トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

555によるPWM信号0~100%発生回路

2015-04-16 15:16:13 | 電子工作

 以前CL6807/6808LEDドライバーの実験をしたときにADJ端子電圧を可変しても変化がスムーズで無かった。
このドライバーICはPWM信号でも制御出来ることから、簡単に発生出来る回路が無いかネットで探すと0%~100%のLED調光回路というのが見つかったので、製作してみた。
簡単に入手可能な、タイマーIC(LMC555)とコンパレータIC(LM393)を組み合わせたものだ。
555のTrigger端子波形が1/3VCC~2/3VCC間の近似三角波であることを利用し、これをコンパレータの-に、+入力は1/3VCC~2/3VCCに変化させることで、0~100%のPWM波形が得られるという仕組みだ。
CL6807/6808のADJ入力が最大6VでL:Min0.5V、H:Max2.5Vであることから5V三端子レギュレータで回路動作させる。また、PWM周波数を可変出来る様にR1は1.5kΩ固定、R2は10kΩ+5kΩ半固定抵抗とした。
またC1は2種類(サーボモーター用に1uF、LED点灯用に1000pF~0.01uF)をスイッチで切り替えられる様にした。

回路は問題無く動作した。
CL6807と接続して、輝度の変化を確認するが、周波数が高いとPWMのON/OFF比が100%に近いと点滅する現象が出る。
デューティ比は90%までで止めれば各周波数でも点滅までは行かない。
CL6807のRsを0.1Ωから1Ωに変更すると、この現象は無くなるので、どうやら、過電流保護が働くことによるものの様だ。
0.01uF(約5.3kHz)が一番良さそうだった。
類似品PT4115のデーターシートではMax50kHzとなっている。

だが、波形が安定しない。(ONの部分に高い周波数の断続が出る)
調査の結果、半固定抵抗のルーコン(音でいうとガリオーム)が原因だった。
半固定抵抗の中点(コンパレータの+)とGND間に0.1uFを入れると現象が無くなった。
【4/17-再実験】
コンパレーターにヒシテリシスを持たせる様に改造。
最終回路図を手書きしてみました。

結果、コンデンサを入れなくても、不安定動作が無くなった。
100%で点滅する現象は、CL6807/6808の過電流回路が1A以上で動作するため、この動作を繰り返して発生していた。
Rs(電流検出抵抗)を0.1Ω×2本並列(0.05Ω)にする。
3WパワーLED×7個をアルミ基板に実装、更に放熱フィンに取り付けて点灯させてみた。
28Vで1A(100%)となり、スムーズに可変、発振周波数は46kHz(1000PF)でも問題無かったが26kHz(1800PF)とした。周波数が低いとチラツキが発生する。
PWM比を最低にしてもパルスが出て(0%にならない)、LEDがぼんやりと点灯するので、GND側とVCC側の10kΩを減らす必要が有る。

JA7JQJさん、コメントありがとうございます。
半固定抵抗や可変抵抗は残留抵抗が有るものが多いので、PWM調整のぴったり3分割では、今回の様な完全にON/OFFにならないケースが多いです。
その後、分割している10kΩの抵抗2本のそれぞれに100kΩを並列に接続することにより、両端で完全にON/OFFする様になりました。


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1 コメント

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Unknown (ja7jqj)
2015-04-22 01:10:32
555の発振波形の基準は電源を抵抗で3分割しています。コンパレーターの基準電圧を固定抵抗10KΩ2個と10kΩのVRで作っていますがVRはトリミングできないので抵抗の誤差がかなり大きくなり、抵抗値がマイナスだと0~100%まで変化しなくなります。
今回はプラス方向の誤差だったようですが人に勧めるときはその点に注意して下さい。
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