2011年5月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> イエペスによるF.ソルの24の練習曲集

 時が過ぎていくということは、良いこともあれば少なからず寂しい思いをさせられることもある。ついにかの有名なナルシソ・イエペスを知らないギター愛好者が出てきてしまった。
「あの有名な映画『禁じられた遊び』のテーマをギター一本で弾いていた有名なギタリスト」といっても、その若者は「禁じられた遊び」という映画自体を知らないらしい。メロディを教えてやると「あぁ、その曲だったら知ってるよ」といった程度の認識で、映画に使われた音楽ということをまったく知らないでいるようなのだ。そんな状態なので、ましてや「アンドレス・セゴヴィア」なんてえらーい人のことなんぞ、まったくご存じなくて当たり前らしいのだ。
こいつらギターやっておるくせにギターのCD(まさかLPとまでは言う気はないが)なんぞは聴かないのか、と思うとそんなことはないらしい。これだけ世の中CDやDVDだけでなく、YOU TUBEなんぞといったインターネットの世界でいくらでも新しいギタリストの演奏を見たり聴いたりすることができるので、我々のようにセゴヴィアやイエペス、はたまたジュリアン・ブリームやジョン・ウィリアムスがレコードで聴ける唯一のギタリストだった世代とは違って、セゴヴィアやイエペスを知らなくても、ましてや「禁じられた遊び」といった戦争の悲惨さを描いた映画なんぞを知らずとも、なんの不都合も来たさないのだ。
たしかに最近のギタリストは、そういった昔(?)の有名なギタリストに比べれば遥かに技術的には優れており、実際の演奏を生で聴いてもまるでCDを聴いているかのように完璧に近い演奏をしてしまう。ましてやCDなんぞはあくまでもデジタルの世界。ツギハギも修正も思いのままだ。あやうい演奏なんぞは皆無といってよく「こんなんでもええんだべか?」というような気がするだけでなく、どの演奏もあまりに完璧なため、CDを聴いただけではまったく演奏者の区別がつかないようになってしまった。これも時代なんだろうが、時が過ぎて、どうも芸術の世界そのものが変化してしまったのかもしれない。
 
ところで今回のテーマであるイエペスの弾くソルの練習曲なんだが、解説には1967年の録音とあるからもう既に44年も前の演奏ということになるが、イエペスがソルの練習曲ばかりを24曲そろえて録音しているLPがあった。
*今までソルの練習曲をかなりの数まじめに取り上げた録音といえば、古くはジョン・ウィリアムスがあり(これはさすがに立派な演奏ではあるが、少々生真面目過ぎて物足らないような気がしてしまう)、最近ではナクソスが何人かの若手演奏家を起用してソルの作品全曲録音を行ったものがあるのは皆さんご存知のことと思う。またごくごく最近では「ポルケッドゥ(?)」とかいうギタリストが録音した20の練習曲が出たので聴いてみたが、あまりにも・・・・な演奏であったため正直途中から腹が立ってきた。表現がわざとらしく、いやみなことこの上ない。
イエペスにしてみたらなんのことはない曲ばかりであろうし、曲の並び順もセゴヴィアの編纂した20の練習曲とはまったく異なり、あまり必然性を感じさせるものとは言い難いが、それぞれの曲の内容はさすがと思わせるものがあって、このような練習曲でさえも、ここまで細心の注意を払って演奏すべきなんだと感心してしまうほど立派な演奏になっている。しかもイエペスが時おり見せる「なにもそこまで・・・・」というような“これみよがしなわざとらしさ”は、無くは無いが気になるほどではない。
とにかく作曲者のソルがそれぞれの曲に込めた訓練としての技術的、あるいは音楽的な要求は見事に再現されているだけでなく、イエペスの個性といったものもいやみなく、しかも充分に発揮されており、聴いていて気持ちが良い。曲によっては演奏のスピードやスタッカートの使い方に異論を挟めなくはないが、それでも旋律と伴奏の弾き分けや音楽そのもののうたいまわしには誰もが規範とすべきものがあり、このレコードがさすが超一流のギタリストの仕事といえる見事な芸術作品となっている。時代様式はともかく、これほど単純で簡単な音楽でさえ、芸術としてはここまでやることがあるんだということを聴くものに教えてくれる優れた演奏になっている。

皆さんはギターの練習をするとき、ここまで考えて演奏をしているだろうか。音階練習やアルペジオの練習といっても、出来ないところや弾き難いと感じるところだけちょこちょこっとやって済ましてはいないだろうか。
単純な音階練習といっても、まず楽器の構え方はどうであろう。理想的なフォームになっているだろうか。本当の意味で正しい左手の押さえ方はできているだろうか(指の曲げ方、押さえる角度、弦に触れる指先の位置など)。左肘はくねくねと左・右に動き回っていないか、肩には無駄な力が入っていないだろうか。右指からは正しく美しい音が出せているか。また左指と右指の押弦・弾弦のタイミングはベストであろうか。音階練習の最も重要な目的はこの左右の指のタイミングの練習といっても過言ではない。アルペジオの練習でも正しく均一な音量で弾けているか。またアルペジオに含まれるどの音にも自在にアクセントを付けて弾くことができるだろうか。
基礎練習はあまり楽譜を覚えるという必要がないからこそ、それらのことに気を配って練習に打ち込めるのだということを忘れてはいけない。基礎練習といっても、それがあたかも優れた音楽であるかのように美しい音で弾かれる必要がある。しかもそれが力学としてまったく理に適って効率よく(楽に)行われなければならない。いかなる基礎練習もただ音が出たというだけでは、なんの効果も望むことはできない。上達のコツとして、ぜひともこれらを忘れずに毎日の練習を行ってほしい。
内生蔵幹(うちうぞうみき)


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5月1日(日)にはミューズのギター講師陣6名(酒井康雄、藤井敬吾、高岡誠、大矢修三、山田陽介、池田浩)によるミューズサロン・チャリティーコンサートを開催しました。お蔭様で満員御礼で幕を開けることが出来、コンサートの収益金も141,300円となりました。講師の皆さん、友情出演してくださった、ジェイソン・テイラーさん、そしてご来場いただいたお客様にお礼申し上げます。

このコンサートは、東日本大震災による被害の報道を見て衝撃を受け、「何か出来ないか」と言う気持ちから講師の皆さんに呼びかけて実現したものです。
今回はこの呼びかけに呼応した形で、四日市のギター合奏団「サルビア」の皆さんからも義援金として80,000円を頂きました。金額が大きくてビックリしました。また、それをご持参頂いたんですよ。そのご厚意に頭が下がります。また、店内にも募金箱を設置していましたが、4月末までに28,000円強の寄付が集まりました。これらを合計しますと249,300円になります。このお金は日本赤十字社を通して直接被災者の皆さんに届けられる義援金として、この連休明けに寄付に行ってきます。改めて、皆様に厚く御礼申し上げます。

コンサートはかなり長いものとなりましたが、それぞれの演奏者の個性、演奏曲目のバラエティー、ソロと二重奏の変化など、お客様方には楽しんで頂けた様子でした。

~第一部~
【池田浩】
 ・ソレアレス
 ・ファルーカ
 ・ブレリアス

【大矢修三】
 ・ルネサンスの小品よりPezzo tedesco /anon.
 ・Muir Woods/A.York
 ・「森のなかで」より /武満 徹
 Wainscot Pond -after a painting by Cornelia Foss-
 ・作品31-23/F.Sor
 ・ASHITA/Andre Gagnon

【Jason Robert Taylor&大矢修三】
 ・「4つの描写」より 秋桜(コスモス)/渡邉なつ実
 ・Variations/Jason Robert Taylor

【酒井康雄&山田陽介】
 ・ホルベルグ組曲より/E.グリーク
  ~サラバンド、ガヴォット、アリア、リゴードン~

~第二部~
【山田陽介】
 ・みなし子、エピローグ/E.グラナドス 

【高岡 誠】
 ・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より
            シャコンヌ/J.S.バッハ

【酒井康雄】
 ・グランソロ Op.14/F.ソル(19Cギター)

【酒井康雄&藤井敬吾】
 ・対話風二重奏曲ト長調/F.カルリ

【藤井敬吾】
 ・羽衣伝説/藤井敬吾

以上、それぞれの演奏は聴き応えがありましたよ。
皆さんの熱演に感謝致します。
山下高博


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いいお天気ですね。スタッフの関谷です。
GWは皆さんいかがお過ごしでしょうか?・・・・私ですか?
悲しいかな、お休み前に風邪をひき、こ~んなに晴れているのに、咳がひどくておとなしくしています。
お掃除もお洗濯も買い物も衣替えもしたし、ブログでも書こうかな・・とパソコンの前に座ってます。

こんな咳をしつつ、4/30日は「ライヴパーティ」でした。ポピュラー系の生徒さんの発表会です。
軽食やアルコールも出ていつもワイワイ、楽しいんですよ。
私も司会するのが多少慣れてきたのもありますが、皆さんも私の突っ込みに慣れてきて、うま~くかわすようになってきて
そのやり取りも楽しいひとつですよね?!(と思っているのは私だけ?)

今回は、ギターとウクレレの生徒さんだけでしたが、盛り上がりましたね。普段は個人レッスンですが、発表会では他の方と
アンサンブルや2重奏、3重奏と、先生が組んでくださった方や、ここで仲良くなった方と合わせたりって事ができます。
私も最後のグループで、ピアノ伴奏で参加しました。なかなか練習日が合わなくて、ある生徒さんのお宅にお邪魔して1度練習
しただけなんですけど、お仲間に入れていただいてとっても楽しかったです。
ウクレレの生徒さん、増えましたよね。それにどんどん上手くなってるし・・・。誰かフラやってる生徒さんいないかしら?
一緒に出てもらえればもっと盛り上がるんだけど。
初めて出演してくれた男子は、押尾コータローの曲を2曲披露してくれました。かっこ良かったね
こらこら、若いかっこいい男子だからって、絡みすぎだって?そんなこたーないですよ、そんなこたー

演目が終わって、打ち上げに入ってしばらくしたら、またまた演奏が始まりましたよ。プログラム以外の曲だったり、先生の
伴奏で歌ったり、生徒さん同士で伴奏と歌だったり。拍手と歓声で1Fの受付でも盛り上がっているのが伝わってきました。
咳が出るから参加を控えたけれど、私も参加したかったです。

楽しい模様は、また写真をアップしてもらいますね。
演奏中、咳でお邪魔して申し訳ありませんでした。
・・・うつっちゃった人、ごめんなさい!

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