トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

超音波洗浄機取り敢えず正常に動作

2012-04-21 17:45:35 | アマチュア無線

先日、現地改修の発注先による確認が有り、手直しで何とか目処がついてホッとしたところである。早く終わったので、帰りに秋葉原に立ち寄り、高耐圧フィルムコンを探した。店により値段がまちまちなので、その中で一番安かった三栄電波で4.7uF/400Vを2個購入。
久々に出張が無くなった土日、超音波洗浄機故障原因調査の続きを開始した。
Img_1894_r Img_1897_r Img_1895_r Img_1896_r 出力のN-MOS-パワーFETについて、代替出来そうな2種類(安価な秋月の2SK2372(100円)と電流の大きい2SK3681(1050円))が届いたので、まずは、壊しても被害金額が少ない2SK2372を付けて見て、これのB電圧は実験用可変直流電源を使い、温度センサーで監視しながら電圧を上げて見ての異常発生が無いか確認してみた。
【確認】
Usonicdrvkaro40kHz信号が無い場合は電流が流れません(当然ですが)。
40kHz信号ONの状態でQ1のGオン、Q2のGオフでは電流が流れませんが逆の状態だとVCCが6Vでも6A以上流れます。同時入力でも同じです。
負荷の有無には関係無し。
Q1がオンしっぱなしの様でQ2のドレイン電圧はVCCがでます(中点では無く)。
不思議な現象ですが、この時Q1のD-S間の抵抗がアナログテスターで20Ω程度に
なるのですが、接続を外して、また接続すると正常な抵抗に戻ります。
といった不具合が発生。悩んでしまいja7jqjさんに考えられる原因について、回路変更も含め聞いて見た。
【返答】
Q1のD-S間の抵抗がアナログテスターで20Ω
このときのゲートはオープンでしょうか?
そうであればゲートにたまった電荷でDS間の抵抗が決まります。
GS間をショートしても20Ωで有れば明らかにFETが壊れていることになります。
ただテスターの極性によってはドレインに-側が加わるとDS間には負電圧をバイパスするダイオードが入っているので抵抗が有ります。
アナログテスターであればレンジを変えれば抵抗値も変わるはずです。
6A流れたとき、Q1の接続に間違いはありませんでしたか?
6Vで6A流れるということであれば100Vをかければ一瞬にヒューズが切れるような気がします。
5.1Ωはドレインソース間のスイッチングを遅くする働きがあります。(ΔI/ΔT)
この抵抗がないとドレインにサージで高電圧がかかり壊れてしまいます。
スピードアップは危険です。
遅くするとデットショートしてこれまた破壊につながります。
5.1オームは重要な抵抗です。
念のために切れていないか確認しておいたほうがいいと思います。
【見直し:ドレインがフィンに】
接続が違うのでは無いかということで、会社でFETのデーターシートでピンアサインを調べていたら、今回使用した2SK2372(NEC)はフィンが絶縁では無くて、D(ドレイン)に接続されているのが判った。これで回路図を照合すると、確認結果の現象が納得出来る。
帰って、フィンとの導通をチェックするとやはりドレインと繋がっていたので絶縁シートを入れたところ正常に動作した。
Img_1902_r Img_1903_r Img_1909_r 全波整流の波形を見て見た。平滑コンデンサは3.3uF/400Vで超音波の40kHzリップルが見られる。試しに4.7uFフィルムコンを並列に入れると40kHzのリップルが無くなる。
なぜ平滑しないのか疑問になるが、40kHzが50/60Hz全波整流波形で変調されて汚れ落ちが良くなるのかも知れない。
サーミスタ温度計のセンサー部分をFETに接着する(接着では熱抵抗が発生するので誤差が出るのだが他の方法が大変なので採用)。
【正式動作確認】
Img_1907_r 実験用電源では3Aまでしか流せないないので、この時の電圧は80V程度である。
実験用電源を外して、本体の電源(AC100V全波整流)に6.3Aフューズ経由で接続。組み込んで、槽に水を入れ電源ON。FETも念のためパワーの大きい2SK3681に交換。
Img_1911_r Img_1913_r Img_1914_r Img_1919_r_2 フューズも切れなく動作しているし、超音波の波も見える。先日実験した超音波マイクでもモニターしてみた。温度もImg_1921_r 30℃~32℃(OFF時18℃程度なので⊿tは12~14℃)と問題無さそうに見えたので、油汚れのある工具を入れて見たところ発振(動作)音?も変わり、急激に温度も上がって45℃からまだまだ上がりそうなのでOFFにして調べて見る。
【原因は共振コイル?】
Img_1930_r Img_1931_r 音がどうやら共振コイル?からも聞こえて来るので触って見るとコアが動く。ギャップの絶縁シートが入っているが、この部分でコアが動く。長ビス2本で固定されているが少し緩んでいたので締め付けてもう1度ONにしてみる。今度は一定の温度で安定する。スパナを入れて一番音の大きな位置に置くと温度が少し上昇するが一定のところで安定してくれる。この状態で水位を可変してみる。可変中(増減)は温度上昇するが、暫くすると下がる。
Img_1932_r Img_1906_r 1時間以上運転しているが42℃前後で安定している。ヒーターをONすると、その分上昇はするが暴走することは無い。

その後、温度上昇経過を調べて見た。
Ondojyoushousokutei_2最初の5分は急激に上昇(15℃)するが、その後は上昇が緩やかになるので、異常動作はしていない様だ。25分経過したところで原因不明のカリカリ音が出る様になった。
ondo-jyoushou-sokutei.xls」をダウンロード
あとは、実際会社で使って様子を見ることにする。サーミスタ温度計は監視用として大変有効なので接続したままにしておこう。

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