音楽用語、というものは
日本人にとってあまり馴染みのない『イタリア語』で、
しかも楽譜のごく狭いスペースに収めるため
ものすごく省略された形で表記されます。
しかも、省略のされ方が違っても
『最終的に似てしまう』という事がよくあります。
似ているが故に、誤解を受けるのが
sf(スフォルツァンド)という音楽用語。
mf(メゾフォルテ)と sf(スフォルツァンド)は
どちらも「f」の前に
『もう一つアルファベットが付いて』表記されておりますね。
mfは、2単語の頭文字を並べた省略形。
mezzo forte(メゾ:半分の)と(フォルテ:強く)で
『ここからは頑張り過ぎないフォルテで』
sfの省略のされ方は、頭の2文字だけ表記したパターンで
sforzando(スフォルツァンド:その音だけを強める)
つまり、『そこだけ頑張れ』の意味。
sforzare(スフォルツァーレ)という動詞があるのですが
これがスフォルツァンドの元になるもので
『がんばる』とか『力をふりしぼる』というような意味です。
ただし、力をふりしぼると言っても
【演奏者の全力】をふりしぼるのではなく
その音楽の『その部分のもつ力の範囲で』ですので
『pの流れの中のsf』と「fの流れの中のsf」は
当然がんばり方が違います。
60wの照明がある部屋の中では80wが「明るく」見えるし
80wの照明の中では、100wの照明がより力強く見える。
暗闇の中なら『蚊取り線香の火』でもちゃんと輝いて見えますね。
しかもsfは「そこだけ」の範囲限定ですので、
暗闇の中で蛍が光った
照明のある部屋でカメラのフラッシュが光った
という感じです。
前回の『小林幸子になっちゃいけない』より
良い説明になっていると良いのですが。