MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

ピアノの美容師さん

2007年07月26日 | Weblog
昨日は教室のピアノの話でしたが
自宅のピアノも 音の狂いが気になるようになってきました。
(ここぞ!という所で 間の抜けた響きがします。)
というわけで
いつもお世話になっている調律師さんに
「うちのコもそろそろ」と
調律をお願いしました。

この方はベテランの調律師さんなので 人気があり
いつも 調律の依頼で予定がいっぱいです。
売れっ子の美容師さんと同じで
早めに連絡して予約を取らないと
都合の良い日に来ていただくことができません。

さて
調律と言っても 実際にやってもらうのは
単に鍵盤の音を正しく直すことだけではありません。
ピアノの使われ方によって
よく弾かれる鍵盤と、あまり使われない鍵盤とがありますが
使われる鍵盤ほど、ハンマーが固く締まって
音がくっきりと硬質になってきますから
そうでない鍵盤とで 音色にムラが出てきます。
そういう音を揃えるのも、調律師さんのお仕事です。

また ピアノは、一台一台個性があるので
音色が キンキラで響き過ぎるという場合は
ややソフトな音にしてもらうこともできますし
鍵盤の返りに早い・遅いという差が出たときも
揃えてもらう事が出来ます

ベテランの調律師さんともなると
こういう注文にちゃんと応えてくださるので
調律に来て貰う時は 私も時間を作って
気になる点を伝え、直してもらいます。
いつも あれこれ注文し、真剣にチェックを入れるので
小姑みたいな客だと思われているかもしれません。


ちなみに、このベテラン調律師さんに
ピアノって、調律してから音が狂いだすまで
どのくらいの時間がかかりますか?と質問したところ

「15分で狂います。正確には
調律した直後から狂い始めます。」
と答えてくださいました。

いや、まあ厳密にはそうでしょうけど。

実際、調律師さんというのは
これから1年後にはこういう狂い方をしていくだろう、と
予想して調律するのだそうですよ。