どこ吹く風

旅のことを主に書く。

鼎泰豊

2009年02月25日 09時43分32秒 | 元宵節 09年
写真は南部横貫公路の弁当屋さんのメニューです。
鼎泰豊の適当な写真がないのでこれにしました。
天下の鼎泰豊と田舎の弁当屋を比べるなんて気は毛頭ありません、他意もございません。くれぐれも勘違い成されませんように。(笑)

今回の旅行は食べ物ではコレッというものは無かった。しかし最後のサイゴに鼎泰豊へ行きました。小籠包で有名な店です。
ガイドブックに掲載されており日本にも支店が10店舗余あるのでご存知の方は多いでしょう。ホテルからMRTで二三駅乗れば鼎泰豊の店があるとの記述を見つけたので行きました。やはり人気店らしく順番待ちの客が何組もいる、もちろん日本人観光客も。

 小籠包以外のメニューもあったが、お昼時だったので小籠包だけにした。外で待っている間に注文表が廻ってくる、客の回転を考える合理的なやり方だ。席に案内されると針ショウガとお箸が出るときメニューの確認があった。間もなく蒸籠が運ばれ蓋を取ると湯気が上がった。お箸でつまみタレを付けてレンゲに乗せショウガを置く。肉汁でヤケドをしないように慎重に噛む。予想通り汁がでてくる、久しぶりの小籠包の味を楽しんだ。

 美味しい、たしかに美味しいけど何か物足りない。コザのゲート通りにあった南京食堂の小籠包はもっと味が濃かった。肉汁と感じられるものが口中に広がった。ここ鼎泰豊の汁は淡白なスープという感じだ。私はウチナーンチュなので薄目よりも濃い目の味が美味しいと感じたので妻にその旨の話をすると同感だと言う。

 南京食堂は今も営業しているだろうか。あの頃から老人の域に手が届いていた台湾人夫妻が切り盛りして食堂で、そこの看板メニューだった。台湾風に書けば、招牌菜単ということか。
食堂は味で勝負するのだ、と言わんばかりに店は何の飾り付けも無くペンキ塗りの壁にコンクリートの床である。そこに机と椅子が4~5セットあるだけで、調理場が狭いのか客席のテーブルで仕込みをするときもあった。婆さんは注文を取るだけでお茶や水もセルフサービスという食堂であった。
 初めて食べた時小籠包に包まれている肉汁でヤケドをした。あの肉汁は何から出るのだろうと不思議なので包んでいる爺さんに聞いたほどだ。美味しかった。それからは時々食べに行った。母を連れて行ったら婆さんは覚えてくれて、「お母さんは元気?」と聞いてくれた。
 あんなに繁盛していたのに跡継ぎが居なかったようで営業時間が短くなり、隔日となってしまった。子供さんたちはアメリカで生活していてコザを継ぐ気は無かったのだろう。あの味が消えるのは勿体無い、誰かに秘伝を伝えておいて欲しいと願ったが消えてしまったようだ。

 鼎泰豊のあっさり味は鼎泰豊の味、美味しかったです。でも私はコザゲート通りにあった南京食堂の小籠包が美味しいと思った。あの濃厚な肉汁が私の口に合ったということです。