消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

約36時間ぶりの帰宅

2011-06-05 23:43:12 | 消防・救急
昨日の当番は1件の出場、病院間の転院搬送のみ。急病や事故での負傷等での出場はありませんでした。

土曜日でしたし暑かったしでそろそろ熱中症事案があるかな?と踏んでいましたが、何事もなく終わりました。


昨日の訓練は救命士による特定行為の訓練(気管挿管、薬剤投与)を実施しました。

CPA(心肺停止状態)を想定して隊長が病院への受け入れ要請&指示要請をしている間に、CPR(心肺蘇生法)を実施しながら特定行為の準備をすると言うもの。

私は救命士資格を有していませんので特定行為自体を実施することは不可能ですが、その準備をすることはできます。必要なものを準備し、すぐに使えるようにすることは私でも可能。

指示された気管内チューブのサイズにスタイレットを入れ、キシロカインゼリーを塗り渡す準備。シリンジやら聴診器やらエアウェイチェッカーなんかも手元に用意し、とにかく素早く手際よく。

薬剤投与に関しても、輸液を実施するためのライン作り、穿刺後の処置を手際よくできるように。室内で&救急車内でそれぞれ何度か繰り返し反復しました。


大概訓練をやった後、早速実践となることも多々ありまして。

バックボードの取扱い訓練をすればさっそくバックボード固定を要するような事案に出場したり、消防隊と合同でPA連携訓練をやれば訓練でやった内容ほぼそっくりな事案に出場したり。

面白いほど、やったばかりの内容と同じことがあったりするものですが、昨日はそんなことありませんでした


今日は非番で救命講習の講師を務めることになっていました。

午後からの講習開催であったため、勤務終了してから講習が始まるまでは時間が空く状況。一旦家に帰ってまた署に出勤しても差し支えはなかったのですが、今勤めている署から自宅までは距離が遠いため、一旦帰宅すると集合時間に間に合わず。なので一旦着替えて署の周辺を警防調査と言う名のお散歩に出かけて時間をつぶし。

近くの気になっていた定食屋で昼食を済ませて、講習会場にレサシアンと訓練用AEDを積んで出発しました。


責任者の上司が応急手当の必要性と現在の救急車の出場状況についての説明をして、私が一通りの流れを見本として見せて。

その後各班ごとに分かれて実際に受講者に心肺蘇生法をやってもらいました。


私が受け持った班はほとんどが過去に受講された経験がある方。

なので最初は復習の意味を兼ねて一通りやってもらい、効果測定の時に想定を色々つけての講習を実施。直近の救急車が出場中のため到着が遅れる、渋滞に巻き込まれた、踏切の通過待ちなどで救急車がすぐに到着できないような場合や、公衆浴場の脱衣所で倒れた、道路のど真ん中で倒れているなどの状況設定。

あとは訓練用AEDの設定をちょっと変えまして、すぐにショックが必要ではないパターンにしたり、パッドの接触不良と言う設定にしたりと。

いじわるな講師のように思われたかもしれませんが、どれも実際に起こりえること。現に救急車の出場は右肩上がりの状態が続いており、到着時間は年々遅れる傾向にあります。

そして時間帯によりどうしても渋滞が発生する道路があり、抜けるのに時間を要することもありえます。踏切に関しても同じ。

AEDに関しても貼れば必ず電気ショックが必要な心電図波形とは限りませんし、慌てていてパッドがしっかり貼れていなかったと言うことも十分に考えられること。

せっかくの講習会ですので形だけの訓練にはしたくない。前述しましたが、ほとんどの方が過去に受講歴がある方ばかり。なので、より基本から進んだ形、パターンと言うのを実際に体験した症例を元にやって頂きました。

時間も救急車の平均到着時間と同じぐらいの時間やってもらい、思ったよりも大変なものであると言うことも体感してもらいました。


最後に質問の時間を多少設けまして、それにお答えして。

修了証をお配りして講習終了。講習会場から署に戻り、着替えて自宅へ帰りました。


当直の日の朝6時過ぎに家を出て、翌日の夕方6時過ぎに帰宅。いつもより長く仕事で家を空けましたが、わりと充実した当番・非番であったと思います。

訓練も自分のためになったし、救命講習の講師を務めるのも苦ではありませんしね



明日はお休み。

嫁と一緒にちょっとお出かけしてきます。