MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

隣が気になる。

2008年09月30日 | 音楽教室
            

ここ数日で、急激に冷え込んでまいりました。
先週は、ノースリーブに裸足で 過ごしていたというのに
今週は長袖で重ね着、靴下必須です。寒い。(←冷え性)
       
それはさておき
企業系である、私の仕事先の音楽教室では、
グループ・個人 それぞれの教室が 2~4部屋あります。

あたりまえの事ですが、
この音楽教室という場所は、音が発生するところです。
一ヶ所から流れる音は、美しい演奏であっても
各部屋で同時に 別々の曲を 演奏しているわけですから
どうやっても 騒音です。

そのため、周囲に ご迷惑をかけぬよう
教室全体に 防音が施されているわけですが
この防音工事、基本的に 外側に対しては
クレームの来ないよう、しっかりしている一方
内側に対しては、やや ゆるい感じです。

もちろん、扉をぴったり閉めたら
ロビーの方へは 全く音が漏れない会場もありますが
古くて小規模な教室ですと、防音は 結構甘く
隣のレッスン室の演奏が、こちらにも 聞こえたりします。

もっとも、『聞こえる』と言っても
耳をすませれば、何を弾いているか判別できる
といった程度ですので
レッスンに集中していれば、気になりませんが、
わざわざ 聴いている生徒さんもいるようです。

隣のクラスの生徒さんが
いつもは よろよろ頼りない演奏だったのに
その日に限って、しっかり完奏。
隣室の 先生&生徒さんで 
「やったすごい」と拍手を送っていた。
とか
レッスン中 ふと聞こえてきた隣の曲が
クラシックではなく、ポピュラーで
「先生、私 ああいう曲を弾いてみたい」と
生徒さんから 要望発生。
なんて話も聞きます。

秋深き 隣は何を する人ぞ 

教室では 秋に限らず年中です。

久々に映画♪

2008年09月29日 | Weblog
             

お休みを利用して、久しぶりに映画館へ行ってきました。
滝田洋二郎監督・本木雅弘主演の「おくりびと」。
音楽は、久石譲さんです。

周囲の人から、「いいよ~泣けるよ~」と
おすすめされたことと
主人公が、チェロ奏者という設定に惹かれ
ハンカチ2枚持参で、いざ出発。
          
本当に、泣けました。
内容は くわしく書けませんが
人生最期の瞬間に関わる仕事 というものについて
それをする人の 気持ちや、その仕事の意味
見送る側の人々の 気持ちなど
いろいろ考えさせられる映画です。

1人で見に行って、いっぱい泣いて
余韻に浸りながら 静かに過ごしたくなる作品でした。

余談ですが
本木さんの役柄である チェロ奏者、
大変上手に 演じていらっしゃいました。

テレビや映画などで、役者さんが 
何かの楽器を 演奏するシーンがあると、
その楽器の 演奏の仕方を知っている人間は
どうしても そこが気になったりするのですが

本木さんは 適当に動かしているのではなく
ちゃんと 音楽に合わせて、弦を押さえ
弓の方も、弾いているように 動かしていました。
さすがに少し ぎこちない動きなのですが、
運指やボーイングのタイミングは、よく合っています。

ひょっとしたら、この演技のために
少しレッスンを受けられたのかもしれないですね。


楽器の値段

2008年09月28日 | Weblog
            

自宅から近いため、
よく楽譜購入に利用している ヤマハ系列の楽器店。
楽譜を買うと、必ず毎回 品物を入れた袋に 
チケット制レッスンのご案内や
生徒募集広告などが 一緒に 入ってきます。

今回入っていた広告は、楽器のセールの お知らせ。
それも、ピアノやエレクトーンに限らず
フルートやトランペット等も載っています。
        
そういえば、学生時代 副科で選択する器楽に
フルートやバイオリンが ありました。
(人気が高くて、当時は取れませんでしたけど)

副科で 弦楽器・管楽器を選択できた友人、
バイオリンはレンタルしていましたが
フルートは、お手頃価格のものを購入していたなあ。
確か、8万円くらいと 聞いたような。
        
ピアノやエレクトーンの価格は 知っていますが
他の楽器については あまり知らないので
興味津々で、広告に見入りました。どれどれ?

(↓ヤマハ製の楽器に限ると)
フルートが 8万円強~20万円弱。
バイオリンが(いろいろセットで)15万円~25万円くらい。
クラリネットは 14万円~30万円弱、
トランペットが 6万円強~20万円強
サクソフォンが 13万円~34万円弱といったところ。

同じ楽器であっても 価格はいろいろですね。
初心者向けに作った「お手頃価格」の楽器は
上級者向けに こだわって作ったものの 
半値くらいに設定されているらしい…。
造りのこだわりや、素材の違いなどが 価格の違いか。

そういえば、自分のバイオリンを購入する時も
この先 買い換えないで、ずっと使う事を考え
1番安いものではなく 中の上クラスの楽器を 選んだのでした。
それでも『アコースティック楽器』として比較して見れば
ピアノより 随分安いなあ…などと思ってしまった私。
(アップライトピアノは 40万~100万円くらいです)

楽器の価格が 高いと感じるか 安いと感じるかは
結局、使う人次第ですね・・・。

BGM対策

2008年09月27日 | Weblog
            
ここしばらく、胃が よれよれです。

お腹があまり空かない(というか食べたくない)。
食べると 背中(胃の後ろの辺り)が 痛くなる。
背中の痛みが 上に上ってきて、肩凝りになる。

もともと血行が悪く、しかも 血の気の少ない性質なので
食事をすると、消化のため胃の方へ 血液が集中し
脳への血流が減って、眠くなってしまうか
あるいは その逆で
仕事に熱中すると、血が脳の方へ いってしまい
胃の消化能力が落ちてしまうのです。

今回は どうも 後者らしい…
        
マッサージなどで、血行を良くしてやると
症状は かなり改善するのですが、
自分の背中は マッサージできないしなあ・・・
と いうわけで
先月行った、カイロプラクティックを再訪しました。
(治療の一環として、マッサージもしてくれる)

しかし ここでは、前回の施術の際(8月21日の日記
「一貫性のない名曲オンパレードCD」をBGMに流され
先生の腕は とても良いのに
全然リラックスできなかった、という経験をしています。
さて、どうするか。

診察を受け、施術を始める前に
私 「あの 先生、一つお願いが…」
先生「何でしょう?」
私 「―――・・・。よろしいでしょうか?」
先生「あ、いいですよ♪」

先生、快諾してくださいました。

自分の好きなCD(シフのアルバム)持参して、
施術中、ずっと流していただいたのです。
ああ、至福

次は、チェンバロの平均律、持っていこう

ゲーム感覚で

2008年09月26日 | 音楽教室
            

導入期のレッスンで弾く曲は、大抵 ハ長調。
さあ、これから弾こう!となると
「ドレミファソ」の鍵盤に 指を1本ずつ乗せて
用意することとなります。

しかし、鍵盤の場所が 把握しきれていない生徒さんは
手を 置く場所を、さっと 素早く探せない。
「はい、じゃあ弾く用意をして。」と 声をかけると
弾く鍵盤を探して、手は宙を ウロウロ。

また、場所は わかっているけれど
鍵盤の幅が まだ 感覚的につかめなくて
1音1音 確認しながら 鍵盤に 指を乗せていかないと
用意できない、という生徒さんもいます。
いざ 弾こうという時になると
5の指を…ドに置いて、次に4の指を…
うん、待つ事も 先生の仕事ですから 待ちますけど。

この時、横に 気の短いお母様がいらっしゃると
「早くしなさいここでしょ」と
お子さんの手を取って 誘導しようとされるので
それは 必死にストップをかけます。
それをやっちゃったら、自分で探さなくなってしまいます。

しかし、まあ 待っている時間が惜しいと思われる
お母様の気持ちも わからないではない。
本人も、さっと用意できるようになれば
スムーズに演奏へ取り掛かれるのですしね。

と、いうわけで 時々するのが
「瞬間・音探し」と「ポジション・セット」

「音探し」の方は、その名の通り
ドならド、ソならソの鍵盤を、瞬時に見つけて
それだけ ポンポンポン・・・と弾いていくゲームです。
ピアノの両端に、生徒さんと私とが分かれ
より相手の側へ 早く進めた方が勝ち。
『ドから レ・ミ・ファ・ソ…』と
悠長に探しているようでは 絶対負けます。
勝負となると 燃える生徒さん達。断然速くなります。

「ポジション・セット」は
ハ長調なら ドレミファソ、ト長調なら ソラシドレ に
両手の5本の指を パッと置くゲーム。
両手は ひざに置いた状態で、待ち構え
「ハ長調!1,2の3、ハイ!」の掛け声で
そのポジションに サッと指を置きます。
片手がずれてしまう、指が開きすぎ(又は閉じすぎ)、と
正しく置けなかったらアウト。

瞬時に置く、ということがポイントでして
手を置く前に、指一本分だけではなく
『5指全部』の 鍵盤の場所をちゃんと把握する事
鍵盤に きれいに指が乗る、手の広げ具合を覚える事が
速く、きれいに置くコツだと気付いて
だんだん、サッと置けるようになっていきます。

気付いて。

2008年09月25日 | 音楽教室
            

レッスンしていて、生徒さんの演奏に何か問題があった時。
大きい生徒さんだと、指摘すれば
自分で もう一度弾いた時に気付いて
直そうとしてくれますが

小さい生徒さんは、ほとんどの場合、
弾くだけで 精一杯でして、気付く余裕はありません。
『気が付いたら、問題の場所を通り過ぎていた』
という感じになります。
後から 言われても、「え?ちゃんと弾いたよ?」。

と、いうわけで
レッスンでは、できない事が ある時
どこで、何が できないのか
これに 気付いてもらうことから 始まります。
       
演奏では ありませんが、レッスンに来たばかりの
小さい生徒さんが よくやる行動が
『ピアノの椅子に 後ろからよじ登る』。
(↑背もたれの無いタイプの椅子なので)

これ、私が 実際に 真似してみせます。
身長160センチを超える、いい大人が
よっこらしょ!と椅子の後ろから よじ登る姿は
かなりのインパクトを与えるようでして
(変だ…)と 納得してもらえます。

手の形や、指の形についても
最初のレッスンで いい形を教えた後は
崩れても、「直して」とは言わず
よいフォームと悪いフォーム(その時の生徒さんの状態)
を 真似してみせて、「どちらが いい形?」と訊きます。
その後、「○○ちゃんの手は、どっちの形で弾いているかな?」
と 声をかけると
その一点に集中してくれるのですね。

結局、生徒さんが小さい間の 先生の役割は
生徒さんが、自分を 客観的に見るためのサポート
ということになります。

客観的に見てもらうためのコツは
まず、『自分のことだとは 思わない』で、
そのポイントについて、考えてもらう事。

他人のふり見て…です。

サイン

2008年09月24日 | 音楽教室
        
レッスンで、心がけていること。
その生徒さんの良いところを、絶対見逃さず、褒める。

実際、注意するポイントなんて簡単に見つかります。
ダメ出しだけを していればいいのなら、
こんな楽な仕事はありませんが
生徒さんのやる気を 片端から 打ち落としていては
上達するものも、上達しません。

        
もちろん、本人が気付いていない注意点は
きちんと伝える必要がありますが、
「間違えた」「つっかえた」「止まった」
こんなことは、本人も わかっているのです。
そして 人間、
『わかっていることを わざわざ他人に指摘される』事ほど
 腹の立つ事は無いのですよ・・・

何となく、ただ ぼーっと聞いている人にだって、
明らかに変な音が鳴った・止まった くらいはわかります。
逆に、音色の変化や 強弱表現 リズム感などは
真剣に聴いてこそ、わかるものです。

つまり、「ほめる」という事は
『私は、あなたの音楽を 真剣に聴いていますよ
という サインなのですね。
そして、真剣に聴いてくれる人からの言葉は
皆、真摯に 受け止めます。
       
ちなみに「ほめ方」について、
たまに保護者の方に お伝えするのですが
自宅の練習で、ただ
「上手になったね」だけ繰り返すのは 逆効果です。
しっかり聴いていなくても いえる言葉ですから。

「ここを弾いている時の音色は、柔らかくて美しいね。」
「この部分に来ると、曲が生き生きしてくるから
 ここが好きなのが よくわかるよ。」
「この1音は、いつも深く よく響いているね。」

それが、ほんの一瞬であっても 
聴きとって 伝えてあげてほしい。
そう お願いしています。

グループから個人へ

2008年09月23日 | 音楽教室
            

個人レッスンにやってくる生徒さん。
生まれて初めて、ピアノを習いに来た人もいれば
他の個人レッスンから 移ってこられた方もいます。

そして
企業系音楽教室らしいところが
『グループレッスンからの移動』。
事情は いろいろです。
グループレッスンでは物足りず、きめ細かい指導を求めて。
グループのメンバーが減って解散したから 仕方なく。
ペースが きついので、マイペースのレッスンを求めて。

もともとのグループのメンバーが少なかったところへ
転居や、他の習い事の関係で 誰かが抜けてしまい
グループ解散で、仕方なく、というパターンは多いです。
少子化の影響も あるでしょうね。
本当は、グループでやりたかったのだろうなあ…
と思うと、申し訳ない気持ちになったりします。
あちらには、個人とはまた別の楽しさがありますから。
       
何らかの縁あって、レッスンすることになった
グループからの 生徒さん達。

せめて
 個人レッスンなりの 楽しみを伝えていきたいです。


エレクトーン用補助ペダル

2008年09月22日 | Weblog
            
エレクトーンを習う生徒さんが、初めて足鍵盤を使う時。

早い子は 小学1年生から 使っていますが
エレクトーンは 足鍵盤などの操作のために
椅子がもともと 高めに固定されていますから
小学校低学年くらいだと、足鍵盤を 弾きたくても
椅子に座ったままだと 届きません。

そんな お子さんが、足鍵盤も使う となると
両手は鍵盤に、左足は 足鍵盤に。
椅子にやや寄りかかりつつ、
残る右足一本で バランスをとって立つということに。
何かの修行ですかというくらい、かなり不安定な 状態です。
       
そんな生徒さんでも、座ったまま足鍵盤が弾けるように
足鍵盤 1本1本 底上げ状態となっている
『エレクトーン用補助ペダル』というものが あるのです。

これが、あるおかげで
昔は 半分立った状態で ベースを弾かせていたような
小柄な生徒さんでも、ベースの演奏が可能となりました。

レッスンする上では とても便利ですが
ちょっと面倒なのが
エレクトーンによって(新機種と旧機種で)
セットする高さが 微妙に違うところ。
ELのベースの方が いくらか低い位置についているので
使用するエレクトーンが変わる度、
6ヵ所についている、ねじ式の 調整用アダプターを、
付けたり外したりしなくてはならないのです。

ピアノの補助台だと、横についているダイヤルを
くるくる回せば 適当な高さに変えられますが
エレクトーンの補助ベースだと、6ヵ所
きりきりきりきり・・・・と アダプターを回して
抜き取ったり、取り付けたり。
…結構 時間が かかります。

教室全部のエレクトーンが 同じ機種になるか
(↑調整する必要が無くなる)、
アダプターの調整が もっと簡単になるかしないかなあ…

バイオリンと 爪切り

2008年09月21日 | バイオリン
            

2週間ぶりのレッスンです。

バイオリンは 低い方からG・D・A・E線の
4本の弦が 張られていますが
例の 重奏の曲は、その隣り合った
D線とA線、または A線とE線を 同時に鳴らして
うち 一本で 旋律を弾く部分があります。

ピアノだと、鍵盤の幅が 指より広いため
『ドを弾こうとしたら、指がはみ出てレも弾いちゃった
なんてことは、ごく平均的な指の太さなら ありえません。

しかし、バイオリンだと
弦と弦との間隔が そんなに広くないので
「ソを鳴らそうとしたら、隣の弦にも指が当たって
 隣の弦が ラからレに 変わっちゃった」
という事が(気をつけていても)起こります。

隣の弦に 触れてしまわないためには
指が当たる面積を小さくするために、なるべく指を立てる。
すると、爪が 邪魔になってきます。
というわけで
いまだかつて無いくらい、左手の爪を短く切ってみました。
おかげで、この2週間というもの
食品のパッケージを開けるのに 四苦八苦しましたが・・

旋律は旋律で 1弦だけ弾いて、運指を確認し
開放弦で、2弦を きれいに鳴らす練習をすることで
最終的には、どうにか(3回に2回くらいの割合で)、
きちんと音が鳴るように。

6割って、演奏の成功率としては 低いです。
でもまあ、レッスンでは 何とかその6割の力が出せて
無事OKもらえました。