中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

北穂高岳東稜

2015-08-06 01:38:15 | 北アルプス

★2014年8月6日(木)~8日(土)

 

◆目的地:奥又白池~涸沢~北穂高岳(東陵)~ジャンダルム~西穂高岳

◆メンバー:M松さん、中隆

◆コースタイム:【1日目】6:10上高地バスターミナル~7:37徳沢園7:52~8:52中畠新道分岐9:12~11:18奥又白池11:40~13:32前穂高岳5、6のコル13:50~14:40涸沢(テン場)

【2日目】6:00涸沢(テン場)~7:05北穂高岳東陵への分岐~8:15北穂高岳東陵(2,855m)~10:35北穂高岳小屋11:10~13:20涸沢岳頂上~13:35穂高岳山荘(テン場)

【3日目】4:40穂高岳山荘(テン場)~5:20奥穂高岳頂上5:35~6:35ジャンダルム6:57~7:50天狗のコル8:05~9:15間ノ岳頂上~10:45西穂高岳~12:33西穂高山荘12:57~14:28上高地

◆天気:【1日目】晴れ後曇り、 【2日目】晴れ、  【3日目】晴れ

 

 

【概要】

【1日目】

・一昨年の槍ヶ岳-北鎌尾根、昨年の剱岳北方稜線に次ぐ3回目のバリエーションルート。

・1日目のテン場である涸沢には、奥又白池から前穂高北尾根の5,6のコル経由で向かう。

・奥又白池は小説「氷壁」の舞台になった場所であり、テントも2,3張り大丈夫なので、

いつか泊まってみたいと思う。

・奥又白池から前穂高岳北尾根5,6のコルまでは昭文社の地図には波線も載っておらず、

記録によると危ない箇所があるような記述もあったが特に問題はなかった。

・木曜日ということもあり涸沢のテン場も結構空いていた。

 

【2日目】

・今日が北穂高岳東陵(ゴジラの背がメイン)。

・結果としては、東陵へもう少し早く取り付けば楽だったが、

今回のコース取りでは東陵までの登りが今回の核の一つだった。

・ゴジラの背では途中1箇所ロープで確保し安全を期した。

・ゴジラの背からは懸垂下降。久しぶりで拙い懸垂下降で反省。

・北穂から涸沢岳までも結構タフなコースであたった。

・久しぶりに午後1時半という早い時間にテン場に着いたのでゆっくりできた。

 

【3日目】

・今日は10年位前に踏破した、波線を含む登山道の最難関ルートと言われている

ジャンダルム~西穂ルート。

・10年前に比べると、雑誌にも載ったのでそれなりに登山者はいた。

・結構年配の人も多かった。元気さに脱帽。

・一般登山道最難関ルートと言われるだけあり、

昨日の北穂から涸沢高より難易度は高かった。

・西穂高岳から先は登山者の雰囲気が変わり、山ガールらしき女性もいた。

 

 

【山行記録】

【1日目】

昨年の剱岳北方稜線から計画していた今年のメイン山行である、

一昨年の槍ヶ岳(北鎌尾根)、昨年の剱岳(北方稜線)に続く3回目のバリエーションルート。

 

仕事の関係で行けるかどうか不確定だったが、

「絶対行くぞ」という確固たる意志の下、仕事を何とかやりくりし初志貫徹。

 

久しぶりの涸沢である。

10年近く前にmorita君と行った上高地を起点とした

槍ヶ岳~穂高~ジャンダルム~西穂高以来である。

今回は初めて、パノラマコース~中畠新道を通り奥又白池を経由して

前穂高岳5,6のコル経由で涸沢に向かう。

(河童橋周辺から望む穂高連峰(イラスト))

 

(明神岳)

 

徳沢園先の新村橋からパノラマ新道を通り奥又白池に向かうが、

パノラマコース入口には「雪が多いので通行できない」旨の看板があった。

(この時期には、事故を防ぐためか、この看板があるらしい)

我々はパノラマコースではないのでそのまま進む。

結果とすれば、雪渓は少し残っていたが、通行にはまったく問題がなかった。

(新村橋) 

 

下界で猛暑日が連続1週間近く続いていて、今日も暑くなる予感がむんむんする。

 

パノラマコースと中畠新道の分岐到着。

 

この分岐を左に行き、松高ルンゼ入口から右側の尾根に取り付く。

最初はびっくりするほど急登と記録にあったが、驚くほど(危険を感じるほど)急ではない。

(中畠新道分岐。右上の赤線を登る)

 

その後も結構な急登であり、暑さがミックスし少し大変。

最近全然山に登っていないので体力が落ちていると実感した。

 

奥又白池から5,6のコルに向かう道を探しながら進む。

尾根を登っていくと岩場に突き当たりルートが左に折れ奥又白池へ向かうが、

左に曲がって少し行ったところに5,6のコルへのトラバースルートがあった。

 

5,6のコルへの分岐から5分ほどで奥又白池に到着。

こんな高所に神秘的な池があるなんて、「氷壁」の舞台になるのも頷けます。

ただ、「氷壁」は結構前に読んだので既に奥又白池の場面は覚えていない。

これを機会にもう一度読んでみようと思います。

この奥又白池、テントが3張りくらい大丈夫である。

紅葉の時期に泊まったら最高だろうと思う。

後ろ髪を引かれたが、5,6のコルに向かって出発。

(結構透明度がある)

 

登ってくるとき見つけておいた分岐点から草付きの分岐道を進み、

灌木帯、岩場をトラバースして5,6のコル直下いく。

 (5,6のコルへの分岐。赤線を進む)

 

5,6のコル直下の沢を登り、二つ目の黄色ペンキの○印の所から右の稜線に上がる。

記録にはコル手前に片斜面のザレ場で、落ちたらお終いという場所があるとあったが、

少しいやらしいが特に問題なし。

(真ん中下がいやらしいザレ場)

 

5,6のコルに到着。

いつかは前穂高岳北尾根を登りたいので、今日は偵察を兼ねてこのルートを選択した。

(5,6のコル。後ろが5峰)

 

 (涸沢カール上部)

 

後は涸沢まで岩場と雪渓を降りテン場に到着。

2,3年前の紅葉の時期には2千張りのテント、

トイレは100mの行列等の記事が雑誌にのった涸沢だが、

今日は木曜日ということもあり、全然混んでいない。

 (涸沢テン場1)

 

(涸沢テン場)

 

テントを張り、涸沢小屋のテラスで生ビールで乾杯。

今日の前菜はバーニャカウダ。

にんじん、キュウリ、キャベツをバーニャカウダのソースでいただく。美味い。

ビールの後は山梨県産赤ワイン フジクレールの「隼山」(品種はメルロー)。

国産ワインコンクールで銀賞の逸品。満足です。

(説明不要)

 

 

テントに戻って、今日のメインであるキャベツと豚バラのコンソメ味スープの準備。

キャベツをゆでるときにオクラとインゲンも一緒にゆでる。

このオクラとインゲンは、今年から野菜を作り始めたnaka-takaものだ。

これもバーニャカウダのソースで食べる。甘くて美味しい野菜でした。

(天気回復)

 

(オクラとインゲンはnakataka自家製)

 

豚バラキャベツコンソメスープの鍋も成功し、〆はうどん。

 

 

【2日目】

朝食は、ご飯とナメコの味噌汁(フリーズドドライ)と

ご飯の友である丸美屋の「ソフトふりかけ梅ちりめん」。

(焼ける涸沢カール)

 

(右上が北穂高岳東稜)

 

北穂東陵へは、途中まで北穂南陵ルートを進み、

大きく左に曲がる辺りの岩稜帯を東陵に向かって右にトラバースする。

(前穂北尾根が美しい)

 

(前穂と奥穂を結ぶ吊り尾根)

 

記録によると東陵に向かう沢から左右の尾根どちらにも行けるようだが、

右の方が簡単とのことで沢を右から詰めて尾根への取付を探す。

沢の途中から尾根に向かい取り付いたが結構大変。今回の核心の一つであった。

(もっと手前から右の尾根に取り付くのが正解でした。)

(赤線より上に取り付いたかも)

 

(結構急)

 

(陵線に上がると槍がお出迎え)

 

(nakatakaニューザック、オスプレイ・ジーニス75)

 

さて、東陵は踏み跡があり特に迷わず、途中からは稜線をそれ巻き気味に進む。

途中で北穂小屋が見えてきたので、この先も踏み跡があったが慌てて稜線に戻る。

(同じように北穂小屋が見えて慌てて稜線に戻った記録あり)

 

稜線にでると、ゴジラの尻尾とゴジラの背の間のようだ。

ゴジラの背が目的なので尻尾には戻らず進む。

(稜先に北穂高小屋)

 

ゴジラの背への登りは距離は短いが、かなり急で落ちたら終わり。

ロープを持ってきているので、練習を兼ねて確保しながら登る。

(赤線を確保しながら登る)

 

(高度感抜群)

 

その先はそれほど問題ないが、

 

 

ゴジラの背から降りるところは念のため懸垂下降した。

今回2回ロープを使ったが、いずれも拙く反省。練習しなければ!

(懸垂下降)

 

(東稜を振り返る)

 

(北穂小屋への最後の登り)

 

さて、最後の北穂小屋への急登を頑張り、北穂小屋到着。

北穂小屋のテラスは最高。

東陵を見るが誰も登っている人はいなかった。

(槍からの縦走路)

 

(涸沢と前穂北尾根)

 

北穂山頂まではあっという間。

(槍をバックに)

 

さあ、後は涸沢岳を目指して頑張るのみ。

実線の一般登山道で最難関の一つであるこのルート、鎖やハシゴはあるが結構手強い。

腕力がない人を連れて行く場合は、お助けロープがあれば安心だ。

(正面に涸沢岳)

 

涸沢岳到着。眼下に穂高岳山荘が見える。

まだ早い時間でゆっくりしたいがビールはもっと飲みたいので出発。

(涸沢岳頂上から穂高岳山荘)

 

テン場は山荘近くにとれた。

 

さあ、ビールで乾杯。

前菜は、いつものキャベツの塩昆布ごま油和えである。

今回キャベツは、昨日のバーニャカウダ、鍋と大活躍。

 

穂高岳山荘には、ツアーの韓国人が20人くらいいて驚いた。

訪日外国人観光客が過去最高を記録しているが、山まで来ているとは・・・・。

(正面に涸沢岳)

 

さあ、今日のメインは、トマトスープパスタ(ペンネ)です。

スープの素2種類などと昨日の残りのキノコ、キャベツを入れる。

美味でした。

(焼けるジャンダルム)

 

(笠ヶ岳) 

 

【3日目】

今日は長丁場になることが予想されたので、

いつもより早く3時に起床して4時40分に出発。

朝食は、味噌ラーメンにナメコ汁を入れ味噌ミックス。

 

穂高岳山荘からの直登は朝一番の体は答える。

北穂高岳への途中で日が昇る。

(奥穂に向かう小屋からの最初の急登)

 

(奥穂に向かう途中で振り返る。手前から、涸沢岳、北穂岳、槍)

 

 

(奥穂に向かう陵線上)

 

北穂高岳頂上着。結構の人。

既にジャンダルムに向かっている人も見える。

10年前に比べると奥穂高岳~西穂高岳ルートも少しメジャーになってきた。

(奥穂頂上。右にジャンダルム。その左の陽が当たっているのが焼岳。左奥手前が乗鞍岳。その奥に御嶽)

 

(奥穂頂上2。どこからでも槍は見える)

 

さあ、ジャンダルム向けて出発。

その前に馬の背を超えなければならないが、特に問題ない。

(馬の背、その奥にジャンダルム。左に焼岳)

 

(馬の背からの下り)

 

(もうすぐジャンダルム)

 

(すごい形です)

 

ジャンダルムは西穂側から登る。

やっぱ2度目でも嬉しかった。360度のパノラマを堪能する。

(ジャン頂上)

 

(ジャン頂上2)

  

この後も、波線登山道最難関のルートだけに結構大変。

天狗の頭からの下りにある逆層スラブは雨の日には滑りやすいので要注意だ。

(左がジャンダルム。右が奥穂)

 

(右奥が西穂高岳)

 

 

(天狗岳(天狗の頭))

 

(天狗岳頂上から。右奥が西穂高岳)

 

(天狗岳からの下りの逆層スラブ)

 

 

(一番奥に、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳)

 

(正面に奥穂岳、その右に前穂岳)

 

西穂高岳着。

大勢の人がいる。ここからは別世界となり、山ガールっぽい女の子も結構いた。

(上高地を望む)

 

西穂山荘までは特に問題ない。

西穂山荘から上高地まではの最後の下りを頑張り、フィニッシュ。

上高地から沢渡までの帰りは、行きと同様タクシー。

一人800円(5人乗った場合)でバスの1,250円よりお得である。

 

今回の山行後のお風呂は沢渡の「梓川湖畔の湯(720円)」でした。

コメント (2)
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