2005年11月28日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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一昨日26日(土)は岩永さんのリサイタル、そして昨日27日(日)は公開レッスンを聴きました。
先ずリサイタルですが、プログラムがあまりギターリサイタルに出てこない曲目が並んでいるので聴く前から期待が膨らんでいました。

<プログラム>は下記の通り。
アダージョ:T.アルビノーニ
無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012:J.S.バッハ
3つのティエントス:H.W.ヘンツ
ソナタ第一楽章 Op.115(無伴奏ヴァイオリンのための):S.プロコフィエフ
1.ヴォカリーズ 2.アンダンテカンタービレ(パガニーニの主題による狂詩曲):S.ラフマニノフ
1.ベテネーラ 2.ロンデーニャ:R.S.デ・ラ・マーサ

アルビノーニのアダージョは昔、プレスティとラゴヤの二重奏でよく聴いていた曲ですが、たっぷりとリバーブを効かせた録音でとても好きでした。さあ岩永さんの10弦ギターではどんな響きがするのかと期待を膨らませていました。しかし、第1音がなった瞬間、会場が響かないのに気が付きました。ギターのコンサートではよくあることですが、最初の音は小さく聞こえても、奏者の指もウォームアップしてタッチがしっかりしてくるとともに、聴く方の耳も慣れてきて良く聞こえてくることがあります。最初はそう期待していました。しかし、なかなか耳が慣れてこないので天井と両サイドの壁に目をやると、なんと小さな穴の開いた吸音ボードが張ってあるではないですか。80人ほどのキャパの小さなホールなので、ピアノやエレクトーンなどの大きな音の楽器を演奏したときにうるさくない様にしてあるのだな、と直ぐに分かりました。

岩永さんの演奏は卓越したテクニックで難しいフレーズも早いパッセージも見事に弾き切り、彼独特の声も出しながらの熱演を繰り広げ、目の前ではすごい事をやっているのですが、そのすごさが充分に伝わってこないのです。受身で聴いていたのでは駄目で自分から耳に神経を集中して、繰り広げられている岩永さんの音楽の中に自分から入っていかないと醒めてしまうんです。やはり響きは大切ですね。しかし、プログラム全般に亘っていえることですが、本来他楽器のオリジナル曲の編曲物は6弦ギターでは難しい低音の処理を10弦の威力を充分に発揮しながらのアレンジで作品に新たな魅力を付加して聞かせてくれました。特にバッハの無伴奏チェロ組曲やプロコフィエフの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタも原曲にはない和音やベースラインを10弦ギターの魅力たっぷりに付けて響かせてくれました。これらは6弦ギターにはまねの出来ないことろですね。

そして岩永さんの人気がすごい事にも改めて気が付きました。
広島からこのリサイタルの為に来ているファンの方がいらっしゃったのです。大阪からもご夫婦でいらしていました。そのご主人が翌日の公開レッスンを受講されるかたなのですが・・・。ギタリスト、音楽家としての魅力も、また、人間としての魅力もなければなかなかこうはならないですよね。

さて、その公開レッスンについては明日ご報告いたします。
では今日はこの辺で・・・。

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