MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

自宅練習

2007年05月31日 | 音楽教室
本来、練習は 本人一人でやるものですが
レッスンでの注意や課題を覚えておけないくらい
小さい生徒さんだったり、
横に誰かついていないと練習しない生徒さんだったりすると
お母様などが横について、練習を見てくださっているようです。

こういう環境の生徒さんは
横で監督してもらっているので
練習は大変きっちりと やってくるのですが
たまに弊害も起こります。

レッスンを見学していて、自宅の練習時、
その子がレッスンで受けたアドバイスを忘れた時だけ
「~って言われてなかった?」と
思い出させる程度に声をかけてもらえれば充分なのですが

ご自分が昔習っていて、いくらかわかるからと
レッスンを全く見ずにいて、
自宅の練習時に、自己流で指導してしまう
という事をされてしまうと
あまりよろしくない癖が付いたりして
(止まらず正しい音とリズムで弾かせる事に専念するあまり
悪いフォームやタッチで演奏させられていたり
曲想を全く無視した、音のきたない演奏になってたりするので)
返って直すのに苦労したりします。

かつて、生徒本人はあまり練習する子ではないのに
お母様が一人で頑張って練習させていたため
ある日 お母様の方が力尽き
「練習させるのがしんどくなったので止めます」
と申し出られたことが ありました。

この時は、もう親に言われて練習する年でもないし
口出しせず、あえて好きにやらせてみては、
とお話ししたところ、了解をいただき
しばらく様子を見ることになりました。

幸い、生徒本人は音楽が好きな子だったので
自分の弾きたい曲にチャレンジするうちに
自分のペースをつかんで練習するようになり
お母様も本人も気が楽になったようです。


「弾ける」と、「教えられる」は
はっきり言って別物ですので
何か問題や気になる事があれば
遠慮も気遣いも捨て去って
気軽に話していただきたいなあと思います。
一応これでも、教える方の専門家ですので・・・


シャッフル

2007年05月30日 | 音楽用語

今日の大阪は 朝からすさまじい雨でした。
幸い、帰宅する頃までには止んでくれたので
助かりましたが…
梅雨入りはまだですが、入ったら毎日こんな感じかなあと
ちょっと気が滅入ります。

こんな天気でしたが、ありがたいことに
体調不良の一人を除き、休んだ生徒さんはいませんでした。

ところで
小さいお子さんって、言葉を間違って覚えてしまい
それで固定されてしまう事ってありませんか?

ジブリの映画『となりのトトロ』で
登場人物の小さな女の子、メイちゃんが
「おたまじゃくし」を「オジャマタクシ」と言っていましたが
あれは、現実にあります。
ちなみに私の妹は
「ブロッコリー」を「ブッコロリ」
「小田巻き蒸し」を「おだむしまき」と言っていました。

音楽用語はイタリア語ですから
聞きなれないカタカナ言葉を覚えるのは大変なんですが
間違って覚えると、もっと大変です。

よく出て来る音楽用語の一つ
アジタート(agitato)は
「取り乱した・興奮した」という意味からわかるように
ややあわてたように、急ぎ気味に演奏します。
ところが
「T」の1文字を取ってしまうと
アジアート(agiato)(ゆったりのんびりした・安楽な)と
ほとんど反対の意味になってしまいます。

さて最近のヒットは
まだ幼稚園のI くん。
宿題の曲や 伴奏付けの課題を仕上げたところで
「先生、まだ 『ガンテツ』弾いてない

・・・何?その根性ありそうな名前。


横で聞いていたお母さんが 
「すいません、この子『カデンツ』を間違えて覚えてしまって
ガンテツ ガンテツって直らないんですよ…」

そりゃあなかなか直らないでしょう
そんなインパクトある名前付けちゃったら。

ポジティブ・クラス

2007年05月29日 | 音楽教室

練習というのは、他人には見えない部分ですので
もし難しい所があって、
いくら弾いても、思うように出来なかった時
レッスンに行ってまたそれを指摘されると
やったってできない、と
練習自体が嫌になってしまいがちです。

おとなしい F ちゃんは
練習で上手く弾けるようにならなかった曲があると
レッスンノート(宿題帳)に
『○○は弾けません。』とか
『××はできませんでした。』
と書いてきます。

事情を教えてくれるのは良いけれど
ほぼ毎回こんな感じなので、
【できませんでした】という書き方は無しにして、
同じことでも、違う書き方をしたらどうかなあ、
と 提案してみました。

F ちゃんは納得がいかないようで
他にどう書いていいか わからないし
何も書かないで、弾けてないのがわかったら
怒られるかも… という目で見返してきます。
そこで
「全部は通して弾けてなくても
『右手だけなら 終わりまで弾けます』とか
『左手は 3小節まで弾いてます』 とか
どんなに小さいことでも 出来ていることを
書いたらいいんだよ?」と話したところ、
やっと安心したように 頷いてくれました。

以後、本当に 事細かに書いてきてくれるのですが
おかげで 演奏を聴く前から、どこまで弾けているのか、
どこが出来なくて困っているのかが 一目でわかるので
時間を無駄にせず、レッスンを進められるようになりました。

実際、「何ができていて、何ができていないか」を
正直に伝えてもらうと、こちらも割り切って
効率良くレッスンを進められるので
明るい雰囲気でレッスンできます。

せっかくなので、生徒全員に この方針を試したところ
ちょっとずつでも出来る所が増えればいい、と
気が楽になるらしく、かえってさぼらなくなりました。

先日も
「先生、今週はブルグミュラーばっかり
 力を入れて弾いてきたから
 こっちの曲集は全然弾けてないねん♪」
と大変明るく言い放ってくれたので
怒るに怒れず
「あらそう、了解。」


「弾けてません~」と暗くなられるより、まあいいか。


Mosquito

2007年05月28日 | 音楽教室
大阪は昨夜からの冷え込みが今日まで続き
冷たい風が吹いていました。
まさか春先に着ていたジャケットを
もう一度着ることになるとは…
とはいえ、レッスン室は相変わらず暑くなるので
やはり冷房が入ります。

レッスン室は防音のため、扉を閉めてしまうと
虫一匹出入りできない密室となります。
ということは
虫が入らない内に扉を閉めてしまえば
レッスン中は虫に気を取られることが無い反面、
入られてしまったが最後
レッスンが終わるまで 我慢するか退治するしかありません。
この虫が【蚊】だった場合
即 退治しておかないことには、刺され放題になってしまいます。

本日のレッスン中、蚊が二匹侵入してまいりました。
しかし つい先日までの暑さで出てきたものの
急な冷え込みのせいか元気がなく
なんだか飛び方もふらふらしています。

「こんなはずじゃなかった…」とか思っているんだろうな
と同情を覚えましたが
だからと言って刺されるのはごめんですので(--#
生徒と二人して仕留めました。

夏の蚊も、これくらい儚かったら
憎まれずにすむだろうになあ・・・

休日の過ごし方。

2007年05月27日 | Weblog
ここしばらく 土日はゆっくりできなかったので
たまには休日らしい過ごし方をしてみましょうと、
友人E と『花と団子ツアー』を計画しました。
中之島のバラ園で、色とりどりの美しい花を愛で、
【北浜レトロ】で、美味しい紅茶とケーキをいただき
しゃべり倒しましょう、という
実に私達らしい お出かけコースです。

ところで、大阪は今日も晴天で
初夏真っ盛りの強い陽射しが照りつけておりました。
人も暑いですが、バラもヘタっております。
それでも、いくつか見頃のバラもありまして
それなり満喫して参りました。
バラの名前には
人の名前・都市の名前などを付けることが多い様ですが
舞曲の名前(サラバンドとかメヌエット)
が付いているものも有りました。

メヌエットもサラバンドも、
古典舞曲の講座でステップを習ったり、
先生の踊りを見たことがあるので
サラバンドは雰囲気が出てるなあ、とか
メヌエットは余りイメージと合わないなあ、とか
好きな感想をいいながら眺めます。

【北浜レトロ】は、バラ園へ来た人達がそのまま
お茶もしていきましょう、と流れてくるので
大変混雑しておりましたが
一度は入ってみたかったので、しばらく並んで入りました。

ここは、アフタヌーンティーがいただける、ということで
甘党のE は三段トレーのアフタヌーンティー
(サンドイッチ・スコン2個・ケーキ+紅茶)
を注文していましたが
ショーケースの中のケーキを見たところ
明らかに普段食べている物の2倍サイズだったため
食べ切れる自信がなく(スコンも大きかった)
私の方はケーキセットをいただきました。
スコンの種類が多くて、そちらにも惹かれましたが…
(↑プレーン以外に胡麻・抹茶・アズキとかもありました)

目にも舌にも美味しい紅茶とケーキで大満足です。

ちなみに
アフタヌーンティーを注文したE の意見ですが
これを注文する時、好きなケーキを選ぶことができるけれど
スコンにたっぷりの生クリームが付いてくるので
ケーキは チーズケーキかタルト類など、
クリームを使っていないものを選んだ方が良いということです。
参考までに。

なんだか 
またしても『花より団子ツアー』になってしまいましたが
とりあえずは、充電完了。


カウント・ダウン

2007年05月26日 | 音楽教室
昔(10年程前)私がピアノを教え始めた頃
男の子の生徒は 『10人中1人いるかいないか』
というくらいでしたが
現在、ピアノを習う男の子 及び男性は珍しくなく
割合にして 『5人に1人』くらいになっています。

一般的に、ある年齢までは 
女の子の方が 精神的成長は早い、と言われますね。
それは実際レッスンをしていて 全くその通りだと感じます。
小学1年生くらいの男の子だと、実にシンプルに生きています。
特徴を挙げると
①考えている事がストレートに言葉に出る。
(黙って考えることができず、脳から口に直結している感じ)
②気が散りやすいが、集中すると本当にそれだけに気持ちが向かう。
(その、最初に集中させるのに技術が要ります)
③納得した事に関しては、ものすごく素直に言う事をきく
(というか 納得させておかないと、何度注意しても忘れられる)

特に①②については、女の子との差が はっきりと感じられます。
先生によっては、
「男の子のレッスンは、何かやりにくくて苦手」
と言う人もいますが
男の子は 大変わかりやすい反応をしてくれるので
私はむしろ、かえってレッスンし易い様に感じます。

例えば
先週のレッスンで仕上がらなかった曲を
もう一度練習しなおして持ってきたJくん(小1)。

教室に入ってくるなり
J「今日は自信あんねん。すごい上手くなったからなー、
 いっぱい弾いたしなー。」
私「ほほう。それは楽しみだなー。」 
J「うん、金曜とな、…土曜と日曜は弾かんかってんけど
 月曜と火曜と、水曜も弾いたんやで
私「それはそれは。じゃあ、早速聴かせてもらいたいなっ
J「うん!いくでっ

自分で『さん ハイっ』とアインザッツ(演奏に入るための掛け声)
を言って演奏を始めるJくん。

先週の注意点に ちゃんと気を配ってきてくれたようで
見事、今回は一回目の演奏で合格の出来。

私「すごいすごい。本当に上手くなったね。
 一週間弾き込んだ成果が出たねえ。」

J「うん、だってこの曲な、1日に何回も弾いたからな。
 えーと
 9回か8回か」
あらそんなに?
J「…7回か6回か5回か4回か3回か」
もしもし?数がだんだん減ってますけど?

私「ちょっと待って。何回弾いたのかな?」
J「やから 9回か8回か7回か(以下同じ)」

結局 何回弾いたか知らないけど、
9回と3回は だいぶ違うよ、Jくん。

こんな調子ですが
大変楽しくやっております。

レッスンシール  お仕事グッズ ②

2007年05月25日 | お仕事グッズ
昨夜は寝苦しいくらいの暑さでしたが
今朝は雨のためか気温が下がり
明け方寒くて 風邪をひくかと思いました。

さて、タイトルのレッスンシールとは
生徒が曲を仕上げた時、終了の印も兼ねてあげる
一種のご褒美なのですが
ふと気付くと
ストックがもうあまり残っておりません。
しまった、最近買出しに行っている暇がなかったからなあ・・
この量では、恐らく来週半ば当たりで
足りなくなってしまうこと間違いなしです。

市内の楽器店に行けば、
安価なレッスン用シールが売られてはいるのですが
こういう所のシールは品揃えが全く変化しないので
生徒に「またこのシール?」と言われそうだし
私自身が、自分でも『キレイ・欲しい』と思うような
モノをあげたいので、今回は見送り。

といって、種類豊富なシールを置いている
キディランドみたいなお店で買うと
量を買うだけに、結構高くついてしまいます。

大阪市内の問屋街に行けば
欲しいシールが 市価のおよそ半値で買えるので
いつもはそこで、2ヶ月分くらいまとめ買いしてくるのですが
今週は そちらに行っている暇がないし…

と嘆息していると 同僚のF先生が
「すぐそこの百均に結構いろんな種類置いてますよ。」
と教えてくれました。
なるほど、その手があったか。


仕事帰りに早速 寄ってみたのですが

可愛くて綺麗なデザインだけど、
どこに貼ったかわからなくなりそうなくらいのミニサイズだったり

大きさは適当だけど、デザインがもう一つだったり

デザイン・大きさともにベストなのだけど
貼ったら本が閉じなくなるような立体ものだったり
(ウルトラマンの胸の3分タイマーみたいなのを想像してください)

適当なものが見つからなかったので


やはり休日に買出しに行こうと思います。

スキップ

2007年05月24日 | Weblog
今日の大阪は、本当に暑かったです。
こう暑いと、おしゃれする気も薄れてきますが
レッスンは 人と接するお仕事ですし
何と言ってもイメージを壊すような服装は
教室側から禁止されていますので
『暑くなくて、綺麗に見える(であろう)恰好』をするべく
ああでもない、こうでもないと着るものを選んでいたら
危うく遅刻しそうになりました。

さて、レッスンに来ている生徒達は
リラックスして 素のままの姿を見せてくれる子と
緊張して、妙に大人しくなってしまう子とがいます。
あまりに大人しいので、お母さんに
「いつも、こんなに静かなんですか?」と聞くと大抵、
「とんでもない、家ではうるさいくらいですよ。」
という答えが返ってきます。
内弁慶なのか、
…ひょっとして私が怖いのかな・・・

そう言えば
レッスンでは素直なのに、家では反抗期なんです、
という話を聞いたこともあります。
反抗期といえば、3才くらいから始まるものと
10代前半の思春期のものがありますね。

私は大学時代、発達心理学を取っていたのですが
その時講義していた先生が言うには
幼児期の反抗期は、何を言っても、まず『イヤ』と答える事で
自分を主張しているのだから
無理にいう事をきかせるより、反抗しなくても自己主張できるよう
質問の内容を変えると良いのだそうです。

例えば、お出かけするために靴下を履かせるという時、
「靴下を履きなさい」では「イヤ」で終わりますが
ここで、二足の靴下を出してきて
「赤い靴下と、青い靴下と、どっちを履く?」と聞くと
履く・履かないを飛び越して、どっちを履こうかと
真剣に考え始めるのだとか。

レッスンでも、これを応用しているのですが
面白いことに この方法、年齢を問わず効果があるのです。

この応用で、練習をあまりしない子に
[練習しなさい] とか [いつ練習するの?] と言う代わり
『今日の練習は、おやつ食べる前にするの?
それとも 夕ご飯の前?』
というように言うと、反応が変わるのかなあ…

残念ながら現在
周囲に反抗期らしき子が見当たらないのですが
いつか実験してみたいところです。 

お土産。

2007年05月23日 | 音楽教室
五月も残すところ1週間となり
生徒さんの中には、既に修学旅行へ行ってきたよ~、
という子も出てきました。
ここ数年、公立中学校の修学旅行は 
沖縄が主流になっているようでして
五月~六月は、沖縄物産展などに行かずとも
あちらの食べ物が手に入ったりします。

初めて自分の生徒さんから 沖縄土産をいただいた時には
『え~っ今の中学生って沖縄に行けるの
と驚いたものです。
(↑私の時代の修学旅行は、長野にスキーでした)

私としては、せっかくの旅行だし、
限られたお小遣いを使わせるのは悪いので
基本的に、お土産はお断りするのですが
そう言うと
「え~(-_-)お土産選ぶのが楽しいのに~」
と不満そうな顔をされるので、

じゃあ、消えモノ(食べて無くなる物)で、
とお願いすることにしています。


かつて、全く何も言わずにいたら
シーサーのストラップ・シーサーのキーホルダー
・シーサーの置物
…と シーサーばかり大集合されたことがありまして
以来、うちのクラスには、シーサー禁止令が出ました。

おかげで 現在
ちんすこう大集合しております。


Welcome♪

2007年05月22日 | 音楽教室
ピアノを教えている、と言うと
「何才くらいの子を教えているの?」とよく聞かれます。

下は3才から、上は70過ぎまで
大変幅広い年代の生徒さんが来ていますので
え~と足して割って…平均何才になるんだろう・・・
一番多いのが10才前後なのは 確かです。

初心者で習いに来るのは5・6才の子が多く、
たまに3才のお子さんも連れてこられます。
グループレッスンだと、2歳児・3歳児クラスがあるので
小さいお子さんは 基本的にそちらをお勧めしますが
どうしても個人がいいんです、とおっしゃる場合は
個人のクラスに入ります。

そんな時、よくお母様から聞かれる質問が
「ピアノって、何才から始めるのがいいんでしょう?」。

はっきり言いますと
何才から、という目安はありません。
就学前のお子さんというのは、発達の個人差が
ものすごく大きいので
3才でレッスンできる子もいれば
6才でも早いかな、という子もいるわけです。

例えば、3才で教室にやってきたGちゃん。
お母さんいわく
「まだ早いんじゃないかと思うんですけど
本人がどうしてもやりたいと言うので
根負けして連れてきました。」
ということで
口も達者なら手もしっかりしてまして
問題なくレッスンに入れました。

かと思うと
本人に全くやる気がないのに
『早くから習わせたら早く上達するだろう』との親心から
わけもわからず連れてこられた5才のHちゃん、
お名前は?と聞くと
「∑□ *×Д$※ バカー」と言われました。
(ここだけ明瞭にわかった↑ )

Hちゃんは現在、大変よく練習してくる良い子です。


発達のスピードが違うだけで、
発達の早い子も遅い子も
最終的には大差なくなるのですが

すぐにもレッスンが成立するためには


他人とコミュニケーションが取れる
数字を7まで数えられる(音名が7つだから。)

くらいの能力は必要だな、というのが実感です。