MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

丸い音はずむ音

2009年06月30日 | 音楽教室

梅雨入りしてから いくらも降らないうちに
沖縄の方は梅雨明けするとかしないとか。
大阪も梅雨明けが近いのかと思いきや
昨日は昨年のゲリラ豪雨を思わせる勢いで
どっと降ってくれました。

        
さて
発表会用に、邦人の作品を選んだTちゃん。

これがスタッカートの多い曲でして
それも
軽やかで歯切れのよいスタッカート』が求められます。

しかし、Tちゃんのスタッカートは
鍵盤の底まで入っていなくて、
離鍵が遅れ気味なものですから
響かなくて、重い・・・・

問題は、Tちゃん自身が自分の出している音を
十分理想的なスタッカートだと思い込んでしまっていること
あまり自分の音を聴けていないのです。

そこで。

私「そういえば、今日は梅雨らしい天気になったよね。
  T ちゃんが来る時、雨はどうだった?」

T 『すごく降ってたー』

私「でしょう。おかげで今日はピアノの調子が悪くてねー
  ハンマーが湿ってしまって、音がボヨンボヨンなの。
  (Tちゃんのスタッカートを真似て)ね?」

Tちゃん、(そうか、ピアノのせいで
音がきれいに響かないのか)と思った模様。

私「でも、弾き方を工夫すれば
  ちゃんといい音も出せるのよー(弾いてみせる)」

ピアノのコンディションの悪さは、技術でカバーしてね
とお願いしてみました。
1音1音がころんと丸い、ポンと弾む音を出して。

そこで初めて、
リアルな自分の音が聴けるようになったTちゃん。
「いい音」を出すべく、がんばってくれました。

後は出るだけ

2009年06月29日 | 音楽教室

発表会に出たことがない、習い始めて1年組の生徒さん達。

そろそろ曲を決めて、練習を始める時期ですが
初めてのイベントに、しり込みしてしまう人は多いです。

ただ普通に
秋に発表会があるのですけれど、参加してみませんか?
と声をかけただけでは

うちの子、こんな感じで発表会に出られますか?
いえ、今年はまだいいです~
と 逃げ腰になる、保護者のお母さま。

生徒さん本人に
どうする?出てみる?発表会。』
と尋ねるお母さまもいらっしゃいますが
小学校に上ったばかりの生徒さんは、大抵
ええ~?いやや~

まあ、強制ではないので、無理に出なくてもいいのですが
いつか出るなら、早い時期に参加してしまった方が
舞台で弾く事を恐れなくなるという点で良いのですよね。

        
というわけで現在
○○ちゃん、こんな曲があるのだけど弾いてみない~?
楽しい曲でしょう?たまには こんなのもいいよね
と、候補の曲でレッスンを始めてしまっています。

申し込み締め切りがくるまでに
ある程度弾けるようにしておいて
参加に抵抗がなくなるようにしてしまう作戦です。


音楽教室の仕組み

2009年06月28日 | 音楽教室

私が担当している生徒さんから
新しい生徒さんのご紹介がありました。
ここ最近で2人目、うれしいことです

もっとも
私のクラスは枠がいっぱいなので、
新しい生徒さんは、他の先生のクラスへ行くのですが

この辺が、自宅教室で教えている先生との違いですね。
            
自宅の個人レッスンなら
そこへ紹介された人は100%、その先生に付ける。

しかし 企業系音楽教室では
特にその先生に、と希望しない限り
どの先生に付くことになるのか分かりません。

今回の様に、レッスンを受けている生徒さんの様子を見て
教室入会を決めたものの
その紹介してくれた生徒さんの先生には1度も会わないまま
 他の先生のレッスンを受けることになったり

見学(というか、お試しレッスン)をして入会したとしても、
 その見学の時担当してくださった先生との都合が合わないと
 違う先生に付くという事は ごくごく普通にあります。

そんなシステムだと、クレームが来ないのだろうか?

自宅個人教室でのレッスンを受けてきた私は思うのですが
企業系の教室に来られる生徒さんは
ある程度、そういうものと理解してくださっているようです。

もっとも企業系ならではの対応策で
使用するメインテキストをある程度統一し
 それらについて、講師全員が同じ研修を受けています。
(活用の仕方、アレンジは個人差がありますが)

自分のレッスンの評価が、自分だけではなく
教室全体の評価につながっていくので
講師各自が責任を感じ、自然 勉強熱心になっていく
というのが、メリットといえるかもしれません。

明けましてだいぶ経ちますが

2009年06月27日 | 音楽教室
今年は空梅雨らしく
連日じりじり照りつけるお日様
まだ6月も終わっていないというのに
暑いったらありません。

エアコンの効いた涼しい教室に飛び込んで
やれやれ、と ほっとしていると
教室スタッフのBさんが暗い顔をしています。
一体 何事?

あのう、先生、実は・・・

誰かレッスン止める人が出た?
クレーム?
レッスン時間変更希望?それはもう無理だー
(↑既にいっぱい いっぱい)

こんな物が出てきました・・・

と手渡されたのは
牛のイラストばかりのハガキ。

・・・・・え?年賀状?

今年の?
何で今頃??

すみません、教室のポストの下に挟まっていました

半年過ぎて、今日発見された、と。
道理で、今年は妙に少ないと思っていましたわ

とりあえず
年賀状をくれた生徒さん達に
年賀状ありがとう!今日届いたー
と伝えてみました。

齢7歳にして

2009年06月26日 | 音楽教室

レッスンを始めて1年ちょっとのTちゃん。
ハキハキしていて、明るくしっかりした印象の子です

綺麗な色のもの、キラキラ光るものが大好き。
ピアノの音も、こうしたらきれいかな、と
考えた音を出してくれます。

しかし、気になるというか不思議なことが。

お休みが結構多い生徒さんなのです。
身体が弱いのかなあ。
風邪をひいたのでお休みします。」
という連絡をよくもらいますし・・・
        
習い始めてまだ1年、習うのは新しい事ばかり。
こんなにお休みが多かったら
前に習ったことを忘れてしまいそうですし
演奏も崩れてしまいそうなものですが
久しぶりに来たレッスンでは
実にきっちり仕上げてきてくれている

お母さまのサポートもあるかと思うのですが
お母さま、レッスン室には入らないしなあ…
しかも本人、練習を聴かれるのを嫌がるそうなのです。
じゃあ、お母さまがサポートしているわけでもないの?

何故???

        
たまたま、お休みされた翌週のレッスンで
先週は、Tちゃん風邪でも?」
と お母さまに伺ってみたところ
『いえ、その・・・・
 出がけの最後の練習で「弾けてない!」と
 本人、行くのを嫌がりまして。』

うわあ・・・
なんという完璧主義

しかし、レッスンには来てほしいので
あのね、Tちゃん。もし弾けていなくても
 練習がんばっていることは、わかっているから
 まだ途中だと思ってもレッスンに来てくれるかなあ?
 Tちゃんが来ないと寂しいし
 それに、あまり弾けてばかりだと
 先生のお仕事が無くなっちゃうからね?
と、説得。

Tちゃん「うん。」とお返事してくれました。

これで、お休みが減ると良いのですが。


蛙の子は

2009年06月25日 | 音楽教室

邦人作品の曲集の中で、私が好きな
平吉毅州さんの「虹のリズム」と「南の風」。
人気と知名度は、「虹の…」の方が高いようです。

        
さて、その「南の風」の方に
蛙の親子がポカポカ散歩
という曲があります。

とぼけた顔の大きい蛙と小さい蛙のイラスト
曲も、どこかユーモラスでのんびり
生徒さんにも人気の曲で
あ、ここは蛙がハエを食べた
などと、中継を入れてくれる子もいました。


先日のレッスンでの事。

生徒さんのお母さまが、教室に入るなり
先生、大変なことを発見しました

はい、何でしょう?

蛙の子って、おたまじゃくしです!!


・・・・・
ええ、気付いていました。
誰が最初に突っ込んでくれるかなーと
内心待ち構えていたのですよ。


大丈夫、ぬかりはありません。

それはですね
 卵を産んでから冬眠して冬越しした蛙と
 春、おたまじゃくしから蛙になったばかりの
 蛙の親子なのです。

『・・・・・なるほど

納得していただきました。



でも、平吉さんに突っ込んでみたかった。

邦人作品

2009年06月24日 | Weblog

発表会やらコンクールの課題曲などで
邦人作品が弾かれる機会は多いです
        
ところで
邦人、つまり日本人の作曲家による作品は、
演奏が録音されてCDとなっているとは限らず
ベートーヴェンとかショパンの作品のように
「参考までにCDを聴いてみようかな」
と思った時 違うピアニストの演奏が何種類も聴ける
という事はありません。

はて、このスタッカートは軽く弾く?それとも柔らかく?
この部分にはスラーもスタッカートも無いけれど、
ここはやはりスタッカート?

たまにセミナーなどで作曲家ご自身が「こういうイメージで作った」
と、解説してくださることもありますが
作曲者ご本人が他界されている場合も結構あります

となると、残る道は
自分で研究して『こうかな?』と演奏する
人の演奏を聴いて参考にするか
数少ないCDを聴いて、参考にする
という事になるのです。

        
同僚のB先生も、それで かなり迷ったらしい。
B「CDがね、2種類あったのです。」
私「あら、良かったですねー。」
 ( ↑ 1種類しかない事が多いから)
B「一つがピアニストの演奏、もう一つが
  作曲者自身による演奏でして・・・
私「・・・・・で、どちらに。」

曲のイメージそのものに関しては
作曲家ご本人の演奏が一番な気もしますが
演奏の表現技術に関しては
プロのピアニストの方が絶対いいような気がする

…ということで
B先生はピアニストの演奏を選ばれたそうです。

両方買って、聴き比べしてみたい気もする…。

リズム打ちキャンペーン

2009年06月23日 | Weblog

と、言いましても リズム打ち自体は、
曲の一部のリズムを叩いてみたり、リズムカードを活用したりで
コンスタントにやっています。

じゃあ、何が違うかといいますと

メトロノーム代わりにエレクトーンのリズムを活用する
という点。

            

リズム打ちが楽しくて好きな生徒さんは多いです。

ただ
もともと のりの良い生徒さんもいますけれど
なかなか のれない生徒さんもいるわけでして

リズムを目で追って
それを頭で追いかけて
更にそれを手が追いかける。
という、最終的にタイムラグがあるリズム打ち
が発生します。

こういう生徒さんって、先の「流れ」を読まないので
次の拍が来る「今だ!」という構えが無いのですね。

そこで、エレクトーンです。
エレクトーンには、様々なリズムが入っています。
マーチポルカスウィング・8ビート・16ビート
ラテン系なら サンバルンバボサノヴァも。

ピアノ系の生徒さんって、リズムをあまり知らないです。
と、いうより
ピアノ音楽以外の音楽を、あまり知らない。

というわけで
今月はラテンだ
と決めて、通常のリズム打ちを
サンバで、マンボで、ボサノヴァでやるわけです。

これ、リズムがぴたっと決まると、最高に気持ちいいので
日頃のりのよろしくない生徒さんも、のってきます。

今週はサンバ。

ピッチン

2009年06月22日 | お仕事グッズ

私の手作り教材のカード類は
画用紙の他、便箋に入っている台紙などを再利用して
作ることが多いです

しかし紙は、扱いやすい反面、傷みも激しい。
トランプみたいにめくったり、ひっくり返したり
と、結構手荒く扱われますので
すぐに擦れて よれよれになったり、破けたりします。

最初は幅広の透明な梱包用テープで
ラミネート加工もどきに補強していましたが
大物になると、それは難しい。

それで、購入したのが
大きな接着剤付透明コートフィルム

もとは、図書館の本の表紙が
とてもきれいに透明シートでカバーされているので
司書の方に「これ、どうやっているのですか」と聞き
こういう品がある事を知ったのです。
教えてもらったのは、「ポップピッチン」という商品。
今は「ピッチン」という名前で販売されている
万能透明コートフィルムです。

            
これ、本当に便利でした
綺麗に貼るには、ちょっと慣れが必要ですが
これを使うと、
弱い紙質の輸入楽譜だって、しっかり補強
傷み知らずで、汚れにくくなります。

ああ、学生時代にこれを知っていたら
パデレフスキー版のエチュード集
あんな継ぎはぎの姿にならずに済んだのになあ・・・

右手の計算

2009年06月21日 | バイオリン

先週に続きまして
今週もバイオリンのレッスンです。

        
1週間前、先生に
第3ポジションの練習をしてきてください。』
と言われましたが
今週は結構忙しかったため
練習時間がなかなか取れずにおりまして

レッスン前日と当日ようやく弾く時間をみつけ
耳と勘とで何とか
第3ポジションがつかめるようになりました。


今週の先生
あ、それじゃあ次回は第4ポジション・・・
そんなに さくさく行かないでください。
無理です。
『 ―まあ、それじゃあ 今回はおさらいでいいです。』

助かった・・・
第3ポジションも付け焼刃なのに
ここで更に新しいポジションの練習が入ったら
どうなることやら。

さて、レッスンの進行状況ですが
ひと弓(アップだけ、またはダウンだけ)で弾く
音列が長くなってきたので
そろそろ、弓を使う長さを考えたボーイング
つまり、「弓のやり繰り」が必要です。

習い始めの頃は、機械的に弓を上下させていれば
割合なんて考えずとも、うまく弾けるように
調整された曲ばかりだったのですが

現在弾いている曲は
8音ダウン(下げ弓)で弾いてから、1音だけをアップ(上げ弓)、
そしてまた8音ダウンで、次の1音をアップ
なんて動きが出てきます。
これを何も考えずに演奏していたら
三歩進んで二歩下がる』状態で、
初めの位置に戻れなくなってしまうのですね。

だから
ダウンをゆっくり小さく動かして
アップで一気に元のポイントまで戻す。


結局のところ、
一番難しいのは右手(弓遣い)だなと実感中です。