MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

ハノン

2007年07月08日 | 音楽

フランス人のピアノ教授、ハノン先生の手による
演奏技術習得のための練習曲集です。
ピアノのテクニック本として
ツェルニー同様よく使用される曲集ですね。

全60パターンからなる練習曲が
全音版だと、解説のページを除いても124ページ、
バイエルよりも分厚い本です。

ハノン教授は、これを
『全部弾いても1時間で終わるから
毎日全部弾きなさいね』
と おっしゃいます。


曲集、と言いますが
本当に機械的運動のための本でして
ある音型・音階・技術が1パターンあったとすれば
それを 鍵盤移動しながら、延々繰り返すというもの。
(これと似たタイプで、「ピアノのテクニック」
  という本もあります)

飲み込みのよい人であれば
最初のパターンを覚えたら、後は楽譜を見ていなくても
大方 弾けてしまうのですが
最初のパターンを掴むのに一苦労という人は
新しいパターンに進むたび「うんざり」という顔に。

この本を有効に使うためには
最低限、『ほぼ初見でも弾ける』程度の
読譜力がついていなければならないだろうと思います。
(譜読みの段階でつまづいていては
テクニックに気を配る余裕も無いでしょうし…)

ちなみに、教える側の人間として
ハノンで一番苦労するのは
『自分の音も聴かずに機械的に弾いてしまう』生徒さんに
『自分の出した音に無神経にならないよう集中させる事』です。

とはいえ、私もその昔、
本を読みながらハノン弾いていたクチですので
あまり大きな顔はできませんが。