最近、ドビュッシーを弾く生徒さんが多く
レッスンのかたわら エピソードなどを話しております。
『子供の領分』の中に
「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」という曲がありますが
この『ゴリウォーグ』ってナニ?という話になりました。
『ゴリウォーグ』は19世紀のイギリスの絵本に出てくる
黒人の操り人形の名前でして
物語の中では脇役さんなのだけれど
もじゃもじゃに逆立った髪や
まん丸の目、赤くて大きな唇
ぎくしゃくしたユーモラスな動きが愛嬌たっぷりで
とても人気が出たのですね。
たぶん、ドビュッシーの愛娘のシュウシュウも
この絵本を持っていたんじゃないかなあ。
生徒「へえー、ドビュッシーって娘さんがいたんだー」
そう、ドビュッシーは最初の奥さんを捨てて
駆け落ちした事があるんだけど
その駆け落ち相手の女性との間に生まれた女の子が
『シュウシュウ』なんだね。
ドビュッシーは、それはもう溺愛していたみたい。
生徒「…駆け落ち?」
えーとね、ドビュッシーは
女性とのお付き合いについては
ちょっと大雑把というか、誠実さに欠けるところがあって
同棲している恋人がいるのに他の女性と婚約したり
奥さんがいるのに 他の女性と駆け落ちしたり
という事をしちゃったみたい。
でも、このシュウシュウのお母さんである女性とは
最終的にちゃんと結婚したんだよ。
生徒「前の奥さんと離婚して!?ひどーい!」
あわわ、ドビュッシーがどんどん酷い奴に。
(いや、否定できませんけれども)
自己中心的な芸術家が
女性との交際についてはだらしないけれど
たった一人の娘にはデレデレだった、という
『ほほえましさ』を伝えたかったのですが
無理でした。