MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

アコーディオンとコード

2012年09月17日 | 音楽教室
アコーディオンという楽器
ローマ数字による和音記号が提案された直後
1822年ベルリンのブッシュマンという人によって発明され
初めは シンプルな構造だったものが
だんだんと 進化して今の形となったそうです。

アコーディオンには
鍵盤の無い『ボタン式アコーディオン』と
鍵盤の付いた『ピアノ・アコーディオン』があります。

そういえば、小学生時代さわったアコーディオンは
鍵盤付きタイプでしたが
左手側にボタンがいっぱい並んでいました。
ボタンの方は全くノータッチでしたので
奏法については未知のまま。

調べてみますと、
あのボタンは【ベース・ボタン】と呼ばれるもので
低音と和音で伴奏するのが主な役割。
ボタンの数は120個(を6列に並べる)が基本
最大装備で140個(7列)あるそうです。

で、このたくさんあるボタンの内
ふいごに近い1列~2(3)列までが本来のベース
バス音または低音でのソロ演奏に使うもので

残る、3(4)列目以上は 
低音ボタンの最後列の音を基音として
長三・短三・属7・減7
の4種類の和音を
1個のボタンで演奏できるのだそうです。

つまり、
「ド」 (C音)の列の長三和音ボタンを押せば「ドミソ」の音がびゃ~っと
「レ♭」(D♭)の列の長三和音ボタンを押せば「レ♭ファラ♭」の和音がびゃ~っと
自動的に鳴ってくれるという事ですか?

そりゃあ、コード・ネームの表記法
あれでいいわけです。
E♭の減七和音を鳴らしたければ
『E♭の減七和音ボタン』を押せば良いのですから。

ちなみに
アコーディオンのベース・ボタンの音の配置は、
ピアノの鍵盤のように ドレミファソラシの順には並んでおらず
『調によって運指法を変える必要がない』というのが
この楽器の大きな特色だそうです。
この辺りも、弦楽器みたいですね。

コードネームに疑問 その2

2012年09月15日 | 音楽教室
コード・ネーム。
コード(和音)とネーム(名前)ですから
和音の名前、ということですが

そもそも コード・ネームとは何ぞや。
それが いつの時代に、何のために使われはじめたのか。

音楽辞典を開いてみますと

Chord name(英)コード・ネーム
一種の和音記号。
主に軽音楽
ギターやアコーディオンの記譜に用いられる。

表記法
イギリス式:和音の根音を音名で書き、長三和音は大文字
短三和音は小文字。増三和音は+ 減三和音は○をつけるが
現在は
音名を全て大文字に、短三和音はmを付ける方法が主流。


…ええ~、それだけ?
せめて、いつ頃の時代にとか
もうちょっとヒントになる情報があるかと思いましたのに。

では、「和音記号の一種」とあるのですから
和音記号の歴史の方から調べれば どうでしょう。

和音記号: 和音の種類、位置、機能などを
     文字・数字などを用いてあらわすもの。

1600~1750年 通奏低音の時代では 低音の音符の上または下に数字を記す
後に G・ヴェーバーが「作曲術の理論の試み」(3巻1817~21年)の中で
和音を音階中の度数によってローマ数字であらわすこと
(Klangstufen:独)を提案した。

コード・ネームがいつできたかは、載っていませんでした。

でも、一度や五度などの『和音記号』が1817年~21年ならば
それより後ということになりますよね。

歴史的なことより、知りたいのは
むしろ、何故あのような表記方法になったかです。
では 考える方向を変えてみましょう。

確か コード・ネームは
ギターやアコーディオンの記譜に用いられる
と ありました。
これらの楽器の特色を考えれば
わかることがあるのではないでしょうか。




コード・ネームに疑問

2012年09月14日 | 音楽教室
以前、コード・ネームの仕組みについて 
ここでいろいろ書いたことがあります

それは
「こう表記されていたら、この音を弾くことになる」
という「基本ルール」を説明したものだったのですが

今年 久しぶりにそれを読み返してくださった
ものぐさ父さん”から
「なぜ 半音の数で表す方法ではないのか」
という質問をいただきまして

確かに専門的に音楽を勉強してきている人間には
長三度なら全音+全音高い音
短三度なら全音+半音高い音
と その鍵盤が浮かびますが

そういう感覚に慣れていない人にとっては
鍵盤を半音ずつ きっちり数えて
ベースの音から半音で何番目と何番目、
と書かれている方が 間違いない鍵盤を探せるわけです。

正確さを追究するなら 半音ずつ上がる数字で表記する方が確実。
いわれてみれば その通りなのですね。

しかし
日常的に【コード・ネーム】を使う時といいますと(私の場合は)
 
和音ならば
「五線に書かれた音符を読む」より
「コードネームを見た方が早い」ため
音符をコード・ネームに置き換えてメモしておく
という使い方が多いのです。

五線の表記は「ドレミファソラシ」の7音
半音上下の黒鍵の音に関しては♯や♭で表記されますから
むしろ『半音でいくつ分』と考える方が時間がかかってしまう。

音楽を専門にする人の便利ツールだから?
と思ったのですが、
しかしそれだけでは こういう仕組みになったことを
説明できないですね。

ひょっとしたら、昔は半音ずつの表記法もあったのかなあ。

考えているうちに、だんだん気になってきましたので
調べてみることにしました。

一つ、予想している答えは
このコード・ネームが
『鍵盤楽器だけのためのものではない』という事。
軽音楽、特にギターで使う事が多い記譜法ですよね。

ですから そもそもこのコード・ネームは
『鍵盤が無い楽器』向けのものではないかと。
それだと「半音でいくつ分」という考え方で無い方が
便利だった可能性があります。


間違いのない答えが見つかるとは限りませんが
それなりの答えを見つけてみたい。
というわけで
少し遅い自由研究(?)スタートです。



メトロノーム

2012年09月10日 | 音楽
引き出しの整理をしていたら
携帯用の小型デジタルメトロノームが出てきました。

最後に使ったのはいつだったやらというくらい
その存在を忘れていた電子メトロノーム
当たり前ですが 動きません。
(たぶん10年以上使っていません)

電池を交換したら動くかしら?
と 電池を購入してきて入れてみたら
最初のうちは よろよろした音でしたが
後 ピッピッピッ と音を刻みはじめ
どうやら ちゃんと働いてくれそうです。

さて
『テンポを正確に刻む器械』であるメトロノームですが
実際のところ ゼンマイ式には弱点があります。

振り子が右左振れる方向によって、微妙にスピートが変わる
テンポによって正確さに差が出る
ゼンマイが全部戻ったところで止まる

まあ最後の弱点につきましては
電子メトロも電池が切れたら止まるわけで
お互い様なのですが

この『メトロノーム』のための音楽作品がある
という事を あるコラムで読みまして
それによりますと、なんと
『100台のメトロノーム』を使うらしい。

そのコラムでは 
実際どう演奏されるのかについては全く書かれていなかったので
オーケストラの中で 効果音的に使うのかなあ
などと想像していたのですが

違いました。

100台のメトロノームを様々なテンポに設定した上
2人がかりで なるべく同時にスタートさせて
全部が止まるまでを聞く

という『作品』らしいです。



…作品?

で 検索してみて
演奏を聞いてみたら

意外に 最後まであきることなく聞き入ってしまい
結構 感心したのです。

ちゃんと音楽ですねえと思ったのですが
いかがでしょうか?

ポエム・サンフォニック