中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

北鎌尾根~槍ヶ岳

2013-08-10 21:59:48 | 北アルプス

★2013年8月10日(土)~12日(月)

 

◆目的地:北鎌尾根~槍ヶ岳(3,180m)

◆メンバー:M松さん、中隆

◆コースタイム:【1日目】5:05駐車スペース~5:25中房温泉登山道~8:50燕山荘9:20~12:10大天井ヒュッテ12:35

              ~12:53貧乏沢入口~15:20天井沢出合15:30~15:45テント場

        【2日目】5:45テント場~5:55北鎌沢出合~8:45北鎌のコル9:00~11:15独標基部

              ~16:27槍ヶ岳頂上~17:40殺生ヒュッテテント場

        【3日目】5:55テント場~7:33水俣乗越7:45~8:45ヒュッテ西岳8:55~9:04西岳~9:25ヒュッテ西岳

              ~11:20大天井ヒュッテ11:40~12:20大天荘12:30~12:40大天井岳~13:00大天荘

              ~15:28燕山荘15:45~16:15合戦小屋16:30~17:46中房温泉登山道

 

◆天気:【1日目】晴れ時々曇り

      【2日目】晴れ時々曇り

      【3日目】快晴

 

 

【概要】

【1日目】

・この夏メイン山行であり、初のバリエーションルート。

・中房温泉の駐車場は朝早くから満車だったが、少し下の路肩に駐めることができた。

・中房温泉から大天井ヒュッテまでの表銀座は特に問題はない。

・大天井ヒュッテから20分歩いた右側に貧乏沢の入口があり、簡単な標識あり。

・貧乏沢の最初は這松、その後急斜面の岩場。途中から水が出てきた以降は左岸に測道がある。

・天井沢では北鎌沢との出合100m程手前のビバーク適地にテントを張る。

・北鎌沢出合付近にテント3張り、我々の近くに3張り、その手前に1張りと結構な数である。

・薪は乾いており、マッチ1本で火がついた。他のパーティーで火を焚いている所はなかった。

 

【2日目】

・今日がメインの北鎌尾根。5時45分に出発。テント組では最後尾。

・北鎌沢出合から20分で二股。左俣の方が本流に見えるが、右俣は北鎌のコルに向かっているので間違うことはない。

・途中でヘリが来て、右俣方面でホバリングをしていた(後で分かったが、左俣に入り込んでしまった先行パーティーがいたようだ)。

・右俣は結構上まで水が取れた。

・その後も二股があるが本流を選んで、北鎌のコルを目指して進めば間違えることはない。

・北鎌のコル着。テント二張りの広さであるが、少し臭い。

・北鎌のコルから独標基部までは踏み後はあり間違えることはない(ネット情報どおり)。

・独標基部にはロープがあり。逆コの字の岩場も含め特に恐怖は感じない。

・独標から先も直登以外は千丈沢側をトラバース。

・僅かだが踏跡があるのでほとんど迷うことはない。

 テープがあってもそれに惑わされず自分の技量で登れるところを進めば問題ない。

・最後の大槍は稜線先から取り付き、一つめのチムニーを越え(ここは右側からも登れる)る。

 二つめのチムニーのところが難しく、先に右側にトラバースしたパーティーは苦戦していたが、

 ここは左側からトラバースするのが正解。直ぐに頂上の祠の裏に出られ、感動のフィナーレ。

・槍ヶ岳山荘のテント場は一杯で殺生ヒュッテのテント場で泊まる。

 

【3日目】

・今日は中房温泉までの長丁場。

・東鎌尾根も梯子や鎖場と中々タフなコースである。

・今日は下界の猛暑が感じられるほど山の上も暑い。

・水俣乗越から西岳までの登りと、大天井ヒュッテから大天井岳までの登りはこたえた。

・最後の自分へのご褒美は大天井ヒュッテのモナカと合戦小屋でのスイカ。本当に美味かった。

 

 

【山行詳細】

【1日目】

朝5時半に中房温泉の燕岳駐車場に着くと既に満車。

駐車場から700m手前の路肩駐車スペースに駐車する。

 

登山道入口は結構な人混みである。

登山届けを提出し、今年のメイン山行がスタート。

(混雑している登山道入口)

 

燕岳までは北アルプス3大急登となっているが、七倉尾根に比べるとなんて事はない。

順調に高度を稼ぐ。

合戦小屋のスイカは帰りに食すことにする。

 

燕山荘着。流石人気の山、混雑しています。

北鎌尾根に備え、燕岳は帰りに登ることにする。

(燕山荘前の標識、奥は燕岳)

 

燕山荘から大天井岳と大天井ヒュッテまでは快適な稜線歩き。

(縦走路途中、右奥に槍ヶ岳が見える。左奥は大天井岳)

 

(北鎌尾根全貌、気合が入ります)

 

大天井岳も帰りに登ることにし、大天井ヒュッテへのトラバース道を行く。

(大天井ヒュッテへの最後の下り)

 

大天井ヒュッテ到着。北鎌尾根の情報を聞くと特に変わったことはないとのこと。

 

大天井ヒュッテから20分歩いた右側が貧乏沢の入口である。

標識があるので迷うことはない。

(貧乏沢入口)

 

さあ、ここからが本番である。

貧乏沢の最初は這松、その後急斜面の枯れ沢。

途中から水が出てきてからは基本的に左岸に測道(トラバース道)があり、そこを進む。

(貧乏沢も途中からは水流が出てくる)

 

やっとこさ天井沢との出合に到着。天井沢は水がきれいである。

(天井沢)

 

北鎌沢との出合には既にテントが3張り見える。

北鎌沢出合の100m程手前に、砂場のビバーク適地があり、そこにテントを張る。

結局、北鎌沢出合付近にテント3張り、我々の近くに3張り、その手前に1張りと結構な数である。

 

テントを張り、ビールを冷やしたら薪集め。

北鎌沢出合から離れているからか、そこそこ薪が見つかる。

薪は非常に乾いており、マッチ1本で火がついた。天才?!

(最高の一瞬)

 

さあ、沢定番の枝豆を茹でよく冷えたビールで乾杯。美味い。

オイルサーディーン等のおつまみも美味しい。

ビールの後はワインとチーズ。美味い。

 

今日のメイン料理は前回の沢で忘れた鳥塩鍋の素を使った鍋。

前回のリベンジ成る。最後はうどんを入れて〆。

Mさんはお疲れで鍋を食べずに爆睡。

 

ところで、他のパーティーで火を焚いている所はなかった。何故?

 

 

【2日目】

さて、今日がメインの北鎌尾根。5時45分に出発。

テント組では最後尾。

(北鎌沢出合、正面が北鎌のコル)

 

北鎌沢出合まで約20分。

出合からは北鎌のコルが良く見える。

北鎌沢出合から20分で二股到着。

左俣の方が本流に見えるが、右俣は北鎌のコルに向かっているので間違うことはない。

途中でヘリが来て、右俣方面でホバリングをしていた

(後で分かったが、左俣に入り込んでしまった先行パーティーがいたようだ)。

 (北鎌沢右俣途中)

 

右俣は結構上まで水が取れた。

その後も二股があるが本流を選んで、北鎌のコルを目指して進めば間違えることはない。

 (一カ所「×」が右岸にあったが、ここも普通は間違えないだろう)

 

やっと、北鎌のコルに到着。テント二張りの広さであるが、少し臭い。

(北鎌のコル)

 

北鎌のコルから先、天狗の腰掛け~独標基部までは踏み後はあり間違えることはない。

(左奥が独標、その右は天狗の腰掛)

 

(独標へ向かう。後は立山方面)

 

(もう直ぐ独標)

 

独標基部到着。ここからが本番。

まずは、独標基部の入口に数メートルある既存ロープを使いトラバース道に入る。

ロープを越えたトラバース道も特に問題はない。

その先に有名な逆コの字の岩がある。高度感があるが特に恐怖は感じない。

(独標基部入口)

 

(独標基部トラバース道)

 

(逆コの字岩、ザックが引っかからないように注意)

 

途中から槍ヶ岳が見えてくる。俄然モチベーションが上がる。

(槍はまだまだ先だ・・・)

 

独標から先も直登以外は千丈沢側をトラバース。

僅かだが踏跡があるのでほとんど迷うことはない。

赤テープがある場所もそれにこだわらず自分の技量で登れるところを進めば問題ない。

(ザレ場を進む)

 

(さらにザレ場を進む)

 

(大槍、子槍、孫槍、ひ孫槍までが良く見える)

 

最後のP15(多分)は大きく巻いた。

その先の小ピークの稜線を進み、大槍に向かう。

(待ってて大槍、後少しです)

 

(迫る大槍、子槍、孫槍)

 

(大槍全景、こんな所登れるのかなと思わせる迫力)

 

先行パーティーがいたので大槍基部で大槍の登り方を参考にしてから、大槍中央から取り付く。

(さあ大槍)

 

一つめのチムニー(?)を越える(ここは右側からも登れる)。

二つめのチムニー(?)のところが難しく、

先に右側にトラバースした先先行パーティーは苦戦していたが、

ここは左側から登り、少し行くと頂上直下の祠の下に出られた。

(二つ目のチムニー(?)、ここは左から巻いて登る)

 

頂上の登山者から「おー」と言われながら祠を目指して最後を登る。

(最後の一登り)

 

槍ヶ岳頂上到着。感無量。本当に感激しました。

M松さん、本当にありがとうございました&お疲れさまでした。

(頂上で記念撮影、感動です)

 

(頂上から北鎌尾根を振り返る)

 

記念写真をとり、登山道を下る。

遅い時間だったが、まだまだ登ってくる人がいて途中で少し渋滞。

(大槍から降りて。槍岳山荘前)

 

槍ヶ岳山荘のテント場は一杯で殺生ヒュッテのテント場に向かう。

 

今日も、ビールで乾杯。北鎌尾根を踏破した後のビールは美味かった。

今日の夜ご飯は、スープパスタ。

 今日のために考えた、超軽量で美味しい料理です。

(左上の明かりは槍岳山荘、その右に槍ヶ岳のシルエットが見える)

 

【3日目】

今日の天気はこれまでで最高。

さあ、中房温泉までの長丁場、暑さとの戦いのスタートだ。

(殺生ヒュッテのテント場)

 

殺生ヒュッテから東鎌尾根に登ると北鎌尾根、穂高等の素晴らしい景色が一望できる。

北鎌尾根を眺め感慨にふけりながら、東鎌尾根を西岳に向けて歩く。

(大槍、うーん、よく登れたな・・・。)

 

(槍と北鎌、うーん、よく歩いたな。)

 

しかし、東鎌尾根も梯子や鎖場があり中々タフなコースである。

(東鎌の梯子)

 

朝から予想されたが今日は下界の猛暑が感じられるほどの暑さだ。

水俣乗越到着。ここから北鎌沢に下りたパーティーも多かっただろう。

(水俣乗越、左奥に北鎌のコルが見える)

 

水俣乗越から西岳山荘までの登りは少しきつかった。

しかし、途中では槍や穂高の眺めが素晴らしい。

(穂高方面、左から前穂、奥穂、北穂、雪渓は涸沢大雪渓)

 

西岳山荘着。空身で西岳を往復。

(中々こられない西岳。ここだけは外せない)

 

西岳から大天井ヒュッテまでの道も長かった。ここも北鎌尾根を見ながら頑張る。

(真ん中ちょい右の雪渓が北鎌沢左俣。右俣は真直ぐ北鎌のコルに向かっている)

 

大天井ヒュッテではモナカを食べて気力充填。

しかし、大天井ヒュッテから大天井岳山荘までの登りもこたえた。

 

大天井山荘からは空身で大天井岳往復。

(大天井岳頂上、右に槍~北鎌尾根)

 

さあ、後は燕山荘までの縦走路。根性で頑張る。

 

燕山荘着。今日のテント場は満員御礼とのこと。

(左奥が燕岳)

 

疲れたのと一度登っていることから燕岳はパスし、下山する。

合戦小屋では名物の波田町産のスイカを食べる。本当に美味かった。

(波田町産のスイカ、最高)

 

合戦小屋から最後のラストスパート。

登山道入口に到着。本当疲れました。

しかし本当に充実した3日間でした。

 

※お風呂は穂高温泉入口の旅館「山のたこ平」。普通です(500円)。

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西岳(戸隠)

2013-08-04 21:18:31 | 長野の山

★2013年8月4日(日)

 

◆目的地:西岳(長野県長野市戸隠、2,053m)

◆メンバー:単独

◆コースタイム:5:35鏡池駐車場~9:20P1(第一峰)~9:45西岳~10:18本院岳~11:47八方睨12:00~12:54戸隠神社奥社~13:30鏡池駐車場

◆天気:曇り後晴れ

 

 

 

【概要】

・来週のこの夏メイン山行に備えての足慣らしのつもりで行ったが結構ハードだった。

・鎖場には、初心者や腕力のない者との同行の場合はロープが必要かと思う所が何カ所かあり。

・稜線上の登山道は笹等に覆われており分かりにくく、更に片側は崖なので要注意。

・前回(2009年10月)は蟻の戸渡りを登り戸隠山を縦走したが、今回の西岳は蟻の戸渡りを下る。

・蟻の戸渡りは秋(蕎麦の季節)には大渋滞だが、この時期はスムーズに通過でき、稜線から戸隠神社奥社まで約55分だった。

 

【山行記録】

来週の土曜からの2泊3日の山行がこの夏最大のイベント。

今シーズン、沢は行ったが山はまだ行っていないので、

岩場を含めた事前山行をする必要を感じ、

以前から行ってみたいと思っていた戸隠の西岳を目指す。

 

鏡池から不動沢へ下る途中のカーブで標識を見落とし、

不動沢への降り口を間違えてしまう。

さらに境界確認作業用のピンクリボンに惑わされ、道なき道を彷徨う。

いくら波線の登山道といっても、これでは沢登りの藪漕ぎと変わらないので、

道を間違えたと気付き途中まで戻って仕切り直そうと来た道を戻っていると、

登山者が表われ、正規の登山ルートが分かった。やれやれ。

ここでこんなことでは来週が思いやられるが・・・。

 

やはり地図上波線とはいえ、登山道は当たり前のことだが分かりやすい道である。

牧場を越え、なだらかな尾根を登り最後の急登を過ぎると、これからが核心部。

 

(牧草地から見る西岳、本院岳)

 

戸隠奥社から蟻の戸渡りまでの鎖場も結構凄いが、こちらは鎖場は更に大変。

かなりの腕力を必要とする所もあり、初心者等を同行する場合はロープが必要と思った。

 

(険しそう・・・)

 

(上の鎖から梯子に移るのに結構腕力を使う)

 

 

(険しい道だが、お花もきれい)

 

P1到着。ここからが稜線を歩き。

(P1表示)

 

稜線上は笹や藪が生い茂っており、上から見たら登山道が分かりにくい。

東側の崖に落ちないように気をつけながら歩く。

 

(上からでは登山道が見えない箇所が結構ある)

 

西岳着。展望はまったくない。

だからか写真を撮るのを忘れてしまった。

水だけを飲み、さっそく出発。

 

本院岳着。やはり展望は余り良くない。

しかし、写真だけは忘れずに撮る。

 

ここから八方睨(蟻の戸渡りへの分岐)までが少し長い稜線歩きになる。

結構不明瞭な登山道である。「熟達者向き」とあるのも頷ける。

八方睨までの最後に急登が少し大変だった。

 

天気は好転してきた。

八方睨で少し休み景色を楽しむ。

(縦走してきた西岳~本院岳)

 

前回2009年10月の時は紅葉+新蕎麦の時期であり、

戸隠山、特に蟻の戸渡りは大渋滞だったが、今回は2,3人しかいなかった。

(蟻の戸渡上部から)

 

来週の岩場に備え、蟻の戸渡りをほぼ歩いて渡る。

(蟻の戸渡途中)

 

 (蟻の戸渡を振り返って)

 

その後の岩場も人がほとんどいないので、前回と違い快適に飛ばせる。

コースタイムは150分だが、55分で戸隠神社奥社に到着。

(奥社の杉並木)

 

来週の山行の良い鍛錬になりました。

(鏡池の駐車場から西岳を望む)

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