中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

針ノ木谷~船窪岳~烏帽子岳~野口五郎岳~湯俣温泉

2012-08-14 00:15:24 | 北アルプス

★2012年8月11日(土)~14日(火)

 

◆目的地:針ノ木谷・船窪岳・不動岳・南沢岳・烏帽子岳・野口五郎岳・竹村新道・湯俣温泉

◆メンバー:M松さん、hitoshiさん、中隆

◆コースタイム:

【1日目】6:30黒部立山アルペンルート・トローリーバス~6:50黒部ダム~9:55平ノ渡10:00~10:15黒部湖対岸から15:00頃テン場

【2日目】7:00テン場出発~8:20船窪乗越~10:10船窪岳第2ピーク(2,459m)~12:50不動岳(2,601m)13:15~14:50南沢岳(2,625.3m)~16:15烏帽子小屋テン場

【3日目】6:10烏帽子小屋テン場出発~7:15三ツ岳(2,844.6m)~8:53野口五郎小屋~9:25野口五郎岳(2,924.3m)~14:00頃晴嵐荘テン場

【4日目】8:00頃晴嵐荘テン場出発~10:30頃高瀬ダム

◆天気:【1日目】曇り時々晴れ、 【2日目】晴れのち曇り、 【3日目】雨・強風のち曇り、 【4日目】曇りのち晴れ

 

 

【当初計画及び変更計画】

当初の予定は、黒部湖から東沢(沢2泊)を詰めて、伊藤新道(沢1泊)を湯俣温泉まで降りる計画であった。

 

しかし、天気予報では、土曜日は何とかもつが、前線の下降により日曜は天気が崩れ、月曜日、火曜日もぱっとしない。

当初計画だと天気の崩れる2日目に東沢を遡行することになる。

 

また、hitoshiさんが三俣山荘に伊藤新道の状況を聞いたところ、

今年は水量が多いとのことなので、天気が崩れると更に水量が増えることになり、

3、4日目の伊藤新道で進退窮まることも想定される。

 

ということで、針ノ木谷から船窪乗越に上がり、

船窪岳、不動岳、南岳、烏帽子岳、野口五郎岳、竹村新道、湯俣の稜線ルートに変更した。

 

結果的には2日目は晴れたが、3日目の深夜にかなりの雨が降ったので、

当初ルートでの4日目の伊藤新道の下降が不可能だった可能性が高いので、ルート変更は正解だった。

 

【概要】

◆これまでテントでは2泊、小屋では4泊の縦走が最も長かったが、

今回はテント・タープで3泊(沢+登山)になり、根性系の山行となった。

◆1日目は、心配した天気も崩れず、川の幸と焚き火を堪能でき最高のスタートだった。

◆2日目は予想に反して天気も良く、暑く、

針ノ木沢から不動岳のアップダウンがきつく、かなり体力を消耗した。

◆3日目の烏帽子小屋~野口五郎岳の稜線上は強風+雨のため難儀した。

竹村新道は予想に反して、上部こそは少しアップダウンがあったが、中間部からは結構歩きやすい道だった。

湯俣温泉の天然記念物の噴湯丘及び河原の温泉は一見・入湯の価値あり。

 

 

【山行概要】

◆1日目

これまで扇沢は一番上の駐車場だけ有料だったが、今年からはその下の舗装された駐車場も有料になり、

無料の駐車場はその下の未舗装の市営の駐車場のみとなった。

 

そのため、未舗装の無料駐車場に駐車できるかが、初日の第一の核心部であった。

結果的には、5時30分過ぎで無料の駐車場は満車であったが、

無料駐車場の奥から伸びる林道脇スペースに駐車することができた(他の車も何台か駐車していた)。

 

第二の核心部は6時30分の始発のトローリーバスに乗れるかである。

これも切符購入と平行して列に並ぶことでクリアできた。

 

第三の核心部は、10時の平の渡しの船に乗れるかである。

黒部ダムから平の渡しは地図上約3時間であり、結構ギリギリである。

 

(黒部湖。多くは立山・剣方面)

 

順調に歩いていたつもりだが、荷が重いこともあり、9時55分に平の渡しについた。何とかセーフ。

(平ノ渡。船着場と船。密入国の雰囲気あり)

 

(いい感じです)

 

船で対岸に渡り、少し登山道を歩き、針ノ木谷が近づいてきたところで沢に入り、釣りを始める。

結果は、hitoshiさんが岩魚を2匹ゲット(その他リリースあり)し、

夜の食卓に花を添えることができた。第四の核心部の岩魚も辛うじてクリア。

 

途中から沢を上がり、針ノ木古道として復活した登山道に入ったが、

これがまた登ること登ること、沢を進むのが正解か!?

 

やっとこさで、船窪乗越との出合い先のいつものテン場に到着。

テント・タープを張り、火を熾し、ビールで乾杯。最高!!第五の核心部は、焚き火であったがこれも難なくクリア。

(今年からの仲間「ニーモ2P」と、アライビバークタープ)

 

 

今回の食担は中村。夕食のメインは「味噌付け&塩麹付けの豚肉」の焼肉。

山梨県産の赤ワイン(2012国内ワインコンクール金賞)を飲み、岩魚を食べ、大満足で眠りにつく。

夜起きると、星空と焚き火が美しかった。

 

 

 

◆2日目

天気予報に反してピーカンの晴れ。こんなことなら当初計画で行けれたのにと残念がる。

一昨年の針ノ木谷~舟窪乗越~七倉山荘~七倉尾根では、

周囲は雨で視界がなかったので、そのリベンジと思うことにする。

 

しかし、舟窪乗越から船窪岳・第二舟窪岳岳、

その先の不動岳までのアップダウンはかなりのものであった。

また、山が崩壊し続けているので、登山道もかなり危ない箇所があり、

近い将来、昭文社の地図では登山道は実線から破線になると思われた。

最悪、廃道もあるのではないかと危惧された。

 

(立山方面)

 

 (槍ヶ岳)

 

(左が針ノ木岳、右が蓮華岳)

 

(今にも崩れそうな船窪岳山頂)

 

(高瀬ダムと槍ヶ岳)

 

(立山方面)

 

(やっと不動岳)

 

さてさて、天気は良く、素晴らしい景色に助けられながら、ふうふう息を切らし南沢岳まで到着。

この先烏帽子岳までは余りアップダウンがないので今日の核心部はクリア。

(右手前が南沢岳、左奥が烏帽子岳)

 

烏帽子岳は北側から見ると結構カッコイイ。

烏帽子岳分岐の手前は湿原になっていてお花畑もありなかなか良い雰囲気。

烏帽子岳は2度登っていること、かなり疲れたこと、ビールを飲みたいこともあり、

烏帽子岳のピークは踏まず烏帽子小屋のテン場に向かう(他の2人も登らず)。

(正面に烏帽子岳。恐竜の背みたい。)

 

 (コマクサ)

 

テン場は結構混んでいて、一番奥の池近くしか空いていなかった。

しかし、池のそばなので、蚊やら何やらが物凄くまとわり付いてくる。

蚊除けスプレーで対応するが、それでも寄ってくる、不安度120%。

 

小屋でビールを買い(350ml:600円)、乾杯。美味いの一言。一日の疲れが吹き飛ぶ一杯です。

蚊も喜んでくれているのか、ブンブン飛び回っている。テン場から連れてきたお友達の蚊かと思われる。

 

(心は山ボーイの3人)

 

今日の夕食はキムチチャーハン。

しかし、ご飯系料理は、チタンの小さいフライパンでは難しいと感じた。山食は汁系の麺類が基本ですね。

 

夜起きると、満天の星空。流れ星が結構見えた。

後で知ったことだが、ペルセウス流星群の一番見える日だったようだ。

明日も晴れかと糠喜びし、再度眠りにつく。

 

※この辺りの蚊やらなにやら分からない虫は、下界の蚊等と違うのか、 それ程刺されはしなかった。

 

◆3日目

四時起床。晴れ間も見えるが雲が多い。朝食を食べている時から、時々パラパラくる。

 

 (右が三ツ岳。テン場出発前はこんな感じ)

 

三ツ岳手前で風と雨が強くなったのでカッパを着る。その後断続的に雨は降り、風もかなり強く吹いた。

野口五郎小屋で話を聞くと、前線が下りてきているとか。

今週末の天気予報の前線下降が二日遅れできたことになる。

 

 

竹村新道の上部1/4くらいまでは強風に悩まされる。しかし、樹林帯に入ると風はなくなる。

 

竹村新道はアップダウンが激しく、

中々高度が下がらなく大変だという記録や話もあり、今日の核心部と思っていたが、

上部こそ確かにアップダウンがあったが、2日目に比べれば花カッパであり、

中間部から下はかなり歩き易かった。

特に日陰の森あたりは針葉樹の林であり、道もフカフカしていた。

この辺りまで来ると雨は止んでいた。

 

日陰の森先にある、湯俣川を望める展望台からは、白濁色の湯俣川と天然記念物の墳湯丘が見える。

早く、お風呂・ビール、ビール・お風呂と気合が入る。

 

(乳白色の湯俣川。 ※以下M松さん提供写真)

 

晴嵐荘から歩いて20秒のテン場は、水場も近く素晴らしい。

 

さて、本日のメインである「墳湯丘」の見学と河原の温泉に入りに行く。

中隆とM松さんはこの場所は始めて。大感激。

 

(墳湯丘【天然記念物】)

 

  

(同上)

 

(墳湯丘2。上部から温泉が湧き出ている。川の中なのになぜ?)

 

お風呂は源泉から流れてくる80度近い熱湯と川の水の調整が難しく、

ちょっと油断するとアッチッチである。今日の核心部はこの湯加減であった。

 (いいー湯だなー)

 

さて温泉から気分よく帰ってくると、ちょっと離れた場所に、

綺麗系女子大生らしい3人、男1人のグループあり。

女子大生(勝手に解釈)は各人のテントを張っていたがテントは始めてという感じ。

 

「最近は1人1テントが多い」とhitoshiさんが教えてくれた。

それから「テントの張り方がどうだ、あの男はなんだ」等々と、

3人はお節介焼きオジサン(といっても遠くからブツブツ言っているだけ)に変身。

 

本日の夕食は、山の本に載っていたように

トマトパスタをトマトピューレから作ってみたが、トマト味が足りなくイマイチ。

普段料理なんかしないからやっぱ付け焼き刃は駄目ですね。反省。

 

さて、女子大生は料理が上手だろうと勝手に思うが、

料理を作っている様子がない。どうしたんだろうと気になっていた。

寝る前に水を飲みに行き、小屋(旅館みたいに綺麗)をのぞいて見ると、

何と女子大生が中で食事をしているじゃありませんか。

別に中で食事をするのは普通ですが、何とまあ楽しそうに見えたことか。

 

さっそくテン場に帰って、女子大生の動向を気にしていたかに見えたhitoshiさんに報告。

「マッチ売りの少女みたいで、明るい小屋の中がまぶしく楽しそうだったです。」と言ったら笑われてしまった。

 

※3日目の記録は短い予定でしたが、綺麗系女子大生の記述で長くなってしまった!!

 

◆4日目

深夜から強い雨が降り始め、朝食を食べ終わるまでは降っていた。

テントを撤収する時には止んでいたが、かなり長い時間降っていたことになる。

 

当初の計画では、3泊目を伊藤新道泊(沢)の予定でいたので、

これだけ降られると増水して、少なくとも下ることはできなかっただろう。

hitoshiさんの計画変更ズバリ的中。やはり山を見る目は、綺麗系女子大生を見る目と同様に尊敬してしまう。

 

高瀬ダムまで2時間半歩き、七倉駐車場までタクシー。

重い荷でよく歩き、疲れた4日間でした。

 

下山後の温泉は(葛温泉)、いつもは高瀬館(500円→数年前に700円に値上げ)だが、

今回は初めての「かじか」の湯(800円)である。

 

ここヒットです。お奨めします。

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