MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

人外サイズ

2007年07月10日 | Weblog
基本的にピアノは 大人も子供も弾けますが
同じ1オクターブを弾くにも
ぎりぎりで届くのと、余裕で届くのとでは
その負担はケタ違いです。
やはり、手が大きい・指が長い というのは
演奏上有利なので
アリシア・デ・ラローチャさんのように
手の小さいピアニストは、本当に尊敬します。

一方で、世の中には
『ピアノを弾く為の手』を持って
生まれてきたような方もいらっしゃいまして
うらやましい限り。

19世紀前半に活躍していた
作曲家にしてピアニストの フランツ・リストは
ピアノの名手として有名でした。
彼は、手が大きい上に指も長く、
広げると12度は軽く届いたと言われています。
つまり
 ドの音を押さえたまま、1オクターブ上のドを越えて
さらに上のソの音が弾けた
という事になります。

更に後の時代、19~20世紀に活躍した
ラフマニノフともなると
指がクモの足のごとく ひょろ長い上に
やわらかく くにゃくにゃと曲がったのだそうです。
(一説には、病気の一種によるものらしいですが)

彼らの作った曲を実際弾いてみますと
オクターブでの動きが やたら多いわ
片手で とんでもなく広い音程を跳躍するわ
1オクターブを越える重音が当たり前のように出現するわ
「君たちだったら、さ~もあ~りな~ん (--# 」
という感じです。

まあ、こういう人達の場合、
逆に ちまちま小さい動きの方が演奏し難く
自分の弾き易いように作ったらこうなった
という事なのでしょうけどね。