犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

辰巳ダム>緑のダムと内川ダム

2017年08月13日 | 辰巳ダム
緑のダムと内川ダム
 森林の緑のダムと人工のダムについて、それぞれどの程度の洪水調節機能があるか、簡単に比較することにした。
今回の雨は、前後に降雨がなく、短時間に集中的に降った雨であったので、森林の保水力による流出の調節能力と人工のダムによる洪水調節能力の比較がわかりやすかった。
 流域のすべてが森林であり、上流に洪水調節施設がない、犀川ダムと内川ダムについて、総降雨量とダム地点流量(ダム有り、ダム無し)を図示してみた。「ダム有り」はダムによる調節後の流量、「ダム無し」はダム湖へ流入する水量がそのまま流れるものとしダムによる調節が無い流量である。

 内川ダムは、図「内川ダム:総降雨量とダム地点(ダム有り、ダム無し)」による。
 点線の折れ線は、総降雨量(1時間あたりの雨量に面積を乗じた水量)である。
 青線の折れ線は、ダム無しのダム地点流量(1時間あたりのダム湖への流入量)である。ただし、基底流量を除く。
 茶色の折れ線は、ダム有りのダム地点流量(1時間あたりのダム調節後の放流量)である。ただし、基底流量は除く。
 
 総降雨量のピーク1,276,500m3/hrとダム地点流量(ダム無し)473,076m3/hrのピークの差は、803,424m3/hrである。63%削減され、37%となっている。
 ダム地点流量(ダム無し)473,076m3/hrとダム地点流量(ダム有り)のピーク419,256m3/hrのピークの差は、53,820m3/hrである。総降雨量のピークに対して4%削減され、総降雨量のピークに対して33%となっている。

 ピークの差803,424 m3/hrは、223m3/sに相当し、犀川大橋地点(幅60m)で流速3m/sとすると水深124センチに相当する。
 ピークの差53,820m3/hr は、15m3/sに相当し、犀川大橋地点(幅60m)で流速3m/sとすると水深8センチに相当する。
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辰巳ダム>緑のダムと犀川ダム

2017年08月12日 | 辰巳ダム
 森林の緑のダムと人工のダムについて、それぞれどの程度の洪水調節機能があるか、簡単に比較することにした。
 今回の雨は、前後に降雨がなく、短時間に集中的に降った雨であったので、森林の保水力による流出の調節能力と人工のダムによる洪水調節能力の比較がわかりやすかった。
 流域のすべてが森林であり、上流に洪水調節施設がない、犀川ダムと内川ダムについて、総降雨量とダム地点流量(ダム有り、ダム無し)を図示してみた。「ダム有り」はダムによる調節後の流量、「ダム無し」はダム湖へ流入する水量がそのまま流れるものとしダムによる調節が無い流量である。

 犀川ダムは、図「犀川ダム:総降雨量とダム地点(ダム有り、ダム無し)」による。
 点線の折れ線は、総降雨量(1時間あたりの雨量に面積を乗じた水量)である。
 青線の折れ線は、ダム無しのダム地点流量(1時間あたりのダム湖への流入量)である。ただし、基底流量を除く。
 茶色の折れ線は、ダム有りのダム地点流量(1時間あたりのダム調節後の放流量)である。ただし、基底流量は除く。
 
 総降雨量のピーク1,791,800m3/hrとダム地点流量(ダム無し)651,240m3/hrのピークの差は、1,140,560 m3/hrである。64%削減され、36%となっている。
 ダム地点流量(ダム無し)651,240m3/hrとダム地点流量(ダム有り)のピーク466,560m3/hrのピークの差は、184,680 m3/hrである。総降雨量のピークに対して10%削減され、総降雨量のピークに対して26%となっている。
 
 ピークの差1,140,560 m3/hrは、317m3/sに相当し、犀川大橋地点(幅60m)で流速3m/sとすると水深176センチに相当する。
 ピークの差184,680 m3/hrは、51m3/sに相当し、犀川大橋地点(幅60m)で流速3m/sとすると水深28センチに相当する。
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辰巳ダム>山地の保水力を簡単に試算してみた(内川ダム)

2017年08月11日 | 辰巳ダム
 台風5号(2017.8.8)で試算した。
 犀川ダムの諸元は以下のとおり。
  流域面積は、34.5km2
  洪水調節ダム容量 190万m3

 時間あたりに流域全体に降った雨の総量を「総降雨量」とし、これを累加した量を「累加総降雨量」とする。
 時間あたりに流域全体から流れ出てくる水の総量を「出水量」(実際のダム流入量から基底流量を引き算した量)とし、これを累加した量を「累加出水量」とする。

「累加総降雨量」から「累加出水量」を引いた水量が、山地の地表で貯留されている水量が当該豪雨に起因する「保水量」となる。

 結果は、以下のとおりである。
 8日23時頃(内川ダム地点の累加降雨量314mm)に、最大で638万m3が保水されていた。内川ダムの洪水調節ダム容量の3倍以上である。
 なお、試算したエクセル表はホームページに掲載してあるのでアクセスできる。

月/日 時:分      
流域内降雨の 流域内降雨の 流域内の
累加総降雨量 累加出水量 保水量
① ② ①-②
(m3) (m3) (m3)
23:00 17,250 0 17,250
2017/8/8 0:00 17,250 0 17,250
1:00 34,500 0 34,500
2:00 276,000 1,548 274,452
3:00 500,250 6,336 493,914
4:00 776,250 11,412 764,838
5:00 1,311,000 23,040 1,287,960
6:00 1,466,250 40,680 1,425,570
7:00 1,914,750 62,136 1,852,614
8:00 3,191,250 157,392 3,033,858
9:00 3,691,500 334,656 3,356,844
10:00 4,881,750 637,956 4,243,794
11:00 5,761,500 1,062,864 4,698,636
12:00 7,020,750 1,535,940 5,484,810
13:00 7,400,250 1,962,756 5,437,494
14:00 7,728,000 2,257,020 5,470,980
15:00 7,883,250 2,542,716 5,340,534
16:00 8,452,500 2,812,356 5,640,144
17:00 8,590,500 3,095,748 5,494,752
18:00 8,694,000 3,327,768 5,366,232
19:00 8,797,500 3,541,356 5,256,144
20:00 9,332,250 3,754,548 5,577,702
21:00 10,091,250 4,070,304 6,020,946
22:00 10,798,500 4,481,460 6,317,040
23:00 11,264,250 4,881,888 6,382,362
2017/8/9 0:00 11,574,750 5,264,964 6,309,786
1:00 11,833,500 5,590,476 6,243,024
2:00 11,988,750 5,882,796 6,105,954
3:00 12,126,750 6,147,540 5,979,210
4:00 12,351,000 6,403,212 5,947,788
5:00 12,351,000 6,607,512 5,743,488
6:00 12,351,000 6,795,072 5,555,928
7:00 12,385,500 6,957,972 5,427,528
8:00 12,420,000 7,093,728 5,326,272
9:00 12,454,500 7,229,448 5,225,052
10:00 12,454,500 7,340,832 5,113,668
11:00 12,454,500 7,444,368 5,010,132
12:00 12,471,750 7,536,564 4,935,186
13:00 12,471,750 7,626,744 4,845,006
14:00 12,489,000 7,700,868 4,788,132
15:00 12,489,000 7,773,300 4,715,700
16:00 12,489,000 7,845,732 4,643,268
17:00 12,489,000 7,909,812 4,579,188
18:00 12,489,000 7,969,608 4,519,392
19:00 12,489,000 8,028,036 4,460,964
20:00 12,489,000 8,079,840 4,409,160
21:00 12,489,000 8,131,068 4,357,932
22:00 12,489,000 8,179,272 4,309,728
23:00 12,489,000 8,222,796 4,266,204
2017/8/10 0:00 12,489,000 8,266,464 4,222,536
1:00 12,489,000 8,305,920 4,183,080
2:00 12,489,000 8,345,376 4,143,624
3:00 12,489,000 8,381,520 4,107,480
4:00 12,489,000 8,415,684 4,073,316
5:00 12,489,000 8,449,812 4,039,188
6:00 12,489,000 8,479,908 4,009,092
7:00 12,489,000 8,510,652 3,978,348

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辰巳ダム>山地の保水力を簡単に試算してみた(犀川ダム)

2017年08月10日 | 辰巳ダム
 台風5号(2017.8.8)で試算した。
 犀川ダムの諸元は以下のとおり。
  流域面積は、57.8km2
  洪水調節ダム容量 360万m3

 時間あたりに流域全体に降った雨の総量を「総降雨量」とし、これを累加した量を「累加総降雨量」とする。
 時間あたりに流域全体から流れ出てくる水の総量を「出水量」(実際のダム流入量から基底流量を引き算した量)とし、これを累加した量を「累加出水量」とする。

「累加総降雨量」から「累加出水量」を引いた水量が、山地の地表で貯留されている水量が当該豪雨に起因する「保水量」となる。

 結果は、以下のとおりである。
 9日0時頃(犀川ダム地点の累加降雨量311mm)に、最大で909万m3が保水されていた。犀川ダムの洪水調節ダム容量の3倍近い。
なお、試算したエクセル表はホームページに掲載してあるのでアクセスできる。

月/日 時:分      
流域内降雨の  流域内降雨の  流域内の
累加総降雨量  累加出水量   保水量
① ② ①-②
(m3) (m3) (m3)
16:00  28,900 0  28,900
17:00  28,900 0  28,900
18:00  28,900 0  28,900
19:00  57,800 0  57,800
20:00  57,800 0  57,800
21:00  57,800 0  57,800
22:00  57,800 0  57,800
23:00  115,600 0  115,600
2017/8/8 0:00 173,400 0  173,400
1:00  173,400 2,700  170,700
2:00  260,100 3,492  256,608
3:00  635,800 8,172  627,628
4:00  953,700 14,472  939,228
5:00 1,676,200 30,996  1,645,204
6:00 2,080,800 82,728  1,998,072
7:00 2,745,500 152,640  2,592,860
8:00 4,450,600 585,108  3,865,492
9:00 5,115,300 980,136  4,135,164
10:00 6,907,100 1,530,360  5,376,740
11:00 8,496,600 2,175,084  6,321,516
12:00 10,115,000 2,826,324  7,288,676
13:00 11,039,800 3,454,452  7,585,348
14:00 11,328,800 3,883,788  7,445,012
15:00 11,675,600 4,269,780  7,405,820
16:00 12,716,000 4,643,820  8,072,180
17:00 13,294,000 5,106,924  8,187,076
18:00 13,756,400 5,525,712  8,230,688
19:00 14,103,200 5,952,168  8,151,032
20:00 14,565,600 6,306,084  8,259,516
21:00 15,490,400 6,734,880  8,755,520
22:00 16,184,000 7,230,060  8,953,940
23:00 16,675,300 7,679,448  8,995,852
2017/8/9 0:00 17,195,500 8,105,832  9,089,668
1:00 17,542,300 8,505,828  9,036,472
2:00 17,831,300 8,927,316  8,903,984
3:00 18,120,300 9,271,944  8,848,356
4:00 18,467,100 9,587,340  8,879,760
5:00 18,524,900 9,874,080  8,650,820
6:00 18,524,900 10,128,924  8,395,976
7:00 18,524,900 10,342,368  8,182,532
8:00 18,524,900 10,538,352  7,986,548
9:00 18,553,800 10,704,924  7,848,876
10:00 18,611,600 10,863,828  7,747,772
11:00 18,611,600 11,006,316  7,605,284
12:00 18,611,600 11,139,588  7,472,012
13:00 18,611,600 11,259,576  7,352,024
14:00 18,611,600 11,376,288  7,235,312
15:00 18,611,600 11,496,960  7,114,640
16:00 18,611,600 11,600,172  7,011,428
17:00 18,611,600 11,677,140  6,934,460
18:00 18,611,600 11,773,908  6,837,692
19:00 18,611,600 11,850,012  6,761,588
20:00 18,611,600 11,931,192  6,680,408
21:00 18,611,600 12,005,928  6,605,672
22:00 18,611,600 12,079,836  6,531,764
23:00 18,611,600 12,150,396  6,461,204
2017/8/10 0:00 18,611,600 12,217,176  6,394,424
1:00 18,611,600 12,279,960  6,331,640
2:00 18,611,600 12,341,628  6,269,972
3:00 18,611,600 12,400,236  6,211,364
4:00 18,611,600 12,456,684  6,154,916
5:00 18,611,600 12,511,872  6,099,728
6:00 18,611,600 12,564,648  6,046,952
7:00 18,611,600 12,614,868  5,996,732

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辰巳ダム>飽和雨量※ について簡単な検証をした

2017年08月09日 | 辰巳ダム

 平成29年8月8日、台風5号が襲来して犀川流域の山間部では累計で300mmを超える降雨があったので、飽和雨量について簡単な検証をしてみた。

 時間あたりに流域全体に降った雨の総量を「総降水量」とし、時間あたりの「ダム流入量」と比較をしてみた。地表が飽和すれば、時間のずれがあって、降った雨がその大きさで流出する、つまり、ダム湖に流入するはずである。

 地表面が降雨で飽和すると、それ以上の雨は100%流出するといわれている。
 石川県が検証洪水で求めた飽和雨量は、
 犀川ダム地点 → 平均102mm
 内川ダム地点 → 平均106mm
 である。犀川の洪水流出モデルの飽和雨量は100mmに設定している。

 上流に洪水調節施設のない、犀川ダム、内川ダムについて試算した。
 「総降水量」と「ダム流入量」(実際のダム流入量から基底流量を引き算しした量)を比較した。

 試算した表をグラフ化したものが、図:犀川ダム、図:内川ダムである。(注:後で掲載!)
 図:犀川ダムで、「総降水量」の折れ線に3カ所の山があり、流域平均の累加雨量は左から119mm、220mm、268mm付近(図では表示されていない)であるが、「ダム流入量」の折れ線に反映されていない。地表が飽和して100%流出するという仮定が正しければ、山ができるはずである。268mm付近を超えたところでも「ダム流入量」の折れ線の山は見られない。

 図:内川ダム図でも、「総降水量」の折れ線に3カ所の山があり、流域平均の累加雨量は左から203mm、245mm、292mm付近(図では表示されていない)である。「ダム流入量」の折れ線になだらかな山は見られるものの、地表が飽和した形跡は見られない。

 ところが、いずれのケース、累計雨量についても反映されていない。飽和したとすれば、その後で大きな降雨があれば、その降雨による水量と同等の出水量があるはずであるが、地表で貯留され抑制された出水量となっている。

 ちなみに今回の雨の前の降雨は、犀川ダムでは、8月1日に2mm、辰巳ダムは、7月30日に3mm、内川ダムは、8月1日に2mmである。

※ 飽和雨量とは: 地表面の湿潤状態を表す。飽和雨量が0mmということは地表面が完全に雨で飽和し、それ以上の雨はすべて地表を流れて川へ到達することを意味する。この数値が大きい値であれば、降雨を地表で受け止める能力が大きいことを表し、地表を流れて川へ到達する量は少なくなる。犀川では、100mmの数値が用いられている。
ちなみに、飽和雨量の大小で最大洪水流量が大きく異なる。辰巳ダム計画では、
100ミリ→1,741m3/秒
190ミリ→1,193m3/秒
 である。
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