MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

コンクール見学

2008年06月30日 | Weblog


昨日の大阪は 実に梅雨らしい、蒸し暑い1日となりました。
本来ならレッスンもなく お休みだったのですが
ちょっと足を伸ばして、大阪市内へ。

既に生徒さんを参加させた事がある周りの先生から、
かねがね噂は聞いていましたが
やはり、自分の目と耳で 確かめてみないとね、と
ピティナのピアノコンペティション
(大阪中央の後期予選)の見学をしてきたのです。

土・日と2日間にわたる予選の最終日
私が見学させていただいた日は
C級(小学6年まで)・E級(中学)・F級(高校)
の 3部門の予選がありました。

競争意識が激しいとか、皆ピリピリしているとか
いろいろ聞かされていましたが、
思ったより 和やかな雰囲気でした。
もともと こんなものなのか、
たまたま私が行った日だけが そうだったのか。
この日 一番参加者が多かったC級は、
バロックの課題にインヴェンションが入るため
課題曲が散らばった という事もあるのかも。

A級に参加した先生の話では
皆 同じような演奏ばかり という事でしたが
音色の選び方・歌い方・アーティキュレーション
結構 自由な解釈をしている演奏が聴けましたし
結果を見ても、一つの解釈に偏っているとは
思えませんでした。

課題曲があるというコンクールは
それぞれの長所・短所が はっきりしますし
自分だったら どういうアドバイスをしていくか
と、いろいろ考えさせられ
大変 面白かったです。
聴きに来るだけでも、勉強になりますね。

3時間、みっちり聴いて くたくたですが
楽しめました。

せんとかん

2008年06月29日 | 音楽教室

音楽を書き表す時
五線譜というものを使いますね。

その名のとおり、横に伸びた直線が5本。
音符を上に書けば 高い音
下の方に書けば 低い音を表します。

五線を導入したばかりの生徒さんが
最初にまごついてしまうポイントが
どこと どこが、隣り合った音なのか』
上っているのか、下がっているのか』
この二つ。

五線に音符を書き入れる時、
線1本に1音ずつ当てていくと、
上下の高さの変化は 読み取りやすい反面、
音符は 5個の高さしか書けなくなります。
そこで、線と線の間のスペースも有効利用して
線・間・線・間…と詰めて書いていくことに。
 O  O これなら、五線だけで
11個の高さの音符を 書き込むことができます。

ただ、スペースを無駄にしないために
ぎゅぎゅっと詰めて記入するこの方法、
慣れない人には この線・間の音符の位置の
微妙なずれ加減が 把握しにくいらしく
2度音程(隣りの音)も 同じ音と思ってしまったり
3度音程(一つとばしの音)を隣の音として読んだり
ということが 頻繁に起こりました。

というわけで、うちのクラスでは五線に入る前に必ず、
「線か間か」を瞬時に把握する練習から入ります。

カードに 一本か二本の横線を引き、
線・間 場所を変えシールを貼ったものを使って
ぱっと見て瞬時に「線」「間」と答えてもらったり
(2人くらいで 対戦方式にすると盛り上がる

五線を拡大コピーした紙の上に おはじきを投げてもらい
「線に乗ったら1コマ進む」「間に乗ったら2コマ進む」
などと点数を決めて、すごろくをしたりしています。

…ええ、完全に遊んでいます。

でも、楽しく遊んで覚えた事って
子供は忘れないのですよね。

ふざけていますよ

2008年06月28日 | 音楽

30代半ばという短い生涯の中で、
数多くの名曲を残したW.A.モーツアルト。

そのモーツアルトの半生を描いた映画「アマデウス」
何度かテレビでも放送されましたので
ごらんになった方も多いかと思われます。

あの映画の中で、モーツアルトが
サリエリの音楽を『こんな感じだよね』と
茶化している場面がありますが
それを地でいくような作品が 一つあります。

その名も『音楽の冗談(村の楽師の六重奏曲)』K.522

わざと 間違った音を使ったり
どうにも不自然な流れで 作曲し
『下手な演奏家によって、素人作曲家の作品を演奏したら
  こんな感じ~♪』
という、わざとらしさにあふれた パロディ作品です。

これ、本当に楽しいです。
真面目に演奏しているのに
失敗しているようにきこえる。
肩の力を抜いて、完全に娯楽で聴けます。

演奏する人も楽しいだろうな~
にやにやしながら 聴いてしまう作品です。
機会があれば、是非一度 お聴きください。

…どこか、生の演奏会で聴けないかなあ。

イメージが

2008年06月27日 | 音楽教室

表現の助けになればと
いろんなアイテムが登場する うちのクラス。

ブルグミュラーの「せきれい」のために
鳥類図鑑が持ち込まれたり
メヌエットの「のり」を知ってもらうために
先生が踊ったり(ついでに生徒も躍らせたり)
dolce(ドルチェ)そのものを見てもらおうと
大きな写真付き・イタリアのスイーツレシピ集
(ドルチェは、イタリア語で甘い物、デザートです)が
空腹感を感じはじめる夕方に登場したりします。

先日の、中世の貴族の靴の写真も 
アイテムの一つとして見せながら
「素敵でしょう?
 この時代の貴族は、男性も女性も
 かかとの高い靴を履いていたのよ~
 どうしてだと思う?」
と問いかけてみたところ
オシャレ靴大好きな中学生の生徒さん
「えっと…この時代、トイレがなくて
 皆 庭で隠れて用を足したりしていたからー…」
そっちへ持っていきますか。

素敵な靴を 便所ゲタにしないでください。
正解は、「足がすらりと長く見えるから」。

で、薄い絹の靴を履いて つま先立ち状態で歩くのです。
踊る時も、上品に すっと小さく つま先から進む。
細かく連なる16分音符のパッセージは
きめ細かく縫いこまれた 金糸の刺繍や
繊細なレースのように。
繊細な絹の靴を 踏み破らないように。

実物の写真の威力は絶大です。
昔の靴職人さんありがとう。弾き方、本当に変わりました。
(後は これが この先ずっと続けばよいのですが)

ちなみに この後
貴族の衣服について話したところ
「当時の貴族は、長ズボンじゃなくて
 キュロット(膝丈くらいの短いパンツ)
 を履いていたのよ~」
『え~
「で、足がむき出しにならないよう
 長い白の絹靴下とか
 hoseホーズ(一見タイツ)を履いて」
『えーやだ~気持ちワルイ~
と 男性貴族の衣装、大変不評でした。
バチカンの衛兵さんが着ている衣装、
ああいう感じですよね?(色はともかく)形としては。
なかなかオシャレだと思うのですが。

『見た目タイツ』が駄目だったのかなあ…

れんしゅうきょく。

2008年06月26日 | 音楽教室

音楽は、表現することです。
「こう弾きたい」というイメージが あるかないかでは
雲泥の差が出ます。

というわけで
うちのクラスの生徒さん達には
何かしらイメージを持ってもらうべく
言葉かけをしております。
  
『オルガンピアノの本』の中には
タイトルのある曲もありますが
「れんしゅうきょく」とだけ書かれた短い曲が、
2曲に1曲くらいの割合で出てきます。

タイトルが無くても、それなり構成を考えて
きれいに弾こうとする子は良いのですが
「あ、練習用の曲ね。」と
いかにも 気持ちの入らない弾き方をするEくん。
生き物大好きで、よく動物図鑑を持ち歩き
鳥も魚も いっぱい名前を知っている男の子です。
将来クジラやイルカを飼うのが夢らしい。

そこで、なめらかな動きのフレーズを指して
「これ、鳥が飛んでいるみたいだよね、
 Eくん、どんな鳥だと思う?」
と聞いてみました。
動物博士のEくん、しばし真剣に考えて
『…つばめ。

なるほど、そういえば つばめが「つーい」と
すべるように飛行している感じがあります。
「つばめ!ぴったりだね。
 初めのここは 草原の上を飛んでいる感じかな?」
『うん。』
「じゃあ、左手の音が変わるここは 
 違う場所を飛んでいるよね。ここはどんな場所?」
『うーん、河の上を飛んでいるところかな。』
(伴奏が、一度から属七へ変化している部分。
 緊張感を感じたようです。)

「そういえば、ここも違う場所だよね。(四度の和音)
 ふわ~っと浮き上がる感じがする。」
『高い木を 大きく飛び越えているところ』
だんだん、イメージがわいてきたようで
弾き方が変わってきます。
ツバメが滑空するように、
メロディーは よりなめらかにのびのびと。
左手の伴奏も、響きの変化を意識し始めました。
今日のレッスンはここまで。

翌週のレッスンで、
 Eくん命名の『ツバメ』は生き生きと飛びました。

コードネーム

2008年06月25日 | 音楽


同じ鍵盤楽器であっても
エレクトーンをしている人は 当たり前に使い
ピアノでは あまりなじみの無い人が多いコードネーム。
どうしても覚えなくてはならない
というものでは無いのですが
やはり、知っている方が便利です。
   
学習者グレード7級に向けて
ずいぶん長い間勉強を続けているにも関わらず
長調・短調 計14の調のカデンツが覚えられず、
(7級では♯・♭3つまでの調が 試験に出る)
即興演奏が 足踏み状態だった生徒さん。
塾やらクラブやらで、忙しいらしく
あまりにも覚えるのが大変そうだったので
一度、コードネームを教えてみました。
それで わかったのですが

ハ長調の一度の和音
ヘ長調の五度の和音
ト長調の四度の和音
これらは全て ド・ミ・ソ の3音から構成される和音で
コードネームなら『C』と表されます。
和音の進行上、ミソドと弾いたり ソドミと弾いたりするため
この生徒さんは これら全てを、
違う種類の和音だと思っていたようです。

…そりゃ、覚えきれないでしょう…
転回形を 全部別ものと思っていたのでは
覚える量が3倍になってしまいます。

そこで、この生徒さんには
先にコードネームを覚えてもらい、
それから和音記号の意味を説明しました。
すると
コードネームの考え方を覚えるのに少し手間取ったものの
2年以上もの間、覚えられなかった 14の調の和音進行を
2ヶ月ちょっとで 覚えてしまいました。

和音記号だけで覚えていくより
コードネームとセットで覚えていく方が
はるかに整理しやすく 覚えやすいのですね。
しかも、カデンツを完全に覚えられなくても
法則として覚えてしまえば、考えたら音がわかる。

繰り返し練習して、覚えていく時間のない生徒さんには
特に おすすめです。

おしゃれは足元から。

2008年06月24日 | Weblog

今更ですが、私は大の本好きです。
仕事のため、資料探しと称しつつ
暇があれば図書館へ通い
面白そうな本と見れば ジャンルに関係なく借りて
片端から読みたおしていきます。

その日も、図書館へ出かけていって、
目的の本の貸し出し手続きを済ませ
さあ、帰ろうという時になって
ふと 目に留まった一冊の本。
『靴・靴下からはじめるオシャレ』

表紙の靴下を履いた猫のイラストにひかれて
なんとなく手に取って開いてみると
靴の部位の名前・靴の種類・素材
靴下とのあわせ方…などなどが 
写真やイラスト入りで 説明されています。
パラパラ~と見て、棚に返そうとした時
あるページで手が止まりました。

ヨーロッパの、中世の貴族の靴の写真です。

素材はつややかなシルク。
そこにびっしりと、ヒールの部分まで
金糸でレースのような刺繍が施され
バックルも ガラスビーズを散りばめた
それだけでアクセサリーになる細工。

綺麗…

昔の貴族は、こんな靴を履いて
舞踏会で メヌエットやらガヴォットやらを
踊っていたのねー、としみじみ見入ってしまいました。
これじゃあ、スニーカーのように
どたばたジャンプなんて、できない。
歩き方も 変わるだろうなあ…


貸し出しカウンターに戻って、借りてまいりました。
バロックを弾いている生徒さんに見せてあげたい。

ピョンピョン・スタッカートが
きっと上品に変わる、と思うのです。

エレクトーン・コンクール

2008年06月23日 | Weblog


『ジュニア・エレクトーン・フェスティバル』という
ヤマハのイベントの 出場者を選ぶための
予選を 聴きに行ってきました。

その昔、私も参加したことがありますが
うーん、今の子は 上手
レベルも かなり高くなっています。

エレクトーンの機能も かなり進んで
音も 本物のオーケストラに近いし、
電子音だから耳が疲れるかと思いきや
意外と バランスが良くて、楽に聴けました。

演奏技術や 表現力は、本人の力だけれど
レジスト(音色やリズムなどの組み合わせ)は
指導している先生のセンスが はっきり出ますから
生徒さんの実力は同じくらいでも
編曲やレジストのカバーで、差が出たりして
こういうところは ピアノと違うなあと 思います。

しかし、ピアノにしても エレクトーンにしても
楽しそうに演奏する子は いいものです。
舞台に上った時から 演奏が終わって礼をするまで
にっこにこ、全開の笑顔で 
本当に 演奏することが楽しくてしようがない、
という感じの生徒さんがいて
見ていて幸せになりました。


ブログの動機

2008年06月22日 | Weblog

ブログを始めてから、1年以上になりますが
もともと これを始めようと思ったのは
ピアノのレッスンを通して
ある程度、自分なりのスタイルができていく一方で
私のレッスンって、客観的に見てどうなのだろうか
と 思う事がたびたびあったからです。

個人レッスンだと、同じ職業同士であっても
互いの仕事は見ることができないし
生徒さんや、保護者の方からの意見を
そんなに頻繁に聞くこともできません。

人の数だけいろいろなレッスンがあるわけですから
他の人と全く同じ状況は無いでしょうけれど
レッスンをする側、レッスンを受ける側 と
いろんな方向から意見がいただけたらいいな~
と思って始めたのが、このブログです。
(本当は 情報整理や 見やすさなどを考えて
 ホームページを作りたかったのですが
 そこまでの技術は 無かった…。)

ちなみに
私がブログを書いていることは
周囲に 教えていないのですが

先日 同僚から
「私、ブログ始めてみたいのよね
と 打ち明けられました。

ぎくり。としましたが そ知らぬ顔で
『うん、いいんじゃない?
 で、何について 書きたいの?』
と 尋ねたところ

「それがねえ、書きたい事が無くて困っているんだー
…はい?
じゃ、何故始めようと?

どうも 彼女の場合、
周囲でブログを書いている知人がいて
ブログつながりの オフ会が楽しそうで、
自分も やってみたくなったようです。
うーん
そういう動機もありですね。

彼女が いったい何を書くのか
ちょっと楽しみです。

梅雨本腰

2008年06月21日 | 音楽教室


大阪に 梅雨入り宣言が出てから 
一向に梅雨らしくなかったので
今年の梅雨入りは早かったけれど カラ梅雨ねー
と思っておりましたら

現在 これでもか と 降っております。
蒸し暑い。湿気がすごい。

たちまちピアノが不調です。
そろそろ調律の時期ではあるけれど
一気に 狂いが目立ちはじめました。
うう…音がぼわんぼわんして、気持ち悪い。(T T)

前回の調律から まだ1年経っていないし
梅雨明けまで待って、気候が安定してから頼んだ方が、
その後1年 音が安定するかなあ…
と 思うと、我慢した方がよさそうな気もします。

とりあえず、除湿機フル稼働。