MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

耳で考える

2012年11月21日 | 音楽教室
レッスンしていて
生徒さんの演奏で気になる部分
注意してほしい部分があった時

そのポイントを注意するとその時は
「はい、わかりました」と直してもらえるのですが
1週間後 もとどおり(つまり また注意せねばならない状態)
という事が ままあります。

これは つまり
生徒さんに
「こう言われたからこう弾く」という受け止め方をされていただけで
どうして その方がいいか、という事が伝わっていなかったと。

そうした方がいい事を、納得してもらう
そして それを強く印象付ける
そういう風に弾きたいと思ってもらう
というポイントを押さえておけば
翌週 確実に直るとは限らないですが
直そうとしてきてくれはします。


例えば
ト長調の曲で、ファの音は基本半音高く弾かねばならないのに
調号として端に書かれているシャープの存在を忘れられ
ナチュラルのファで弾かれてしまう場合
「ファは♯でしょう」では印象に残らないですが
「ファ♯だと明るく聴こえるけれど
 ファだと 何かスカスカで悲しい響きになるよね」
と 声をかけていますと

生徒さんの方も 自分の出す音の響きに気が向いて
自分で「あ 悲しい音がした」と気付いてくれます。


納得してもらうためには
自分の出す音に敏感になってもらわねばならないわけで

「演奏」を
『楽譜に書かれている事を確認する作業』で終らせるのではなく
その先 「いかに 自分の音に耳をかたむけてもらうか」
が勝負どころ。