イヤリングを買う約束をして一週間の間に二本報を聞いた。動けなくなっていた。今も雨の重みと体調の都合もあって身体の動きは鈍重であり眠りたくて仕方が無い。眠りの中へ逃げ込みたいというよりはしがみつくように眠りを欲している。眠りに飢えている。それで一日文字通り寝込んでいた日があった。その次の日が約束の日で、あの店員の夏晴れのような笑顔に向き合わなければならなかった。事情を話す気にはなれなかった。外へ出なければ延々とまずいままだと悟り、私は出かけた。眠りの中を泳いでいるかのように現実は希薄だった。店員はいつもどおりの笑顔で、アクセサリーが売れるということもあってより嬉しそうに笑顔を輝かせながら私を迎えた。私も昨日そんな報を聞いたことも忘れて彼女のリードするままにお喋りを楽しんだ。楽しんだと思うが何を喋ったかは記憶から抜けている。疲れたという感覚は薄かった。母からは「そのチェーン、Tシャツには重すぎるね」とぼそりと言われたが、つけていくことを引き留めて外すまで出さないという過去の意地からは解放されていたのでふらりと出て行くことができたチェーンにイヤリングを合わせるとしっくり顔に収まった気がした。
イヤリングを買って外に出る。晴れていた。会社の規則の休みは連休で潰れ明日からは何事もなかったかのように働かなければならない。誰でもそうだ。弟の会社はそうではないらしいが、私は有給休暇を使わなければならなくなった。また茫洋とした空気に取り囲まれて歩く。電車に乗る。最寄りの少し手前で下りてデパートに寄った。買わなければならないものがあった。
インターネットで検索し、電話でも取り扱いを確認した店は黒一色の服を向かって右手に、華やかなパーティードレスを左手に置いていた。私は店に入ると小柄な店員へ自分のサイズに見合った黒い服を選ぶように頼み、試着に時間をかけて一時間ほど後に服を手にして店を出た。イヤリングの入った手提げが何故か余計に重かった。
イヤリングを買って外に出る。晴れていた。会社の規則の休みは連休で潰れ明日からは何事もなかったかのように働かなければならない。誰でもそうだ。弟の会社はそうではないらしいが、私は有給休暇を使わなければならなくなった。また茫洋とした空気に取り囲まれて歩く。電車に乗る。最寄りの少し手前で下りてデパートに寄った。買わなければならないものがあった。
インターネットで検索し、電話でも取り扱いを確認した店は黒一色の服を向かって右手に、華やかなパーティードレスを左手に置いていた。私は店に入ると小柄な店員へ自分のサイズに見合った黒い服を選ぶように頼み、試着に時間をかけて一時間ほど後に服を手にして店を出た。イヤリングの入った手提げが何故か余計に重かった。
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