府が乗り出して役割を果たすべき」 
軍刑法の醜行罪廃止、包括的差別禁止法の制定を強調


          

性的マイノリティを担当する国連特別報告者のビクター・マドリガル・ボーロツ氏が21日午後、龍山区のソウルドラゴンシティホテルで開かれた第8回国際性的マイノリティ協会アジアカンファレンスに参加するため訪韓しハンギョレのインタビューに応じている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「ヘイト表現は単に意見を表現することにとどまりません。誰かを殴り、排除し、学校から追い出したり職場をクビにさせる行為です。『表現の自由』は民主主義においてとても重要ですが、明らかに限界があります。ヘイト表現はその線を越えたものです」

 21日、ハンギョレのインタビューに応じた性的マイノリティ問題を担当する国連特別報告者のビクター・マドリガル・ボーロツ氏は、かすかに眉をしかめた。「韓国では一部の政治家やキリスト教徒たちが公然と性的マイノリティに対する差別的発言をする」という話を聞いた直後のことだ。彼は「非常に深刻な問題」だとし、政府の役割を強調した。「ヘイト表現は政府が乗り出して解決を模索しなければならない領域」だという。政府の義務は「すべての人の人権が侵害されないよう保障すること」であり、このために政治家がヘイト発言をしないのは「中核であり根本的な原則」と彼は述べた。

 アジア諸国の初めての訪問となる。彼はこの日、ソウル龍山区(ヨンサング)のソウルドラゴンシティホテルで開かれた「第8回国際性的マイノリティ協会アジアカンファレンス」に出席するため、韓国を訪れた。国連人権理事会は主要な人権分野において特別報告者を任命するが、性的マイノリティの特別報告者は「性的指向」と「性的アイデンティティ」を理由に全世界で発生するすべての暴力と差別の事例を研究し、国際社会に報告する役割を担う。彼は昨年、性的指向を差別禁止条項に含めた忠清南道の人権条例が廃止されたことに対して憂慮を表明する書簡を韓国政府に送った。

 一部の宗教者が差別の先頭に立つという話に、彼は「変化に対する恐怖、多くの暴力と差別はここから始まる」と指摘した。男性は男性らしく、女性は女性らしく、与えられた性的役割に忠実であることを望む社会的認識が「力の構造が変わることへの恐怖」を膨らませるとも語った。

 軍内の性的マイノリティを処罰する軍刑法の醜行罪(92条の6)を廃止すべきだという立場も確固としていた。「特定の性的アイデンティティを持った人口を選択的に区分した後で、『合意の上での性関係』を処罰するですって? 国際法のどこにもこのような条項に対する根拠はありません。『軍の綱紀のため』と言う人もいるでしょうが、実際にその条項が綱紀に影響を及ぼすという証拠はありません。軍服務中の男性と女性が関係を持ってはならないという法条項がありますか?」現在、異性の軍人の間での性関係は法的処罰ではなく、内部懲戒に止まる。「二つのケースがどうして違わなければならないのでしょうか。この条項は烙印と差別を永続化するだけです」と、彼は問い質した。

 性的指向によって差別を受けない社会のために必要なのは、結局「教育と意識」だと言った。「韓国政府と公式に意見を交わしたり、韓国の状況を完全に研究できてはいない」と慎重になりながらも、彼が「包括的差別禁止法」の必要性を強調した理由だ。「法曹界、医療系を含め、多くの人々が依然として『性的アイデンティティは尊重されなければならない』と心から受け入れない可能性もあります。法が必要なのは、まさに『尊重する』という意識を作り出すためです。性的マイノリティたちが直接『私は差別を受けない権利がある』と言える根拠を与えるためのものでもあります」

 彼は、ヘイト・スピーチをする人々と喜んで「話をする機会を持ちたい」と話した。「一体なぜ性的マイノリティの人権に反対することをしているのか、理解してみたい」からだ。「その次には、私が知っていることを彼らも分かるようにしてみたいです。性的マイノリティの日常を、生活の現実を伝えながら。誰か私と話したければ、いつでも喜んで聞きたいと思います」
パク・ダヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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日本軍による南京虐殺事件(1937年)について昭和天皇は「ウスく聞いてはゐ(い)た」が、「此事(このこと)を注意もしなかつた」と、日本軍の蛮行を当初から知っていながら

2019-08-22 12:16:09 | 真の解決目指して
昭和天皇「拝謁記」公開
戦争責任 国民的議論を



(写真)1952年1月11日付の「拝謁記」。「お言葉」に「反省といふ字」を入れる意向が語られたとする部分

 NHKがこのほど一部公表した田島道治初代宮内庁長官が昭和天皇とのやりとりを記録した手記(「拝謁記」)には、侵略戦争の責任をめぐる天皇の極めて矛盾した心情がつづられています。
「反省」表明望む

 田島氏の手記で注目されたのは、昭和天皇がサンフランシスコ平和条約発効後の日本の独立を祝う式典で戦争への「反省」の気持ちを表明したいと田島氏に伝えたものの、当時の吉田茂首相の反対で削除されたとされる部分です。

 昭和天皇は生前、公には戦争への反省を表明したことは一度もありませんでした。記者会見で戦争責任を問われても、「そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしてないので、良くわかりませんから、そういう問題についてはお答ができかねます」(1975年10月31日)と回答を拒否していました。

 手記によれば、昭和天皇は「私ハどうしても反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」(52年1月11日)などと強く希望しながら、吉田首相が「戦争を御始めになつた責任があるといはれる危険がある」などと反対し、昭和天皇が戦争への「反省」を述べた一節が削除されたとされます。

 もし昭和天皇が戦争への「反省」を当時、曲がりなりにでも表明していれば、日本の行った戦争が「自存自衛の戦争」「アジア解放の戦争」だったなどの誤った歴史認識がいまだに「靖国派」などを中心に主張されている今日の状況が大きく変わっていた可能性があります。昭和天皇の開戦責任を回避するため、吉田首相が昭和天皇の「反省」を封印した事実は重大です。
責任を全面転嫁

 同時に、手記は、戦争への「反省」を述べながらも、自己弁護を繰り返し、陸海軍の統帥者として侵略戦争に直接の責任を負っていたことへの自覚がまったく見られない昭和天皇の姿を示すものとなっています。

 例えば日本軍による南京虐殺事件(1937年)について昭和天皇は「ウスく聞いてはゐ(い)た」が、「此事(このこと)を注意もしなかつた」と、日本軍の蛮行を当初から知っていながら問題を放置していたことを語っています。

 日米開戦(1941年)をめぐっても、自らが出席した「御前会議」で開戦が決定されたにもかかわらず、「平和を念じながら止められなかった」「東條内閣の時ハ既に病が進んで最早(もはや)どうすることも出来ぬといふ事になつてた」(51年12月14日)と述べているばかりか、「太平洋戦争ハ近衛が始めたといつてよいよ」(52年4月5日)と近衛文麿元首相に責任を全面転嫁しています。

 さらに、戦局が絶望的になりながら無謀な戦争を継続したことについて「私ハ実ハ無条件降伏は矢張(やは)りいやで、どこかいゝ機会を見て早く平和ニ持つて行きたいと念願し、それには一寸(ちょっと)こちらが勝つたやうな時ニ其(その)時を見付けたいといふ念もあつた」(52年3月14日)と告白していますが、その結果、東京大空襲や沖縄戦、広島・長崎への原爆投下など筆舌に尽くしがたい惨禍を招いたことへの反省はうかがえません。

 それどころか、終戦をもっと早くできなかったのかという疑問に対し、「事の実際としてハ下剋上(げこくじょう)でとても出来るものではなかつた」(51年12月17日)と述べて、自己の責任をあくまで否定しています。

 今回の手記の公開を機に、侵略戦争の責任がどこにあったのか、昭和天皇の役割と責任はどうだったのか、改めて国民的な検討と議論が求められます。
再軍備など求め

 手記にはさらに、昭和天皇がたびたび改憲と再軍備に言及し、「吉田ニハ再軍備の事ハ憲法を改正するべきだといふ事を質問するやうにでもいはん方がいゝだらうネー」(52年2月18日)などと述べ、田島氏から「憲法の手前そんな事ハいへませぬ」などといさめられたことも記録されています。

 天皇の地位が戦前の「統治権の総攬(そうらん)者」から新憲法の下で「象徴」へと変わり、「国政に関する権能を有しない」ことになったことを昭和天皇が理解せず、戦前の元首意識を多分に残していたことをうかがわせる内容です。

 今回、NHKが公開したのは、田島氏の計18冊の手帳・ノートの内容の一部にすぎません。研究者や市民が触れることができるよう、内容を全面的に公開することが望まれます。(入沢隆文)
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