中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

湯俣川~弥助沢~伊藤新道

2015-09-20 05:24:16 | 

★2015年9月20日(日)~22日(火)

 

◆目的地:湯俣川弥助沢~三俣山荘~伊藤新道

◆メンバー:hitoshiさん、M山プロ、中隆

◆コースタイム:【1日目】6:10高瀬ダム~8:20晴嵐荘対岸~8:35湯俣川河原9:00~12:24ワリモ沢出合~13:34赤沢手前テン場

【2日目】6:40テン場発~9:32弥助沢出合~11:28 2,536m地点付近稜線~11:35三俣山荘12:00~14:55テン場

【3日目】7:20テン場~11:00湯俣川河原(噴頭丘)11:30~13:30高瀬ダム

◆天気:【1日目】晴れ

    【2日目】晴れ

    【3日目】晴れ

 

 

【概要】

【1日目】

・5連休のシルバーウィーク。

・長野への帰省とhitoshiさんの計画が合い、念願の伊藤新道を踏破。

・しかも、弥助沢で三俣山荘まで登りあげての帰り伊藤新道である。大満足である。

・伊藤新道の下部は湯俣川であり、かつては吊橋が5か所あった。

・現在は、所々に吊橋の残骸があるが、こう崩れてしまうと復活は難しいだろう。

・湯俣川は噴頭丘から第1吊橋後の辺りまでは徒渉を繰り返し河原を歩く。

・第1吊橋後から先がゴルジュ帯であり、巻きが2回あり、渡渉も困難を極めた。

・特に第3吊り橋先の徒渉が最難関だった。

・先週までの長雨で湯俣川の水量は多く、腰上、へそ上の徒渉が何度となくあった。

・水量があと少し多ければ敗退だった。

実際単独のおじさんが、水量が多いということで途中撤退してきた。

・伊藤新道との合流地点である赤沢出合手前をテン場とする。

・今回はnaka-takaが食担。1日目は、ほうとう。

・焚き火の夜を久しぶりに堪能。

 

【2日目】

・テン場をそのままにして最小限の荷物で出発

・湯俣川の渡渉も特に問題がなかった。

・湯俣川は硫黄谷からの硫黄成分のためお魚はいない。しかし、弥助沢に入ると魚影が出てきた。

・弥助沢を詰め上げると、カール状になっていた。紅葉も始まっていた。

 ・三俣山荘は非常に混んでいた。連日の混雑でビール・ジュースは売り切れだった。

 ・帰りの伊藤新道は誰にも会わず静かな山行を楽しめた。

 ・三俣山荘の地図にある展望台まではちょっと道は悪いが特に問題はない。

 ・展望台から先はところどころにロープがあり結構難易度は高い。

 ・湯俣川との出合から200mくらい上流の赤沢に合流。

 

【3日目】

 ・晴天が続き水量の減少を期待したが、1日目と変わっていなかった。

 ・しかし、1日目でへそ下までの水量に慣れていたので特に問題はなかった。

 ・荷物も軽くなり1日目より1時間ほど早く噴頭丘に着いた。

 

 

【山行概要】

(1日目)

朝5時に大町合同庁舎に集合。

七倉ゲートのオープンは6時半だが、

この連休、七倉からの高瀬ダムまでのタクシー非常に混雑しているとの情報が入ったので、

当初の集合時間を30分早めた。

 

やはり、七倉ゲート前の駐車場は満車で、駐車場下まで路駐してある始末。

我々は、結局、混雑時に使用されるダムへの道の途中にある臨時駐車場に駐車し、タクシーを拾った。

 

高瀬ダムから入渓地点まで約9.5kmの林道を歩く。

(高瀬ダム、その向こうは不動岳、船窪岳方面)

 

(正面は北鎌尾根)

 

荷物は思いが結構なペースで晴嵐荘へ渡る吊橋に到着。

 

(右は晴嵐荘)

 

しかし、今回は晴嵐荘には寄らずそのまま湯俣川の入渓地点に向かう。

 

湯俣は、5年前、hitoshiさん、M松さんと、

針ノ木谷~烏帽子岳~竹村新道経由で来た以来である。

 

河原からは温泉の湯気が上がっている。

久しぶりに温泉成分の沈殿物が河床に堆積して盛り上がる「噴頭丘」にご対面。

以前は、「噴頭丘」の近くの湯俣川の中にチビ噴頭丘があったが増水で流されたようだ。

(天然温泉)

 

(噴頭丘)

 

さて、遡行開始。

最初は徒渉しながら河原を進んでいく。

第1つり橋跡手前からゴルジュ帯が始まり、高巻き2回、へそ下の徒渉を繰り返す。

2,3日前まで雨が降っていた影響か水量は多い。

hitoshiさんがストックで水深を測りながら進んでいく。

 

 

 

途中単独のおじさん(私より)が第3つり橋付近で徒渉を断念して戻ってきた。

大丈夫かと不安が頭をかすめる。しかし、行くしかない。

途中水深が深い場所はラグビー日本代表張りの3人スクラムを組んで徒渉。

 

さあ、問題の第3つり橋跡に到着。

三俣山荘マップにも載っている

「雨天時勇気を持って引き返せ!」と書いた大岩があった。

 

ここを少し過ぎたところで行き詰る。

距離はないが流れが速く水深も結構ある微妙な徒渉可能点が1点あるのみである。

悩む。とその時M山プロがジャンプ。本当ですか?!と驚く。

Mプロは、一番水深が深いところを超えて少し浅くなったところに着地。

しかし、ちょっとよろめき中心部にオットットなるが何とかセーフ。

中隆とhitoshiさんは、

水深の一番深いところを挟んでM山プロと二人スクラムを組み何とか突破。

  

ワリモ沢との出合にある第4つり橋跡、第5つり橋後を超えて更に進む。

湯俣川には全部で5か所つり橋があるが、両岸の崩壊状況を見ると復活は困難である。

 

(ワリモ沢との出合。右上に見えるのはつり橋のケーブル)

 

伊藤新道の降下地点である赤沢との出合手前にテン場適地を見つける。

テントを張り、ビールを冷やし、明日の下見ということで、硫黄沢まで探索。

 

硫黄沢はその名のとおり硫黄成分で沢が乳白色になっていて、所々で温泉が湧いている。

 

 

テントに戻り薪を集め宴会準備。

 

(今日のメニュー)

・オクラ、シソ、ミョウガの鰹節あえ

中隆が育てたオクラを茹で、シソ(中隆家産)とミョウガと鰹節を混ぜ、醤油をかける。

・キャベツの塩昆布、胡麻油和え。

・焼き芋

・豚バラの焼肉(ほうとう用の肉の一部)

・カボチャほうとう

 

今日のワインは、

国産ワインコンテスト2015甲州辛口部門金賞・ベストコストパフォーマンス賞受賞ワインの

森田甲州ワイナリーの「甲州シュール・リー 2014」。美味しかったです。

  

 

【2日目】

朝食に卵・餅入り野菜うどんを食べて出発。

 

 

 

 

何回か徒渉を繰り返し、硫黄沢、モミ沢を過ぎ、弥助沢出合に到着。

(弥助沢出合)

 

弥助沢に入るとイワナの魚影が出てきた。

湯俣川は硫黄谷の硫黄成分が濃いためイワナが生きていけない川である。

しかし、弥助沢には硫黄はないのでイワナが生息していて、水も飲める。

簡単な滝をいくつか超えて上流部に進む。危険個所はない。

 

弥助沢最上部はカール状になっている。

紅葉も始まっていた。中々の景色である。

 

(来た道を振り返る。奥に北鎌尾根と槍ヶ岳が見える)

 

三俣山荘と鷲羽岳を結ぶ稜線の登山道には多くの登山者が歩いていた。

 

稜線到着。登山道をちょっと歩き三俣山荘着。

非常に多くの人がいる。

hitoshiさんの持参したビールは1本だけで、三俣山荘でビールを補充するつもりでいたが、

何と「ビールとジュースは売り切れ」と書いてある。

連日の混雑で補充が追い付かないのだ。

hitoshiさんショック。※中隆とM山プロは500mlを2本持ってきていた。

 

 

さあ、帰りは待望の伊藤新道を下るだけである。

鷲羽岳への登山道を途中から右に入り、伊藤新道となる。

(正面が鷲羽岳)

 

(真ん中右に延びるのが伊藤新道)

 

 

(弥助沢最上部。左奥には三俣蓮華岳)

 

最初は草付きのトラバースになり、30分くらいで庭園と呼ばれる広場になる。

 

庭園から展望台と呼ばれるところまでは鷲羽岳の原生林を進む。快適である。

 

展望台からは、槍ヶ岳、硫黄尾根が望める。

硫黄成分の乳白色と赤茶けた岩肌の織りなす景色は、

地球以外の惑星にいるかのような気分にさせてくれる。

(右奥に槍ヶ岳)

 

 

(湯俣川。真ん中のちょっと広くなっている所がテン場)

 

ここから赤沢までは結構な急坂であり要注意である。

 

赤沢到着。名前のとおり赤茶けた沢で荒々しい。

(赤沢)

 

赤沢からテン場まではあっという間。

昨日集めた薪があるので、すぐに宴会。

 

ビールで乾杯(仲良く3人で2本だよ)。

(今日の料理)

・枝豆

・キャベツの塩昆布、胡麻油和え

・焼き芋

・具だくさん(野菜、スパム)カレー

 

2日目のワインは、山梨県産ベリーAとカベルネの赤ワイン。

 

今回は、1日目に①オクラとかぼちゃを茹で、②ほうとうを作り、

2日目に③枝豆を茹で、④カレーを作った、ため、ガス缶が空になってしまった。

中隆が明日の朝食のことを心配していると、

hitoshiさんが、「焚火の火で湯を沸かせばいい。沢屋は本当はガスを持ってこない」とのこと。

果たして大丈夫か?

 

 

【3日目】

結構手こずったが焚火で湯が沸き餅入りラーメンを食べられた。

コッヘルは少し黒くなったが勲章である。

 

晴天が続いたので沢の水量が減ったかなと期待していたが、

ほとんど変わっていなかった。

しかし、へそ下までの徒渉には慣れたので、

帰りは特に問題もなくズンズン進む。

第3つり橋跡付近の難所も帰りはスクラムを組み徒渉。

 

 

(高巻き)

 

 

 

 

無事噴頭丘に到着。ただいま。

 

帰りも晴嵐荘には寄らず高瀬ダムを目指す。

最後の林道歩きは疲れました。

 

今回の下山後の温泉は、「温宿かじか」(800円)でした。

 

 

コメント (2)
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