2006年10月8日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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一昨日の10月6日(金)には尾尻雅弘さんのコンサートがミューズサロンで開かれました。

尾尻さんは2003年に「ギターのパガニーニ」とも呼ばれるレゴンディ(1822頃~72)の世界初のレコーディングをして2枚組の「レゴンディ・ギター作品全集」を出されていますが、今回はブラジルの作曲家・ハダメスニャタリ生誕100周年を記念して「ブラジルの魂/ニャタリ・ギター作品集」(2枚組)を出されると言う、これまた世界的にも初めての快挙を成し遂げられました。
そのCD発売記念と言う事で今回ミューズサロンで演奏をしていただくことになった次第です。
ニャタリはクラシック音楽だけではなくポピュラー音楽にも数多くの作品を残しただけに、どの作品もクラシック、ジャズ、ブラジル音楽などいろんな要素が融合していて魅力にあふれるものばかりです。ただし、ギター界ではあまり取り上げられない人なので私自身今回のCDで初めてその曲を知る事になりました。勿論、生の演奏も初めてです。

尾尻さんはもともとはロックギターをやっていた人で、1981年ジャズギターを学ぶため米国バークリー音楽大学に留学され、卒業後、マンハッタン音楽学校にてM.バルエコ氏に師事されたと言う珍しい経歴を持っています。何故クラシックギターを始めたのですか?と訊くと、クラシックギターの現代曲に興味をもったから、と言うお答えが帰ってきました。
そんな尾尻さんによるニャタリ、ラルフ・タウナー(この人もジャズ系ギタリスト兼作曲家)、チック・コリア、武満のビートルズナンバーなどのプログラムには大変興味がありました。

当夜のプログラムは下記の通り:
1.ハダメス・ニャタリ(1906-1988):プチ・スイート
    Ⅰ‐パストラル、Ⅱ‐トアーダ、Ⅲ‐フレヴォ
2.ラルフ・タウナー(1940-  ):ラの組曲
   Ⅰ‐オレアンダー・エチュード、Ⅱ‐ホーンテッド、
   Ⅲ‐ジョイフル・ディパーチャー
3.ハダメス・ニャタリ(1906-1988):
   3つの演奏会用エチュード
   Ⅰ‐サンバ形式によるトッカータ第1番、Ⅱ‐同第2番、Ⅲ‐ブラジル風舞曲
4.チック・コリア(1941-  ):チルドレンズ・ソングス(ヘンダーソン・尾尻編)より
    第1番、第2番、第5番、第11番、第14番
5.武満徹(1930-1996):ギターのための小品(1991)
   「12の歌」~イエスタデイ(レノン=マッカートニー) 
        オーバー・ザ・レインボー(アーレン)
6.エグベルト・ジスモンティ(1947-  ): 水とワイン(リースケ編)
7.ハダメス・ニャタリ(1906-1988):
   ブラジリアーナ第13番
     Ⅰ‐サンバ・ボサノヴァ、Ⅱ‐ワルツ、Ⅲ‐ショーロ

なかなか聴くことの出来ない魅力あるプログラムでしょ?

また、尾尻さんは7弦ギターを演奏されます。ウィリアム・ジョン・ギルバート作の特注品で尾尻さんのアイデア満載の世界で1本しかないギターなんです。7弦にはバスギターの9弦目の弦を使用しているそうで、重低音が出ます。そして良く鳴るギターなんです。そのギターでの演奏はミューズサロンに尾尻さんのギターが鳴り響いていると言う感じでした。

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