【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

レシートはないけれど

2011-11-13 17:11:19 | Weblog

 先日ひさしぶりに繁華街に出かけて、駐車券にハンコを押してもらおうとサービスカウンターに向かいました。そこでは2000円以上だったかな、ある程度買い物をしたら駐車場が1時間無料になる、というサービスをしています。で、複数の売場で買い物をしてそのレシートの合計が決められた金額を越えているのでもOK。
 ところがカウンターでトラブルが起きています。レシートの合計が2000円を越えていない人が、ある売場でレシートをくれなかったら合計が届かなかったのだ、と主張しているの。「なんでレシートをもらわなかったのかな?」と思ったら、それをカウンターの職員も聞いています。すると「ここではレシートが出せないけれど、サービスカウンターに行ってそう言ったらわかるようになっているから」とその売場で言われた、とのこと。カウンターではわかっていないようですけれど。
 結局どうなったのかの確認はしませんでしたが、何でも言ってみるもんだな、とは思いました。もしそれが通るのだったら、私も「レシートはないけれど、駐車場をタダにしろ」と言ってみようかな。

【ただいま読書中】『プー横丁にたった家』A・A・ミルン 著、 石井桃子 訳、 岩波少年文庫1012、1958年(97年53刷)、640円(税別)

 本書の前書き(じゃなかった、「ご解消」)は、登場人物の紹介ではなくて、おなじみの登場人物からの「さよなら」です。どうしてそういうことになったかというと、木戸に牛が107匹いたからなのですが……
 登場するのは「おなじみ」ばかりではありません。トラーがやってきますし、チビも登場します。あれ? このチビは『クマのプーさん』の北極(または、ノース・ポール)探検隊で出てきたはず、と思いましたが、違いました。あちらはカブト・ムシノスケでした。
 風が吹いても川が流れても、プーは遊びます。まるでネバーランドの子供のように、毎日が新しく毎日が同じ日です。……しかし、気持ちの良い日に友人たちとのんびり「プー棒投げ」をして一日を楽しく過ごすことができたら……それは「子供の日の幸福」がそのまま形になったもの、と言えそうです。
 ただ、この世界はネバーランドではありません。クリストファー・ロビンは「イスガシ スギカエル」になってしまい、それから「行って」しまいます。なぜそうなるのか、その訳を森の住人たちは知りません。ただ、「クリストファー・ロビンがいってしまう」ことは全員が知っています。「そういうもの」であり世界は「それ」を黙って受け入れます。
 本書の最後の場面で、私は涙が出そうになります。自分がかつてどんな存在で、そこから何を失ってここまで来たか、を思って。ただ、私の心の中には「私のプーさん」がまだ存在しています。それを大切にしながら、これからの人生を生きることはできるでしょう。