消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

イベントの一角で

2012-11-12 22:20:26 | 消防・救急
前回の当番は3件。夜中はありませんでしたが、1件1件の走行距離が長かったために疲れました。

週末で車も多く、渋滞の中をかき分けながら走るのも神経を使いますのでね…


当直勤務が終わり、非番で地域行事に参加してきました。

年に1回行われる地域のイベントに消防署も参加。模擬店出したりショーをやったり。真夏のお祭りの様な大々的なイベントではありませんが、消防署もその一角をお借りして普及活動を行ったりするわけです。

展示用に普段使ってない予備の消防車や救急車を持って行ったり、バッテリーで走る小さな消防車を持って行って子どもに乗せたり、住宅用の火災警報器やら救急車の利用のパンフレットを配布したり等々。


私が今回担当したのは『煙体験』。

小さなビニールハウスみたいなのを組み立てて、その中に人工的に発生させた煙を充満させて煙の恐ろしさを知ってもらうためのもの。

小学校への出前授業や消防訓練で使用するものですが、これを今回イベント会場へ持って行き、来場者に煙の怖さを改めて知ってもらう試みでした。

ちなみにここで発生させる煙は吸っても無害なもの。ですが、呼吸器疾患がある方に対しては一応お断りをさせて頂きました。


骨組み、ビニールを組み立てて、煙も充満させて準備完了。

立ち止まった人、遠目からちょっと興味ありげにこちらを見ている人に片っ端から声をかけ、実際に体験してもらいました。

煙の特性としては、上に昇るのは早いが横に動くのは比較的遅め。上には人が走るぐらいのスピードで昇って行きますが、横には歩くぐらいのスピードで広がる。
(ビニールハウス内に充満させてましたので煙が広がる様子はちょっと見せられなかったですが…)

白い煙より黒い煙の方が断然怖いこと、煙は大変有毒なもの。避難する時は下の方には比較的新鮮な空気が残っているのでなるべく姿勢を低く、ハンカチやタオルがあればそれで口元を押さえて極力煙を吸わないようにすることを事前に説明して体験してもらいました。

体験用の煙ですので色は白く、匂いも甘い匂いの立ちこめる感じのものでしたが、実際の煙は黒くて先は何も見えなくなるし、熱いし、繰り返しますが大変有毒であると言うこと。

一酸化炭素の濃度が高ければ一回呼吸をしただけで倒れてしまうこともあり得るので、極力吸わないように体勢を取って…と言うことをしつこいようですがお話させて頂きました。


で、万が一吸ってしまった場合、気道熱傷や一酸化炭素中毒の可能性もありますので、火災現場であれば消防職員にすぐに申し出て下さいとも。

急激な気道閉塞によって呼吸困難に陥ることもありますのでね。


未就学児ぐらいの子どもにはちょっとまだ怖かったようで、お母さんはすごいやる気だったけど子どもが泣いちゃって断念してた親子連れもいましたね

逆に小学生の子どもには面白かったようで、何度も入りたがる子もいたし


火災現場で怖いのは炎よりも煙。それを少しは知ってもらえたかな?と思います。



明日はお休みです