酒酒落落

~しゃしゃらくらく~
本、漫画、観劇などの記録
【注意!ネタバレあり】

グレートギャツビー

2022年09月19日 | 
角川文庫23230
フィッツジェラルド
大貫三郎訳

なんというか私もヘミングウェイのが好きかも…ってのが読んでいるときの感想でしたね。
宝塚の宣伝文句でもアメリカンドリームを追い求めたってなっているけど、ギャツビーはアメリカンドリームを求めていたんだろうか。
一攫千金を狙い成り上がりたかったっていうのは確かにそうかもしれないけど。
ギャツビーのデイジーの執着がすごくてストーカーのストーリーみたいになっているけど、5年後のギャツビーが嘘と虚像にまみれているだけでなく、デイジーと出会った時点ですでに経歴を偽っているわけだから、ギャツビーの本質は成り上がりたいっていう野心であって、彼の目指す上流階級の象徴がデイジーであってだからこそ執着しているって古都なのかな。
宝塚版はロマンチックな愛の物語みたいになっていて、素敵ではあるけどモヤっとしたところが残るのはたぶん原作は恋愛が主題じゃないからではなかろうか。
ギャツビーのデイジーへの気持ちは本質的には執着だけど、まだ愛にみえなくもないが、デイジーはたぶん単なる気まぐれだと思うんだよね。
家庭生活があまりうまくいってないところに昔の恋人が現れて口説かれたからフラッとしただけで、5年間ギャツビーのことを思い出したことなんて対してないだろうし、これからもほぼ思い出すことはないんだと思う。
だから、葬式のシーンは美しいし海ちゃんの演技は素晴らしかったけど、葬式にはこないデイジーが彼女の本質だと思う。
上流階級に挑んで虚しく散っていった男の物語ってのが、私の原作を読んだ感想かな。
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