2008年4月24日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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四日ほど遅くなりましたが、先週末の稲垣さんのコンサートと公開レッスンの報告です。
稲垣さんとは実は33年程前になるでしょうか、彼が高校生の時にヤマハ名古屋店にお出で頂いたことがあると言う、古い知り合いでもあります。と言ってもそれ以来、7、8年前に浜松で演奏をお願いするまで随分と長い間お会いしてなかったんですが・・・。
彼は嘗て数々の国際コンクールで優勝経験を持つ実力者で、その端正な演奏と美しい音色に定評のある演奏家なんですが、何故か名古屋にはあまり縁がなかったようで、今回で3回目との事でした。演奏を聴いて「もっと早く来ていただければ良かった」と思いましたね。二日間お付き合い頂き、いろいろとお話も出来ましたが、お互いに共感できるものを多く持っていることに気が付きました。彼自身もメールで「本物志向で普遍的なものを楽器商、ギタリストとお互いの立場は異なるものの追い求めるポリシーが同じように思いました。」と言ってくれました。これは私にとっても非常にうれしい言葉です。
そして彼の演奏を通してもそれを感じましたね。音楽に正面から向かい合い、四つに組んだ取り組みをされているのを感じました。奇を衒ったり、はったりを利かせる演奏では決してありません。ギターという楽器の魅力を如何に引き出すか、本物の音楽を如何に追求しようかと言う姿勢を感じることが出来ました。

そして音に対する感性がとてもある方だと思いました。それが素晴らしい音色に現れていると思います。その音の探求心からか、今までに50本以上のギターを変遷されているそうです。現在ブーシェ2本、ハウザー、フレタと銘器をお持ちだそうですが、更にいい楽器があれば欲しいと思っていらっしゃるそうです。やはり飽くなき探求心がいいものに繋がるんですね。そして、マスタークラスの時に、ある受講者からの質問「いい音を出すにはどうすればいいですか?」に対して次の様なお話がありました。「音には人それぞれの求める音がある筈です。タッチとかテクニックも勿論ありますが、楽器も大事です。上手になってからいい楽器を・・・、と言う方が多いですが、これは間違いですね。いい音を追求して上手くなるには出来るだけ早い時期にいい楽器を持たれる方がいいです。」このお話も嬉しかったですね。私がいつも言っている事なのですが、私は楽器を売る立場にある者ですから、私が言う言葉と稲垣先生が言う言葉とでは同じ内容でも信憑性と重みが違いますからね。

いつもはコンサートプログラムやマスタークラスの受講曲とコメントを書いていますが、今日は省かせて頂きます。
ただ一つ、マスタークラスを初めて聴講されたあるお客さんの言葉をご紹介いたします。「今までマスタークラスと言うのは私みたいな初心者が聴講しても仕方ないと思っていましたが、違いました。とてもいい勉強になりました。これからも機会があれば出来るだけ聴講に来ます。」とおっしゃって頂きました。これも嬉しいお言葉でした。皆さん、そうなんですよ。とてもいい勉強になるんです。最近は受講される方も中級クラスの方が増えてきましたし、マスタークラスと言う言葉を改めて「公開レッスン」にした方が、初心者の方にも来ていただけ易いかも知れませんね。

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