MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

笹の葉さらさら

2007年06月30日 | Weblog
6月最後の日、今年がもう半分終わりました。
生徒さんと、もう半年?早いね~と言い合っております。

街中を歩いていると
あちらでも こちらでも
笹の枝を持った人を見かけます。
そう言えば、もうすぐ七夕ですよね。


昨日から、ようやく大阪も 梅雨らしい大雨が降り
少し涼しくなりました。
これまで あまりに晴れ続きで 梅雨らしくなかったため
「かたつむり」の歌はあきらめて
先に「七夕さま」に 入ったところですのに
何で 今頃降るかな~。

7月7日、織姫と彦星が ちゃんと会えるのか、心配です。

fermata ( フェルマータ ) 

2007年06月29日 | 音楽用語

楽譜の中に突如現れる、
カエルの目のような形の記号。
これが、音符の上や休符の上、
はたまた終止線の上に書かれていたりします。

これはfermata(フェルマータ)といいまして
イタリア語で、一般的に使われる時の意味は『バス停留所』。
つまり、止まることを意味する単語で
タクシーなんかに乗っていて、そこで止めてほしい時には
「si fermi(シ・フェルミ)」と言うそうです。

つまり、音楽では
『そこに来たら止まる』ことを示しています。
基本的には、止まった(或いは、そこで終わった)
という感じを出すために
フェルマータが付いた音符(または休符)を
本来の長さより 長く演奏します。
大体の目安として、2倍から3倍くらいにすると良い、
と教えていますが
別に3倍でなく、4倍でも5倍でも
好きなだけ伸ばしてもらっても構いません。

ピアノの場合、音は時間と共に減衰していくので
あまり長く伸ばしていると、
鍵盤を離す前に音が消えてしまいますが、
まあ、それもアリです。

ただし
1.2倍とか、あまりに微妙な長さでは
聴いている人に、止まった感じを与えませんので
(どちらかと言えば つっかえた感じに聴こえる)
ご注意を。


余談ですが

[ フェルマータ ]のもう一つの使い方として
「保存のために火を通す」
という意味があるそうです。

『食べ物が傷みやすくなるこれからの季節、
冷蔵庫へ入れるまえに、フェルマータしましょう。』
とか、言うのでしょうか・・・


Slur と Legato

2007年06月28日 | 音楽用語
6月も残り2日となりましたが
明らかに 雨傘より日傘の出動率が高いです。
あいかわらず暑い大阪です。

さて、本題。
音楽記号は、「その名前が持つ本来の意味」の通りに
( p なら弱く、というように)演奏するわけですが
たまに例外があります。
あまりにも よく出て来る、Slur(スラー)という記号。
ネコのヒゲみたいな、記号です。

音楽用語は、ほとんどがイタリア語なのに、これは英語。
意味は、そのまま「弧線」です。
(イタリア語では legatura リガーチュア と言う)

もと弦楽器のボーイング(弓の上げ下げ)のための記号で
『スラーでまとめられた範囲は、弓を返さずに弾く』
ということを示します。
つまり、レガートに演奏することを表す記号なのです。
(legatoレガート:すべらかに、つないで演奏する)

ややこしいのは、
スラーという言葉自体には、レガート奏の意味が無いこと。
(記号の形の意味しかないですからね。)

ですから
「ここからここまではスラーに弾いて」
では意味がないわけで、
「ここからここまで、スラーが付いているでしょう。
 だからレガートに弾いてね」
と言わなければならないのです。
他の音楽記号は、意味さえ教えてしまえば
「そこは p で演奏して」「クレッシェンドして」
で通じるのに、スラーだけは
「スラーに弾いて」では意味をなさないので、
私にとっては少々、もどかしい存在の記号です。

で~んでん、む~しむし

2007年06月27日 | Weblog

よくある6月(梅雨)のイメージ。
紫陽花・カタツムリ・アマガエル・・・

現実的には、あまり雨も降ることなく
暑い日が続いています。

季節の歌がいっぱい載っている曲集に
「かたつむり」があるのですが
この雨の少ない6月に弾いても、しっくり来ないので
(何だか干からびそう)
未だ使えずにいます。

このままカラ梅雨で終わったらどうしましょう。

staccato (スタッカート)

2007年06月26日 | 音楽用語

ピアノ歴は20年の私が
今年から始めたバイオリンですが
少しずつ 少しずつ、できる事が増えてきました。

ピアノの楽譜にも出て来る音楽記号のいくつかは
弦楽器の奏法を示す記号から来ているものもあるので
弦楽器本来の奏法がわかってくると、
ピアノ演奏の 表現の幅が広がり
面白いなあ、と思います。

現在、ピチカートという、
弦を指で弾く奏法を練習しているのですが
遠目に見るのと、自分でやるのとでは 大違いです。
指板(弦を指で押さえる黒い部分)上の弦を、
勢い良く 指で弾いて鳴らすのですが、
まず最初に練習させられたのは
弓の持ち替えでした。
普通に弓を持ったままでは、弓の毛が弦に当たるので
傷めてしまうことの無い様、弓の向きを変えるわけです。

[ レガート → ピチカート → レガート ] と
奏法が変化する曲だと 
続けて演奏する時に 素早く持ち替えできなければ、
演奏が中断してしまいます。
そこで、一瞬でパッと持ち替えられるよう、先生の合図で
「1・2・3、ハイ!」くるり。
「もう一度、1・2・3、それっ」くるり。
と、
弓を裏向け、また元に戻すという動作を繰り返します。
元の持ち方に戻すのが、結構大変です。

ピチカートは、弦をはじく奏法ですから当然ノンレガート、
ピアノではstaccato(スタッカート)で表される演奏になります。

生徒さんに、「スタッカートってどういう意味?」
と聞くと 大概
「はねる」とか「短く切る。」という答えが返ってきます。
まあ、それも間違いではないのですが
本来、スタッカートは
「音と音とを離して弾く」くらいの意味しか持っていません。
ということは、音が鳴っている時間を棒線で表した場合、
「―― ―― ――」も「-  -  -」も
同じくスタッカート、という事になります。
どんなに小さな隙間でも、間を開けて弾けばスタッカート。

弦楽器だと、ポルタート・スタッカート・ピチカートは
「切る」事は同じでも、奏法がはっきり変わるのに対し
ピアノでは、弦楽器ほど変わらないので
(しかも、楽譜には同じ様に書いてあったりする)
どんなスタッカートが要求されているのか
ちゃんと考えて演奏しないといけないなあ
と思います。

うめ~っしゅ。

2007年06月25日 | Weblog
『梅の雨』と書いて梅雨。
その名の通り、この時期は梅の実が旬でして
スーパーなどでは、5月末から 梅酒用の青梅、
6月からは 梅干し用の梅の実が売られています。

私自身は あまり飲まないのですが
梅酒は毎年漬けております。
買ったばかりの青梅を きれいに洗い
水気を切って、氷砂糖・ホワイトリカーと一緒に瓶の中へ。
3ヶ月くらいで、飲めるようになります。

しかし、飲めるようになるまで、この瓶をどこに置くか。
温度が安定していて、日が当たらなくて、邪魔にならない所・・・

で、ここ数年 梅酒の瓶の安置場所となっているのが
自宅のグランドピアノの下でございます。

万が一 倒れても、こぼれたりしないように
きっちり密封した後、更に紙で包んで置いたところ
(  生徒さんの目に触れないように ↑)
大変おいしく出来上がりました。
友人にも お裾分けしたところ、
「売っているものよりおいしい」と好評です。

そういえば、酒蔵では醗酵を促すため、
醗酵中のお酒に音楽を聞かせるところがあるとか
聞いたことがあります。
梅酒の場合、醗酵するわけではありませんが
上で鳴っているピアノの音がほどよく振動を与えて
梅のエキスがよく出たのかも・・・

梅雨の怪談

2007年06月24日 | Weblog

昨日はみごとな 晴天でしたが
今日は うって変わって 朝から雨となりました。

ピアノもバイオリンも、どちらも湿気には弱いので
この季節、管理には気を遣います。
特にピアノは、置き場所を変えることができないため
部屋の環境管理が大切です。
外が雨だからと、窓を締め切っていても
それなり部屋の湿度は上がるので、
エアコンのドライ機能で除湿し、
天気の良い日があれば、すかさず窓を開け、
楽器の蓋も開いて風を通します。

ちょっと神経質かな、というくらい気を遣うのは、
いろんなお宅のピアノに触れる、調律師さんから
怖い話を聞いたことがあるからです。

その調律師さんいわく、
「木や動物の毛(ハンマー等のフェルト部分)など、
天然素材で出来ている楽器にとって水は天敵。」
使われていない楽器のコンディションというのは最悪だそうで
蓋の開閉をしないために、中に湿気がたまり
ピアノ線がさびてしまったり、カビが発生したりする他
・くもの巣が張っていた
・ゴ○ブリの卵が産みつけられていた
・ネズミが巣を作っていた
という事があったのだとか。(あまり珍しいことではないそうです)
「ですから、なるべく弾いてあげましょうね
と にっこり笑って おっしゃっいました。

農作物のためには、必要な雨ですが
大切な楽器にとっては要注意の季節。
くれぐれも 気を付けてあげましょう。

「猫ふんじゃった」

2007年06月23日 | 音楽
という曲がありますね。
楽譜を見たことのある人はほとんどいないのに
ほとんどの人は弾いたことがあるという、あれです。

レッスンに初めて来た生徒さんに、
「何か弾ける曲はある?」と尋ねると
ピアノを習ったことの無い子の場合、
「猫ふんじゃった を弾ける。」
という答えが返ってくることも。

もっとも、演奏はというと
大抵 拍子感はめちゃめちゃ、音は乱暴、
早く弾けることが上手さ、みたいな感じなんですが・・・

『踏まれた猫の逆襲』
という曲もありまして、
これは、「猫踏んじゃった」の
リズムや音型を使って
その面影を残しながら作曲されたもので
大変かわいらしく、綺麗な曲です。

本には、
「猫踏んじゃった」を演奏してから
続けてこの曲を演奏すると良い、と書かれていましたが
一度、発表会で この曲を弾く子に試してみたところ
「逆襲」を綺麗に演奏させるのは難しくないのに
簡単なはずの「猫踏んじゃった」の方だけは
その昔、レッスンを受ける前の状態に還ってしまうらしく

きちんとしたテンポやタッチで演奏させるのが
ものすごく 大変でした。


エンドレス

2007年06月22日 | 音楽
楽譜の中には
繰り返しを指示する音楽記号が出てきますね。
反復記号/D.C.(ダ・カーポ)/D.S.(ダル・セーニョ)。


世の中には変わった曲もありまして
エリック・サティの『ヴェクサシオン(嫌がらせ、の意)』
の様に、短い1つのフレーズを
“ 非常にゆっくりと840回ほど繰り返せ”と指定されたもの

ヨハン・シュトラウスⅡの『常動曲』の様に
D.C.(曲の初めに戻れ、の意)の指示はあるのに
Fine(フィーネ・終わり、の意)が書かれておらず
演奏を始めたが最後、終われない曲もあります。

ヴェクサシオンは、通常演奏されることはありませんし
(本当に演奏すると15~18時間くらいかかるらしい)
常動曲に関しては
指揮者が(この辺でよかろう)と思ったところで
タクトを置いたり、合図を送って終わらせるそうですが・・・


ピアノのレッスンで演奏するような曲でも、
反復記号の指示で繰り返しが多いものや
ロンド形式など同じフレーズが何度も現れる曲があります。
こういう曲は気を抜くと、
今、自分がどこを弾いているのか、何回目を弾いているか
わからなくなる危険性があります。

通常、反復記号があれば
2回繰り返して次の楽節に進むのですが
3回目・4回目に突入する子や
次に進むきっかけをド忘れして、
その前をぐるぐる弾いてしまう子もいます。

脱出できると、思わず拍手。

間違い探し。

2007年06月21日 | Weblog
こんなこともあります。

大学時代、買ったばかりの楽譜を弾いていたら
どうも不自然な音がありました。
確認のためにCDを聴いてみたところ
どう聴いても、明らかに違う音でして
先生に聞くと、やはり楽譜のミスだということでした。
人間の作るものですので
間違いもあったりするのですね。


現在、うちのクラスで
導入期のレッスンに使っている教本には
【反復記号が無いのに歌詞は二番まである】
【ふってある音名が実際の音と違う】
【3拍しかないはずの小節に4拍目が存在している】
というような間違いがありまして
なかなか訂正された版が出ません。

とはいえ、この程度のミスなら
音を正確に読み取る力や、
音楽の約束事がちゃんとわかっていれば
気付けることですから
直らないなら、こちらで気をつければ良いわけです。


ということで
うちのクラスでは定番の「間違い探し」に使われています。
利用できるものは利用させていただきます。

「印刷されたものが正しいとは限らない」
という事を知っておいても、損はないですしね。

はい、30秒で見つけて。