MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

大人の発表会

2011年02月24日 | 音楽教室

冬の発表会シーズンが終わりました。
最終日は大人の部だったのですが

大人の方の本番って読めないです

いつもなら弾けているところが
本番、思わぬところでミス
ということは、よくある事なのですが
それでも、子どもさんの場合は
「この辺が危ない」とか
「ここで忘れるかもしれない」
だいたい『やってしまいそうなこと』が読めますし

そういう場合、どこから演奏をやり直せばいいか とか
いざとなったら、そこを飛ばして先へ進んだらいい とか
対策を立てておくことで
やらかしてしまっても何とか自分で対応」できるのですね。

年長者の方の場合。
子どもさんに比べると、それなりお忙しい。
練習時間がゆっくり取れませんから、暗譜も不安

しかし、妙に『完璧主義』なところがありまして
習って間もない方ほど
曲は弾き始めたら、最後まで通して弾かなければ

つまり、演奏途中でつっかえた、次の音を忘れたという時
どうしてもそこが弾けてからでないと先へ進まれないのです。

鍵盤のあちらこちらを ここでもない、弾いて探る方

少し前どころか冒頭からきっちり弾き直して
 そして再びそこで壁に当たる方

よく似たフレーズAとBの部分で
 右手はBを弾き、左手はAを弾いていることに気付かず
 迷宮に入ってしまわれる方

            

本番の舞台の上で立ち往生してしまった場合
フォローに行くべきか
ご自分で立ち直って進んでくださるのを待つか

いつも悩みどころです。

誰でも舞台に上がれば、
一度や二度は失敗することもあるわけで
今回思うように弾けなかった方も
また来年舞台に上がっていただけたらなあと思います。

音楽は楽しまなければ。

カメハメハの歌(その2)

2011年02月14日 | 音楽教室

このところ寒い日が続きまして
月曜日は午後から激しくふぶき
大阪にしては珍しく雪が積もりました。

ちょうど仕事に向かう時間帯が
みごとに吹雪とバッティングいたしまして
さしている傘から着ているコートに至るまで
どんどん雪が降り積もる。

こんな日は、レッスンを休む生徒さんも多くなるでしょう…
しかし、たとえその日生徒さんが全員休んだとしても
先生は教室へ行かないわけにはまいりません。

ふと
南の島のカメハメハ(ハメハメハ)大王」の3番の歌詞
(風がふいたら遅刻して 雨がふったらお休みで)が浮かび
よく考えてみれば、あれって間違っていますよねえ
と思ったのでした。

だって、雨くらいじゃレッスンも学校もお休みなんてしない
暴風警報が出たら休講になるけれど
大雨・洪水警報では休みにならない。

だから正しくは
雨が降ったら遅刻して
風が吹いたらお休みで
だと思う。

と こんな考え事で気をまぎらわせながら
自転車で出勤した大雪の日。

エリーゼの罠

2011年02月09日 | 音楽教室

毎年 発表会で誰かが必ず弾く定番曲として
ベートーヴェン作曲「エリーゼのために」がありますが
今年はたまたまなのか
この曲を弾く人が『同じ部で2人』出まして
同じ部で同じ曲って、ちょっと複雑かもなあ
などと思いつつ、舞台袖で聴いていたのです。

ミレ♯ミレ♯ミシレドラ~で始まるこの曲
出だしの有名な部分は、わりとすぐ弾けても
右手の動きが速い中間の長調部分
左手の連打の上に右手の重奏が出てくる部分
テーマに戻るつなぎとなる右手アルペジオの動き
こちらでつまずく生徒さんは 多いです。

こういう部分がある事を知らずに弾き始めて
初めて「この曲、こんな難しい部分もあったの?
と気付き後悔する生徒さんもいらっしゃるかと。

発表会でこれを弾いた生徒さんも、
それぞれ、『がんばって弾いています』という感じで
大変ほほえましかったのですが
どうも ひっかかったのは
ミの連続オクターブ等からテーマへ戻るくだり

一人目
ミミミレ♯ミレ♯ミレ♯ミレ♯ミシレドラ~
??聞き違い? いや、何度聴いても「ミレ♯」が一個多い。

続いて二人目
ミミミレ♯ミレ♯ミシレドラ~
…こちらは一個少ない…

かつて うちのクラスでこれを弾いた生徒さんの1人が
このミレ♯ミレ♯の数をなかなか正確につかめなかったもので

シミレ♯ミ~のところから
会いたい  会いたい
シミレ♯ミ   シミレ♯ミ
会いたい でも まだ 会えないエリーゼ~
シミレ♯ミ  レ♯ミ レ♯ミ  レ♯ミレ♯ミ シレドラ~



と、歌詞をくっ付けて覚えてもらったものでした。

拍子感を持って弾いていれば、「ここでテーマに入らねば!」と
正しい入り場所がわかるはずなので
拍子感って大事だなあと実感させられる曲です。

調律師さん

2011年02月07日 | 音楽教室

先日、生徒さんの1人から
家のピアノを調律したいんやけど
 どこに頼んだらいいん?
と聞かれました。
                  
音楽教室は、楽器店が経営していますから
販売した楽器のメンテナンスもお仕事』。
というわけで
楽器店所属の調律師さんがいらっしゃいます

しかし、ピアノという楽器は生き物のようなものでして
誰が育てる(調律する)か で、仕上がりがまるで違います
ですから、調律師さん達を団体で抱えているような所に
うっかり『誰でもいいから早くしてほしい』などと頼むと
経験が浅く仕事が少ない新人さんが回されてくる可能性が かなり高く

はんなりした美女
けばけばしいパンク娘に変身
というくらい変わり果てることもございます。

教室のピアノは、休日一斉に調律してもらうのですが
いつぞや、前回と違う調律師さんが来た直後
最初のレッスンの日、全ての部屋の全ての先生が
ピアノがおかしい!』と教室事務所に訴えて
事務所の人が仰天したことがありました。
            
そんなわけで、私が生徒さんにしたアドバイス。

教室に頼めば 調律師さんを手配してくれるけれど
その際
できれば(ここを何気なく強調)ベテランの人を
と一言付け加える事。

もっとも、新人さんでも良い腕の人はいるはずなので
一概にベテランさんじゃないとダメとは言えません。
            
調律前と後で、どう変ったか気付けるくらい
ピアノの音色やタッチを意識しておくと
自分にとっての「いい調律師さん」がわかります。