この人気のある組曲の前奏曲はイタリアの合奏協奏曲に似ているそうだ。ソロとオーケストラの2つの音色間の交互がこの大きなオープニングセクションの明確な構造を決めているという。チェンバロ奏者のPierre Hantaïによれば、この作品のサラバンドは心を揺さぶる美しさの絶対的な傑作だという。バッハがイギリス組曲を書いた期間中に亡くなったバッハの最初の妻のための葬送曲かもしれないという。いずれにせよ、舞曲からは程遠いという。続く2つの非常に対照的なガボットは性格が決定的にフランス的であり、後者はミュゼットと呼ばれ、ラモーやクープランのようなフランスの作曲家が良く使うシンプルな牧歌的な舞曲だそうだ。組曲の最後で、バッハは間違いなく完全な3声のフーガのジーグで、自分の署名を加えているそうだ。
●6曲あるイギリス組曲(BWV806~811)はおそらく1710年と1720年の間に、いずれにしてもフランス組曲やパルティータの前に作曲されたであろうという。なぜイギリス組曲と呼ばれるのかはまだはっきりしないそうだ。バッハの最初の伝記作家フォルケルによると、それらは名前の知れぬ英国の貴族に捧げられたという。現存するバッハの他の鍵盤楽器用の組曲と同様に、イギリス組曲は主にドイツ、イタリア及びフランス様式の要素の合成であり、ある程度、フランス組曲よりフランス的だという。6つの組曲全てが広範な前奏曲で始まり、アルマンド、クーラント、サラバンド、およびジーグの古典的な一連の舞曲が続き、そして、自由選択として、最後の2つの舞曲の間に、ガボット/ブーレ/パッセ/メヌエットを伴うそうだ。 ⇒ https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-808/
Bach - 'English' Suite No. 3 in G minor BWV 808 - Hantaï | Netherlands Bach Society