2005年11月16日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日で世界の銘器展が5日目に入りました。
銘器弾き比べミニコンサートやお客様との会話の中での弾き比べなどを通して、だんだんとそれぞれの製作家の関係を紐解きたくなりました。現代ギターが出版した「クラシックギター銘器コレクション」の221ページには貼付写真のようなスペインの製作家たちの関係図が載っています。これはアントニオ・デ・トーレス以降の製作家達の師弟関係を図にしたものでとても興味深いものがあります。

これを見ても良く分かるのがスペインの製作家達の歴史において如何にラミレス一家が重要な位置を占めているか、如何に大きな影響を残しているかです。ホセ・ラミレスI世(1858-1916)の弟子にマヌエル・ラミレス、エンリケ・ガルシア、ホセ・ラミレスII世が居る訳ですが、マヌエル・ラミレスの弟子にサントス・エルナンデス、エンリケ・ガルシアの弟子にフランシスコ・シンプリシォ、ホセ・ラミレスII世の弟子にマルセロ・バルベロ、その弟子にアルカンヘル・フェルナンデス、そしてホセ・ラミレスIII世はパウリーノ・ベルナベ、マヌエル・コントレラス、マヌエル・カセレス、イグナシオ・ロサス、マリアーノ・テサーノス、テオドール・ペレスなどの現代の名工を輩出しているんですね。これは凄い事です。

そして展示会場にあるセゴビアが愛用したラミレスIII世1967年にはMTマークが付いています。これはマリアーノ・テサーノスなんですね。このセゴビアのラミレスでテサーノスの名前は一躍知られることになったんです。

この様なことを念頭に置きながらこの銘器展を見直すとより面白くなってきます。試奏するにしても気分が違ってきますね。是非皆さんもそんな観点からご覧になってください。会場にはこの「クラシックギター銘器コレクション」は置いておきますので参照してみてください。きっと同じ楽器でも違って見えてきますよ。そしてお客さんの少ないときにはステージのイスに座って試奏してみてください。自分が主役になった気分で銘器の音を楽しめますよ。




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