2005年11月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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 こんにちは!吉岡恵です

 今日は、「世界の銘器展」の銘器弾き比べミニコンサート第3回目でした。
 3回目の今日は、吉本光男先生をお迎えして行いました!

 楽器は、ポール・フィッシャー、サントス・エルナンデス、バルベロ・イーホ、アントニオ・マリン、パコ・サンティアゴ・マリン、ホセ・ラミレス、一柳一雄・邦彦、そしてアンコールではハウザーを演奏されました。まず最初に、7本全てのギターで同じ曲を演奏されてそれぞれの楽器の音色を比較された後、演奏会が始まりました。セゴビアの愛奏曲を中心に演奏されて、最後は一柳一雄・邦彦さんの楽器で服部修司さん作曲「夕暮れの歌」を演奏されました
 「ギターは悲しい曲が似合う」とおっしゃるように、今日の演奏曲目どれもどこか切ないような、優しいような曲が多かったように思います。甘くやわらかい、非常に心打たれる演奏が続きましたがその中でも最後に演奏された「夕暮れの歌」では、右手のタッチなどに様々な研究をされたそうで美しい音色が特に印象的でした。先生自身も「一皮剥けた音色」とおっしゃるような素晴らしい演奏でしたお聞きになったみなさんも非常に感動されていました!!
 「夕暮れの歌」の作曲者の服部修司さんは、第3回ワンコイン講座「究極の調弦法~調弦を科学する」で調弦の仕方や倍音、平均律などについて中身の濃いお話をして下さいます。またうれしいことに、この曲は服部さんの行っていらしゃるアンドレアスギター室内楽研究会のホームページにこの曲の楽譜が掲載されていて、楽譜を見たり聴いたりすることも出来ます!!
 皆さんも、是非挑戦されてみてはいかがでしょうか?

明日は野村芳生先生による銘器弾き比べです。是非お越しください。
お待ちしております。





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10月に発売になった高田元太郎の新譜『天国への階段』を今日始めて聴いてみました。これはクラシックギタリスト・高田元太郎のCDではないですね。ミュージシャン&プロデューサー・高田元太郎のCDです。とても楽しく聴けるし、何度も聴きたくなるCDに仕上がってます。ただ単に「70年代ハードロックの名曲を集めた決定盤」だとか「70年代のロックナンバーをガットギターに乗せて全世代のギター少年に贈る決定盤」と言うキャッチコピーではこのCDを言い表すことは出来ませんね。

彼自身がCDジャケットに『僕は肩書きにクラシックギタリストとつけているが、それはクラシックギター(ガットギター)を弾く演奏家と言う意味に過ぎない。音楽にジャンルと言う垣根などあるはずがない。何歳になっても魂(ガッツ)の入ったロックを演奏できるクラシックギタリストでありたい。』と言っている。これを聞いて高田元太郎をクラシックギタリストとしてしか知らなかった人には『エッ!?どう言う事?』って思われるかも知れない。

彼はそのジャケットにこう書いている。『学生時代はロックばかり聴いていた。ディープ・パープルを皮切りにほとんどハードロックの世界にはまり込んでいた。LPレコードを擦り切れるほど聴いて演奏をコピーする毎日だった。ディープ・パープルはもとよりマイケル・シェンカー、ジェフ・ペック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジなど主要ロックギタリストの演奏は殆どコピーした。これらの作業で多くの事を学んだ。いわばこれらの音楽がクラシックギタリスト・高田元太郎の原点なのである。以下省略』

高田元太郎と言えば私の今までの認識は「内外のコンクールで輝かしい入賞歴を持ち、ボリビアのラパス国立音楽院ギター科主任教授を務めた経歴を持つ異色且つ実力派クラシックギタリスト」でした。先日ミューズサロンでコンサートをやっていただいた時にご本人の口からロックギター少年だった話を聞いていたので多少は認識を改めたつもりでいましたが、このCDを聴いてその認識がまだまだ不足していたことを改めて知ることになりました。

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今日で世界の銘器展が5日目に入りました。
銘器弾き比べミニコンサートやお客様との会話の中での弾き比べなどを通して、だんだんとそれぞれの製作家の関係を紐解きたくなりました。現代ギターが出版した「クラシックギター銘器コレクション」の221ページには貼付写真のようなスペインの製作家たちの関係図が載っています。これはアントニオ・デ・トーレス以降の製作家達の師弟関係を図にしたものでとても興味深いものがあります。

これを見ても良く分かるのがスペインの製作家達の歴史において如何にラミレス一家が重要な位置を占めているか、如何に大きな影響を残しているかです。ホセ・ラミレスI世(1858-1916)の弟子にマヌエル・ラミレス、エンリケ・ガルシア、ホセ・ラミレスII世が居る訳ですが、マヌエル・ラミレスの弟子にサントス・エルナンデス、エンリケ・ガルシアの弟子にフランシスコ・シンプリシォ、ホセ・ラミレスII世の弟子にマルセロ・バルベロ、その弟子にアルカンヘル・フェルナンデス、そしてホセ・ラミレスIII世はパウリーノ・ベルナベ、マヌエル・コントレラス、マヌエル・カセレス、イグナシオ・ロサス、マリアーノ・テサーノス、テオドール・ペレスなどの現代の名工を輩出しているんですね。これは凄い事です。

そして展示会場にあるセゴビアが愛用したラミレスIII世1967年にはMTマークが付いています。これはマリアーノ・テサーノスなんですね。このセゴビアのラミレスでテサーノスの名前は一躍知られることになったんです。

この様なことを念頭に置きながらこの銘器展を見直すとより面白くなってきます。試奏するにしても気分が違ってきますね。是非皆さんもそんな観点からご覧になってください。会場にはこの「クラシックギター銘器コレクション」は置いておきますので参照してみてください。きっと同じ楽器でも違って見えてきますよ。そしてお客さんの少ないときにはステージのイスに座って試奏してみてください。自分が主役になった気分で銘器の音を楽しめますよ。




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 こんにちは、吉岡恵です!!久しぶりにブログを書きます

 今日は、「世界の銘器展」の2日目でした!第二回目の「銘器弾き比べミニコンサート」は高岡誠先生でした!
 今回使用された楽器は、
 ・ルベン・ロペス
 ・A.ミューラー
 ・セルヒオ・ペレス
 ・ケネス・ヒル(ロドリゲスモデル)
 ・バルベロ・イーホー
 ・パコ・サンチャゴ・マリン
 ・ラミレス2005
 ・加納木魂
 でした!

 演奏では、楽器の音色やその楽器の持つ雰囲気についての先生の感じたことや、そのイメージから連想された曲の演奏などありました。ラミレス2005では、「ラミレスといえばセゴビアのイメージが強いので…」とおっしゃって、セゴビアの愛奏曲でポンセの曲から1曲演奏されたりと、とても楽しいひとときでした。
 また、楽器無料診断では加納木魂さんがいらしゃいました。開始時間より1時間近く前からいらっしゃる方もみえて、とても大盛況におわりました!!
 これから1週間「世界の銘器展」開催しております!この機会に、世界の銘器を見て、さわって、演奏してみてください!!

 それでは、冬の足跡の聞こえるような寒い季節ですが、風邪などひかれないようにご自愛ください。今日はこのあたりで失礼いたします。


 

 

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世界の銘器展初日の弾き比べ見にコンサートは野村芳生さんにしていただきました。事前に野村さんが選んだギターは次の4点。
・Marcero Barbero Hijo
・Tezanos Perez Replica de Antonio de Torres
・Ruben Lopez
・Kenneth Hill Hauser Model

野村さんはギターに対する感性は非常に敏感でありデリケートな方で、ギターと対話が出来るか出来ないか、音楽が語り合えるか合えないかと言う事で選別される方です。従って私が前日に弦を張り替えたら、今日の本番で感じが違って戸惑われたギターがありました。そしてこんな事も言ってみえました、「同じ曲を演奏しても楽器によって浮かんでくる景色が違うんだ」

今日の演奏曲目は殆どがタレガの曲でしたが、野村さんの楽器に対する考え方や、選ばれた楽器に対するコメントを添えながら演奏が進められました。そして最後にはお客様からのリクエストにお応えする形で、他の楽器の演奏もして皆さんがそれぞれの銘器の音色を楽しまれました。

明日は高岡誠さんが事前に選ばれた7本のギターの音色を披露してくださいます。是非お楽しみにお出でくださいませ。お待ちしています。



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